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情報共有のメリットとは?うまくいかない原因・具体的な伝達方法・ツールの選定ポイントまでわかりやすく解説!

情報共有のメリットとは?うまくいかない原因・具体的な伝達方法・ツールの選定ポイントまでわかりやすく解説!

2023/04/11

業務の知識やノウハウなどの情報は、事業を展開することで得られた財産であり、社内で共有するのが望ましいものです。情報共有の体制ができていないと、少数の人しか情報を得られず、いつか人とともに消えてしまう可能性もあります。

この記事では、情報共有のメリットや情報共有がうまくいかない原因について解説します。
また、具体的な情報共有の方法や、情報共有のためのツールの種類、ツールの選び方についてわかりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

情報共有とは?

情報共有とは、一般的にはチームのメンバーがそれぞれ得た情報をチーム内で教え合うことです。

ビジネスにおいては、業務の過程で個々の従業員が得た情報を、企業や職場が共同で所有することを意味しています。情報を組織で活用することで、組織によりよい影響を与えることが目的となります。

共有する情報としては、例えば業務に関する技術や手順などのナレッジ、他社の動向、法改正、世界情勢など、業務に関わるさまざまな情報が挙げられます。

情報を共有することで、全従業員の業務レベルの底上げになり、製品や成果物の品質向上につながっていきますから、情報共有体制の構築は重要なテーマです。

情報共有するメリット

情報を共有することで、どのようなメリットを得られるのか、主なメリットを4つご紹介します。

【メリット1】業務の属人化防止

情報共有するメリット

現場でのノウハウや技術などの情報を共有することで、業務の属人化防止になります。

属人化とは、特定の従業員が業務を抱え込んでずっとその業務を行うことを意味します。業務が属人化すると、他の人が内容をつかめず、仕事を代替できなくなってしまいます。

例えば、リフォームの工事現場で、想定外の出来事やトラブルがあると、従業員は上司よりも一人のベテラン従業員に相談する流れになっているケース。ベテラン従業員は、上司よりも頼られることで次第にノウハウを独り占めしてしまい、ベテラン従業員にノウハウが集中している状態です。ベテラン従業員がもし急に辞めてしまうと、重要なノウハウが人とともに消えてしまうリスクがあります。

情報を共有することで属人化が防止でき、従業員が辞めても企業に情報が蓄積される体制となります。

【メリット2】業務効率化や生産性の向上

業務の標準的な手順や成果物のレベルなどの情報を共有することで、業務効率化や生産性向上につながります。

例えば、経理や総務での業務において、金融機関や取引先、関係省庁とのやりとり、福利厚生の資産管理など業務が多岐にわたるケース。現在、多種類の業務を2名でこなしており、どちらかが休暇の際には対応できない業務も発生しています。

業務の手順や関係者情報を共有することで、業務を一覧化でき、業務のボリュームや繁忙期がわかります。妥当な人員数やサポートに入る人数を把握でき、人繰りがしやすくなります。ムダな手順の発見につながるなど、効率化への取り組みもできますし、手間の効率化が進めば生産性の向上も期待できます。

【メリット3】ナレッジの共有による組織力の向上

ナレッジの共有による組織力の向上

業務の知識や技術などの情報を共有することで、組織力の向上につながります。

例えば、製品の品質検査を行うある企業では、業績好調により従業員を増やしています。業務には年々進化する素材の知識や、品質検査の許容範囲などの細かなノウハウがありますが、その情報を共有できる体制がなく、新入社員は検査のスキルがなかなか向上しない状態です。

知識やノウハウを共有することで、今後さらに従業員が増えても品質を均一化できます。新入社員も早期戦力化でき、みんなが一定以上の知識レベルを持てるようになり、安定して高い成果を出す組織づくりになります。

【メリット4】信頼関係の強化

改善点や、ミスやトラブルといった情報を共有することで共通の課題認識となり、従業員どうしが対立するのではなく協力しあう関係となり、信頼関係の強化につながります。

例えば、ある外食産業の企業では全店で情報共有する体制がないため、複数の店舗で同じミスやトラブルが起きています。全店共通の施設レイアウトや作業工程などの仕組みに課題がある場合でも、その店の従業員の質に原因が転嫁され、人間関係がギクシャクしています。

情報を共有することで原因分析が進み、仕組みによるミスだと判明すれば、人を糾弾するのではなく仕組みを改善しようと信頼関係が強まる効果があります。

情報共有がうまくいかない原因

情報共有がうまくいかない原因はさまざまですが、多くの企業に共通する原因をご紹介します。自社に当てはまるか考えながら読んでみてください。

情報共有をしようと思う動機がない

情報共有がうまくいかない原因

職場の雰囲気のせいで、情報共有をしようという動機が起こらない、という原因です。

例えば、失敗が許されない雰囲気や、同僚をライバル視する雰囲気、上司と部下の間に信頼関係が築けていない冷めた雰囲気の職場はありませんか。「このやり方は同僚には内緒にしておこう」とより良い方法を教えなかったり「ミスを上司に知られないようにしよう」と隠ぺいしたりする心情が働き、情報を共有するどころか隠す方向に向いてしまいます。

このような雰囲気の職場では、情報の共有化は進みにくくなります。

情報共有のメリットをチーム内で理解していない

情報共有のメリットや重要性をチーム内で理解していない、という原因です。

どんなささいな情報も、共有すると業務や組織のために役立つものだと十分に理解していないと、情報共有は積極的には行われません。人は、自分が行うことは、他人から見ると良い工夫やアイデアであっても、自分では当たり前のことだと考えがちだからです。

情報共有によって自分の知見が役立つメリットがあると理解していないと、情報の共有化は推進されなくなってしまいます。

従業員の時間的余裕がない

従業員の時間的余裕がない

業務が忙しすぎて従業員の時間的余裕がない、という原因です。

あまりにも従業員が多忙だったり不在にしていたりすると、情報共有を行う時間的余裕がなくなってしまいます。人手不足や業務量の多さ、エラーやトラブルの発生、顧客対応などに追われてデスクに座っていない。このような状況だと、情報共有のメリットや重要性をたとえ理解していても、情報共有に取り組めなくなります。

人手不足の解消や業務量の調整などで時間的余裕を生み出さないと、情報共有に取り組むことは難しいでしょう。

情報共有をしやすい環境が整備されていない

情報共有を行う環境が整備されていない、という原因です。

情報を共有するには、情報を蓄積し閲覧できる環境が必要です。現場の従業員が忙しい業務の合間にアクセスし、簡単に入力できる環境が望ましいでしょう。電話や会議だけでは共有対象が少人数になりますし、メールの送信だけでは読まれるものと読まれないものが出てきてしまいます。

整理された書棚と同じで、情報の置き場所を作らないと「入れる」という行動ができません。企業においても、環境を整備しないと、日々現場で生まれるナレッジを取りこぼしている状態になっています。

基本的な情報共有の方法

基本的な情報共有の方法

情報共有がうまくいかない原因がさまざまですから、情報共有の方法もさまざまなものがあります。
基本的な情報共有の方法を5つご紹介します。

1.組織内のコミュニケーションの活性化

組織内のコミュニケーションを活性化しましょう。

失敗が許されない雰囲気や同僚をライバル視する雰囲気、信頼関係のない雰囲気を撲滅しましょう。そのために、従業員どうしの対話を増やし、コミュニケーションを活性化する施策を実施します。

  • 1日の始まりに雑談形式の10分間ミーティングを行って業務予定を伝え合う
  • 週に1回気づいたことや聞いたこと、質問したいことなどを自由に話し合う
  • 定期的に上司と一対一の面談を行い、気になることを話し合う
  • 部署や全社でイベントを行う

コミュニケーションすることで話しやすい雰囲気が生まれ、ミスやトラブルの際にもオープンに話し合えるようになり、情報共有につながります。特に営業拠点や従業員数が増えたり、テレワークの機会が増えたりすると、顔を合わせない人が多くなりますから、意識的に取り組みましょう。

2.情報共有のルールを規定

情報共有のルールを規定しましょう。

情報共有の目標を掲げても、具体的にどんな情報をどのように共有するのかを決めておかないと、従業員は実行に移すことができません。

例えば、マニュアルや手順書などのナレッジのベースを作り、それを土台として新たな知識やノウハウを付加していく、顧客や取引先の情報は別のベースを作って情報を追加していく、などのルールを作りましょう。

そして、人事評価制度において情報共有への取り組みの項目を設置したり、人材育成制度において情報共有について研修を行ったりするなど、組織として情報共有を重視している姿勢を打ち出します。そうすると、情報共有のルールも周知ができますし、評価につながるのなら情報共有に取り組もうというモチベーションが生まれ、取り組む人・取り組まない人の二極化なども防ぐことができます。

3.情報共有の目的・重要性を啓蒙

情報共有の目的・重要性を啓蒙

情報共有の目的や重要性を啓蒙しましょう。

情報共有の目的や得られるメリット、重要性を従業員に伝えます。企業によってどんな情報をどんな目的で共有するのかは少しずつ異なりますから、情報共有を行うことで成功した事例をモデルに、折に触れて従業員に伝達しましょう。例えば「新入社員の即戦力化」「作業工数が何割削減」「顧客対応での成果」など、具体的にわかりやすく伝えます。

ミスやトラブルの事例であっても「情報をすみやかに共有し関係者で早期解決できた」などの成果があれば、情報共有の重要性が伝わりやすいでしょう。

情報共有の効果が目に見えてわかると、従業員の取り組み姿勢が変わります。

4.業務状況の改善<

業務状況の改善に取り組みましょう。

従業員の時間的余裕がなければ情報共有に取り組めないですから、時間的余裕を生み出すべく業務状況を改善します。まずは、チームごとに従業員の業務状況を把握しましょう。

人によって忙しさに偏りがあるようならバランスを見直す、ジョブローテーションを行い複数の従業員で業務を習得し、トラブルの際にサポートできる体制にする、などの方法があります。対応に時間のかかる顧客を抱えていたり、なくてもよい報告書を作成していたりなど、業務内容の変更や縮小ができないかも見てみましょう。

また、業務の合間に片手間にやっている作業が、実はきちんとノウハウを共有し分析を行えばツールで自動化できる、といったものもあるかもしれません。業務状況の把握と改善は、情報共有の取り組みにも業務の効率化にもつながります。

5.情報共有に特化したツールの導入

情報共有に特化したツールを導入しましょう。

情報共有には情報を保存できる環境が必要であり、現場の従業員がアクセスしやすく、スピーディに情報を保存できる環境を用意します。また、他の従業員が誤って削除しないよう編集制限をかけたり、最新版をバージョン管理したりする運用上の機能も必要となりますから、ツールを導入するとスムーズです。

次の章でツールの種類やツールの選び方をご紹介します。

情報共有ツールの種類

情報共有ツールの種類

情報共有に適したツールをご紹介します。

情報の内容がフローなのか、ストックなのかによって最適なツールが変わってきます。フロー情報、ストック情報の特徴と、それぞれどんなツールが適しているのか、ご説明します。

フロー情報に適した情報共有ツール

フロー情報とは、その場限りとなる「流れていく情報」であり、使用期限の短い情報のことです。例えば、業務で改善すべき点、取引先のキーパーソン、マーケティング調査結果、打合せの決定事項などがあります。

こういった情報の共有には、スピーディなやり取りができるビジネスチャットツールが適しています。

ビジネスチャットツールとは、SNSやメールのような画面でコミュニケーションができるツールです。対面に近いイメージでチャットができますし、Web会議やタスク管理などの機能も備えています。

ストック情報に適した情報共有ツール

ストック情報とは、今後も使用されていくような「蓄積する情報」であり、時間が経っても価値が変わらずに使用される、使用期限の長い情報のことです。例えば、業務の手順、プロジェクトの記録、成功事例や失敗事例などがあります。

こういった情報の共有には、情報を蓄積し必要なときにいつでも閲覧できる、マニュアル作成ツール社内wikiなどが適しています。

マニュアル作成ツールとは、ドキュメントの形でマニュアルを作成するもので、新しい技術やノウハウが生み出されたら追記していくイメージです。社内wikiとは、フリー百科事典のWikipedia(ウィキペディア)に似たもので、Q&A方式や階層別などにまとめた情報を検索しながら使うイメージです。

情報共有ツールの選定ポイント

情報共有ツールの選定ポイント

情報共有ツールを選ぶにあたって、留意するとよい4つのポイントがあります。どのようなポイントなのか、見ていきましょう。

導入する目的を明確にする

導入する目的を明確にしましょう。

導入の目的を明確にして、その目的に合うツールを探します。ツール導入の目的としては、どんな情報を誰が共有するのか、情報共有によって組織のどの課題を解決したいのか、といった視点で考えます。

例えば、製品の品質検査を行う企業の例でいえば「製品に関する知識や検査技術といった情報を、検査実施の部署で共有し、人材の早期育成や組織力の強化を実現する」が目的となります。

目的が明確になれば、共有すべき情報がフローかストックかがわかり、どちらのツールが適しているかがつかみやすくなります。

無料プラン・トライアルで操作性を確認する

無料プラン・トライアルで操作性を確認する

無料で使用できる期間やトライアル(試用)があるもので実際に操作してみて、操作性や機能を確認しましょう。

情報共有のツールは現場の従業員が使用するものですから、現場の従業員が触ってわかりやすいか、効果がありそうかを試してみるのがおすすめです。「操作しにくい」「画面がわかりづらい」など、気になることがあると次第に活用されなくなってしまいます。

無料期間やトライアル期間があるか、というポイントで候補を絞り込んでみましょう。

情報を取り出せる検索性の高さ

情報を閲覧したいときにすぐ取り出せるか、検索性の高さを確認しましょう。

ビジネスチャットツールのような、会話やタイムラインの形式であれば、過去に遡ってやり取りを閲覧したいケースがあります。また、マニュアル作成ツールや社内wikiのような、ドキュメントやQ&Aのような形式であれば、検索した結果をスピーディに表示してほしいものです。

検索の仕方や、検索結果の表示などが、自社の従業員にとって使い勝手がよいものかを確認しましょう。

サポート体制がしっかりしている

サポート体制がしっかりしている

ツール導入時や導入後のサポート体制がしっかりしているかをチェックしましょう。

ツールを導入すると、想定外の状況が発生する場合があります。例えば自社のサーバに情報を保存するオンプレミス型ツールでサーバに不具合が起こったり、既存のツールと機能が重複しておりどちらを優先して使うかルールが必要になったりするなど、十分に準備したつもりでもさまざまなことが発生します。

そういった際にサポートしてもらえるツールであれば安心して導入できますから、具体的にどんなサポートをしてもらえるのかをヒアリングしましょう。

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まとめ

今回は、情報共有についてのメリットや、情報共有が進まない原因、具体的な方法やツールの選定ポイントなどを解説しました。

企業の情報には、業務の改善点などのフロー情報と、業務手順や技術などのストック情報があります。情報をきちんと蓄積して共有すると、業務属人化の防止や業務効率化、組織力の向上、従業員間の信頼関係強化などさまざまなメリットが得られます。

情報共有の環境や時間的余裕が整わないと、情報共有が進みにくくなりますから、業務状況を改善し、情報共有ツールを導入するなどして、情報共有体制を整えていくとよいでしょう。企業の成長に伴い、いかに抜け漏れなくナレッジを蓄積し共有するかが新たな課題となります。ぜひ前向きに取り組んでみてください。

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