連載コラム「わかりやすく書く」

メールでの伝え方(2)

今回は、メールでの伝え方(2)です

コテツくんのメールを添削し始めたトラちゃん。
コテツくんも一所懸命に文章を書いたようですが、少しばかり空回り気味のようです。
今回は書き出し、名乗り、用件について見ていきましょう。

コテツ
件名、宛先と来て、次は「書き出し」ですね。
ここはビジネス文例集を見ながら、丁寧に書いてみました。
トラ
タツクリ課長は何度もお会いしている間柄だから、こんな大仰な書き出しじゃなくていいよ。
(何より、結びの敬白を書き忘れてるし・・・)
大事なのは用件だから、ここは簡潔に一言だけ書いておこうね。
コテツ
言われてみればそうですね。
では、シンプル・イズ・ベストでこれくらいにしておきましょうか。

修正前 修正後
書き出し 謹啓、時下ますますご清祥のこととお慶び申しあげます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 いつもお世話になっております。
トラ
次は「名乗り」だけれど、会社名と部署名があれば十分かな。
グループ名は内部の話だから、対外的なメールには書かなくていいからね。

修正前 修正後
名乗り 株式会社ヨウソロ 素敵商品事業部 海外販売部 ナンシーグループのコテツです。 株式会社ヨウソロ 海外販売部のコテツです。
コテツ
ところでトラ先輩、この「名乗り」って必要ですか?
差出人は画面に表示されますし、署名もあるのにわざわざ・・・という気もしますが。
トラ
(そう言いながら署名が入ってないんだよなあ・・・)
お客さんに電話をかけて、名乗らずに話し始めたりなんてしないでしょ?
それにメールを最後まで見ないと誰だかわからないのも不便だから、最初に
名乗っておこうね。
コテツ
なるほど、一理ありますね。
さて、次は肝心な「用件」ですが、いかがでしょう。

用件 3MAプロジェクト(8月度)の進捗状況を報告します。

■プロジェクト全体の進捗
・ST(システムテスト)工程の進捗は当初の計画どおり。

■課題と対策
安全衛生および品質確保の観点から、下記の施策を実施。
・夏バテ対策として、メンバー全員に鰻丼を支給。
・ストレス発散のため、爪とぎ室を設置。

(後略)
トラ
うん。用件はわかりやすくまとめられているよ。
日報の書き方でコツをだいぶつかんだみたいだね。
おさらいの意味も含めて、報告書を書くポイントをまとめておくよ。

・報告書は要点を明確にして、簡潔に書く!
・一目でわかるようにキーワードだけにしたり、体言止めにしたりする工夫を!
・報告書が何のためのものか、目的のために必要な情報が含まれているかを見直す!
コテツ
ありがとうございます!
3MAはキビナゴ商事さんの一大プロジェクトですし、報告のしがいがあります!
トラ
それ以外には、文章が長くならないように意識して改行を入れることかな。
メールの場合は、情報の切れ目がはっきりとわかるように、単語や意味の切れ目で 改行すると、ぐっと読みやすくなるからね。
コテツ
確かに単語の途中とか、変なところで文章が切れると読みにくいですね。
納得です。
トラ
文章を短めにして、読みやすい位置で改行しておけば、引用するときにも便利だよね。
メールは読む人の環境によってレイアウトが崩れがちだから、ついつい気にしちゃうんだ。
コテツ
・・・トラ先輩の細かい気配りに感服しましたっ!
自分もわかりやすい文章を書くように努めます。
トラ
その意気だね!
次回は締めくくりとして、結びと署名を見ていくよ!

予告

次回は「メールでの伝え方(3)」についてお伝えします。