読みやすくするコツ(1)
今回のテーマは「読みやすくするコツ」です
今回から4回にわたり、「読みやすくするコツ」というテーマで、文章改善のポイントをご紹介します。
中身がいくら正しくても読みにくい文章は敬遠されがち。
どうせなら、読みやすい文章にして、相手にしっかり理解していただきたいものですね。
さて、困り顔のトラちゃんがミケさんのところにやって来ましたが、何かあったのでしょうか?
- やあ、トラちゃん、久しぶり。どうしたの?
- 「ねこボット」っていう新製品の取扱説明書の英訳を頼まれたんだけれど・・・。
ミケさんだったら、このまま英訳していいと思う?
ねこボットは炊事や洗濯はもちろん、犬の散歩から盆踊りまでこなす、猫型お手伝いロボットです。肉球型ショックアブソーバーでお茶の間での活動も問題なし。あなたの生活をより楽しく、より便利になるようにサポートします。ねこボットを起動するには鼻のボタンを押します。次に後頭部に手を当てます。手を当てているときは、まばたきと起動音(ゴロゴロ)がすることを確認します。確認後、アゴをなでると起動します。電源ランプは電源をオンにすると緑色、電源をオフにすると赤色、節電中は黄色になり、10秒間点滅した後で消灯します。(後略)
- うーん、これはまたずいぶん、のっぺりとした文章だね・・・。
- ・・・やっぱり、読みにくいよね。
英訳する前にどうにかしたいんだけれど、何をどうすればいいのか
わからなくて相談しに来たんだ。
- ふむふむ・・・。
うん、この文章だったら、4つの改善で読みやすくできるよ。
ところで、トラちゃんは、この文章を読んでみて何が気になったかな?
- とにかく、ゴチャゴチャしていて読む気がしない・・・というのが正直な感想かなあ。
- じゃあ、1つ目の改善では「情報の区切り」をして、ゴチャゴチャ感を
解消してみようか。
この文章をよく読むと、3つの情報が書かれているんだけど、わかるかな?
- えーと、ねこボットがどんなロボットなのか、どうやって起動するか、
それから電源ランプの話・・・でいいのかな。
- そのとおり。まずは、情報の固まりごとに文章を区切ってみよう。
イメージとしては、こんな感じかな。
- 行を空けただけなのに、読んでみようという気になるね。不思議だなあ。
- 文章はこうして、情報の固まりごとに区切った方が読みやすいし、
次から違う話を始めますよ・・・というサインになるんだ。
これでゴチャゴチャ感はだいぶ解消されたんじゃないかな。
- うん、内容ごとに区切られて、ずいぶん読みやすくなったよ。
ねこボットは炊事や洗濯はもちろん、犬の散歩から盆踊りまでこなす、猫型お手伝いロボットです。肉球型ショックアブソーバーでお茶の間での活動も問題なし。あなたの生活をより楽しく、より便利になるようにサポートします。
ねこボットを起動するには鼻のボタンを押します。次に後頭部に手を当てます。手を当てているときは、まばたきと起動音(ゴロゴロ)がすることを確認します。確認後、アゴをなでると起動します。
電源ランプは電源をオンにすると緑色、電源をオフにすると赤色、節電中は黄色になり、10秒間点滅した後で消灯します。(後略)
- さて、今のままでもわからないことはないけれど、まだまだ読みやすく
できるところはあるんだ。
次は2つ目の改善として、「見出しの追加」について考えてみようか。
- うん、どうせ直すなら、最後までしっかりやりたいな。
次もよろしくね、ミケさん!
予告
次回は読みやすくするコツ(2)として、見出しの追加についてお伝えします。