連載コラム「わかりやすく書く」

漢字の使い方

今回のテーマは「漢字の使い方」です

メールや議事録を書いていて、漢字とひらがなのどちらを使えばよいのか、ふと悩んだことはありませんか?
悩んだときには、何か目安となるものが欲しいところ。ミケさんが何か知っているようですが・・・。

トラ
ミケさん、昨日の販売方針会議の議事録を書いたので、見てもらえる?

定例会に於いて、全自動ネコジャラシ「ふさふさ」の販売方針を協議。
各販社の要望に応える為、カタログやポスター等は、販売地域毎の
特色を盛り込み、全て個別に作成する。
ミケ
どれどれ・・・。
うーん、間違いはないようだけれど、ちょっと漢字が多くて読みにくいかな。
トラ
普通に変換しながら入力したんだけれど、言われてみると漢字だらけかな。
でも、漢字とひらがなって、どう使い分けたらいいんだろう。
ミケ
何を漢字で書くか迷ったら、文化庁の常用漢字表を参考にしてごらん。
この表は、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安になるものなんだ。
トラ
うわー、すごい表だね。
100ページ以上あるよ!
ミケ
2136字も掲載されているだけあって、圧巻のボリュームだね。
さて、たとえば、「毎」という字を調べてみると、常用漢字表には「マイ」という読み方しか載っていないんだ。
つまり、「ごと」は慣用の読み方なんだよ。
トラ
え、常用漢字表では、「等」は「など」って読まないの!?
ずっと漢字で書いてた・・・。
どうしよう、これからは常用漢字表に沿って書かないとダメなのかな。
ミケ
常用漢字表はあくまで目安だから、そこは読みやすさを考えてバランスを取るといいかな。
一般的に文章中の漢字の割合は、全体の30%前後が読みやすいと言われているしね。
それ以上になると、『読みにくそう』と思われることが多いから、重要な語句だけ漢字にするという手もあるよ。
トラ
う~ん、バランスを取るといっても、判断は難しいなあ。
ミケ
じゃあ、漢字とひらがなの使い分けを少し整理してみようか。
常用漢字表をよりどころに、ひらがなで書く場合の目安をまとめてみたよ。
ひらがなで書く目安
漢字が常用漢字表に掲載されていない於いて → おいて
読み(音訓)が常用漢字表に掲載されていない毎 → ごと
漢字読み(音訓)も常用漢字表に掲載されているが、各種用語辞典でひらがな書きが勧められている全て → すべて
トラ
うん、これなら何とかなりそう。
さっそく書き直したので、皆に回覧するね。ありがとう、ミケさん。

定例会において、全自動ネコジャラシ「ふさふさ」の販売方針を協議。
各販社の要望に応えるため、カタログやポスターなどは、販売地域ごと
特色を盛り込み、すべて個別に作成する。

予告

次回は、表現の一貫性についてお伝えします。