連載コラム「わかりやすく書く」

長い修飾語は前に出す

今回のテーマは「修飾語の順番」です

複数の修飾語が1つの被修飾語にかかっている場合、修飾語の順番によってわかりやすくなったり、
わかりにくくなったりします。修飾語の順番にはどんなポイントがあるか、見てみましょう。

トラ
ミケさん!
会議の議事録を書いたんだ。
メールで送信する前に、わかりやすく書けているか確認しているところだよ。
ミケ
いい心がけだね。
他の人が書いたものだと思って、読み返してごらん。
トラ
あれ、「アクションアイテム」の「説明書」のあたりがしっくりこないなぁ…。

第2回こたつ会議 議事録

■アクションアイテム
・見やすい初心者がパソコンをマスターするための説明書を作る。
・フルカラー印刷やスキャンができる先月購入したプリンタを設定する。
ミケ
文章のわかりやすさのアンテナが働くようになったみたいだね。
今回もポイントは「修飾語の位置」だよ。
トラ
じゃあ、「説明書」を修飾している言葉の順番を入れ替えてみよう。
「初心者がパソコンをマスターするための見やすい説明書」…。
このほうがすっと頭に入ってくるね!
ミケ
そうそう。
長い修飾語を前に、短い修飾語をうしろに置くと、わかりやすくなるんだよ。
トラ
そうすると、2つ目の箇条書きは、「フルカラー印刷やスキャンができる」のほうが
「先月購入した」より長いから、このままでいいんだよね?
ミケ
長い修飾語を先に、という原則もあるけど、時をあらわす修飾語が
あるときは、それを前に出すほうがいいんだよ。
トラ
まだあったの~!
やっとコツがつかめたと思ったのに~。
ミケ
まあまあ、焦らないで。
で、どんなふうに変えるといいかな?
トラ
「先月購入した、フルカラー印刷やスキャンができるプリンタを設定する。」
これですっきりしたね。
ミケ
今回のポイントは2つ。
・長い修飾語を先に、短い修飾語をあとに
・時をあらわす修飾語は先に
トラ
とっても参考になったよ
ありがとう、ミケさん。

予告

次回は「長い文章をわかりやすくする方法」についてお伝えします。