連載コラム「わかりやすく書く」

条件を示す用語

今回のテーマは「条件を示す用語」です

条件を表す言葉「とき」と「場合」は、普段なにげなく使われています。
正しく使い分けるために、使いかたのルールを確認してみましょう。

トラ
「ねこまんまレンジマニュアル」のFAQがわかりにくいって、お問い合わせが来ちゃった。

■よくあるご質問
スタートボタンを押しても動かないとき、
ドアが開いている場合は閉めてからスタートボタンを押します。
ドアが閉まっているときはいちど開閉してからスタートボタンを押します。
それでも動かないときは、ヘルプデスクにお電話ください。
ミケ
条件を表す「とき」と「場合」がごちゃ混ぜに使われているね。
トラ
「とき」と「場合」の使いかたにルールがあるの?
ミケ
どちらも仮定の条件を意味するけど、条件が複数重なったときは、大きい条件に「場合」、小さい条件に「とき」を使うよ。
トラ
この「ご質問」でいうと、「動かないとき」が大きい条件、「ドアが開いている/閉まっている」が小さい条件だね。
このルールで書き直すと……

■よくあるご質問
スタートボタンを押しても動かない場合、
ドアが開いているときは閉めてからスタートボタンを押します。
ドアが閉まっているときはいちど開閉してからスタートボタンを押します。

それでも動かない場合は、ヘルプデスクにお電話ください。
ミケ
そうだね。
条件がひとつだけのときは、「とき」を使うよ。
トラ
そういえば、「とき」と「時」って、ひらがなで書いてあるときと、漢字で書いてあるときがあるよね。
ミケ
「時」は、「私が家を出た時、雨が降り始めた」などのように、具体的な日時を示すよ。

「雨のときは傘をさします」などのように、条件を表す場合は、ひらがなだよ。
トラ
何気なく使っている言葉にも、ちゃんとルールがあるんだね!

勉強になったよ。ありがとう、ミケさん!

予告

次回は、「で」と「より」の適切な使いかたについてお伝えします。