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マニュアル作成はワード(Word)とエクセル(Excel)どちらが良い?手順・注意点・メリットとデメリットをわかりやすく解説!

マニュアル作成はワード(Word)とエクセル(Excel)どちらが良い?手順・注意点・メリットとデメリットをわかりやすく解説!

2023/03/03

マニュアルを作成する際に、「ワード(Word)とエクセル(Excel)、どちらのソフトで作成するといいのだろうか」と迷うことはありませんか?

文章入力や見出しの挿入はワードの方が向いているし、表作成やタブ分けをしたい場合はエクセルの方が適しているし…、と迷いますよね。

この記事では、ワードとエクセルでマニュアルを作成すると、どのようなメリットやデメリットがあるのかを解説します。また、基本的なマニュアル作成手順や、作成時の注意点についてもご紹介します。

ワードとエクセルで迷っている方や、マニュアルの作成方法を確認したい方に、参考にしていただければ幸いです。

ワード(Word)やエクセル(Excel)でマニュアル作成をする際の3つの手順

マニュアル作成の基本的な手順をご紹介します。手順に沿って作成するとスムーズに効率よく作成でき、また長く活用されるマニュアルを作ることができます。マニュアルを作り始める前にぜひご覧ください。

【手順1】マニュアル作成の対象業務と読者を決める

ワードやエクセルでマニュアル作成をする際の3つの手順

マニュアルを作成する対象業務と、誰に向けたマニュアルかを決めます。

業務のどの部分をマニュアル化するのか、マニュアルの読者が誰なのかを決めることで、マニュアルの規模や内容のレベル、使うべきソフトが定まってくるからです。

例えば、業務の一部をパート・アルバイト社員に依頼するため、特定の業務について、パート・アルバイト社員を読者と想定してマニュアルを作成するケース。マニュアルの分量は少なめ、かつ内容は未経験者にもわかりやすい内容で、チェックリストのような表形式にするため、エクセルを使います。

あるいは、部署の統合があってマニュアルを作り替えるため、すべての業務について、他部署から異動してきた社員を読者と想定してマニュアルを作成するケース。この場合はマニュアルの分量が多くなり、特に用語説明などの文字情報が多くなるため、ワードを使う、といった具合です。

このように、マニュアルを誰がいつどのように活用するのかが決まれば、内容のレベルや言葉の表現が定まり、スムーズに作成できます。

【手順2】マニュアル作成の開始

ワードやエクセルでマニュアル作成をする際の3つの手順

次に、マニュアル作成を開始します。

マニュアル対象の業務について、盛り込みたい内容を書き出し、わかりやすいように並べ替えて構成を考えます。

一般的には、マニュアルは「目次→概要→本文」といった構成で書きます。

目次は、構成を考えているときは、ざっくりとしたものでも構いません。本文まで書き上げたあとで、小見出しなども反映させた詳しい目次にするとよいでしょう。

概要は、業務の全体像や目的、マニュアル作成の背景などを解説すると、マニュアルを読む人が本文を読む前にイメージしやすくなります。

本文については、例えば次のような順序で書くとよいでしょう。

  • 時系列順(例:午前の業務→午後の業務、上期の業務→下期の業務)
  • 頻度の高い順(例:日次作業→月次作業)
  • 難易度の低い順(例:基本編→応用編)

表現については、図やイラスト、表を挿入しながら文章で書いたり、作業を箇条書きで端的に書いたりと、伝わりやすい方法を採用します。

構成を考えた上でマニュアル本文を書くと、情報の過不足なく作成できます。

【手順3】マニュアルの共有・更新

ワードやエクセルでマニュアル作成をする際の3つの手順

マニュアル作成後には、共有と更新を行います。

作成者ではない人にマニュアルの内容をチェックしてもらい、改善点があればフィードバックしてもらいましょう。現在その業務を担当している人と、逆にその業務に詳しくない人の両方に見てもらえると理想的です。改善を行った上で、読者対象の従業員に共有します。

また、マニュアルは一度作れば終わりなのではなく、更新し続けていくことが重要です。業務手順が変わる、法改正により参照する資料が変わるなど、業務上の変更はいろいろ発生します。それらをマニュアルに反映させ、最新の状態にしておくと、活用されるマニュアルになります。

更新のタイミングには、随時更新定期更新の2種類があります。随時は、変更があった際すぐ更新することであり、定期は、半年に1回や年に1回などと時期を決めて更新することです。両方行うと、変更点を漏れなく反映でき、いつ職場に新しい人が来ても、マニュアルを見ながらすぐ業務を開始してもらうことができます。更新したら「第2版」など、バージョンを明記していきましょう。

ワードやエクセルでマニュアル作成をするときの注意点

マニュアルを作成するときの注意点を3つご紹介します。

わかりやすいマニュアルを作成するためには、「文章をどう書くか」「構成をどうするか」「内容をどう書くか」が大切です。それぞれのポイントにおいて、これだけは押さえておきたい注意点を厳選してご紹介します。

5W1Hを盛り込む

ワードやエクセルでマニュアル作成をするときの注意点

マニュアルの文章においては、5W1Hの要素を盛り込むとわかりやすくなります。

5W1Hとは、次の6つの要素です。

いつ(When)·どこで(Where)·誰が(Who)·何を(What)·なぜ?(Why)·どのように(How)

5W1Hを意識してマニュアルの文章を書くことで、マニュアルを読む人が業務内容をつかみやすくなります。

例えば、コールセンターの業務であれば「お客様の通話に対応した担当者は、18時までに、問い合わせ内容と回答を〇〇システムの△△画面に入力する」というように、できる限り5W1Hの要素を盛り込みます。

マニュアルを作成する人は業務を熟知しているため、無意識に5W1Hの要素を省略してしまいがちになります。上記の例でいえば「18時までに」や「〇〇システム」は記載しても「誰が」「何を」はつい省いてしまうことがあります。初めてマニュアルを読む人にとっては既知の情報ではありませんから、5W1Hを意識すると読み手にわかりやすいマニュアルになります。

業務の全体像を把握できるようにする

ワードやエクセルでマニュアル作成をするときの注意点

マニュアルの構成においては、業務の全体像を把握できるようにすることが大切です。

業務の全体像は、社内におけるその業務の位置付けや、業務の前工程や後工程がどうなっているか、どんな関係部署といつやりとりがあるのか、といったことです。担当する業務内容だけでなく、全体の流れがわかると、業務内容の理解が早くなります。

例えば、金融機関の資金運用の部署の業務であれば、運用する資金は顧客からの預金であることや、運用結果がどう影響するかなどを、大まかにつかめるようマニュアル内の概要や本文で説明します。業務の流れをフローチャート図にしたり、関係部署を一覧表にしたりするのもおすすめです。

マニュアルを読む人は、業務の全体像がわかると、前工程や後工程を意識した動き方ができるようになります。社内全体にメリットがあるように手続きを改善していくなど、自律的な行動につながります。

業務の判断基準を明確にする

ワードやエクセルでマニュアル作成をするときの注意点

マニュアルの内容においては、業務の判断基準を明確にすることが大切です。

マニュアルを作成するとき、「やるべきこと」は書いても「どんなレベルで」「どこまでの範囲で」といった判断基準を書いていないことがあります。過去の経験から判断基準を明示できる部分については、過去事例とともに基準を記載しましょう。

例えば、関係省庁に報告書を提出するため、社内の関係部署にデータ提出を求めているものの、ある部署から締切日に間に合わないと連絡を受けた場合。このようなケースが過去にあれば、その時の対応をもとに「2日以内なら想定内」「システムトラブルなどで何日遅れるか不明な場合は、すみやかに関係省庁に確認要」などと記載します。

業務は必ずしもマニュアル通りとは限らず、トラブルやイレギュラーなことが発生します。その際、判断基準が書いてあると、マニュアルを読んだ人が対応範囲を判断できるようになります。

マニュアル作成におけるワードとエクセルのそれぞれのメリット

マニュアル作成におけるワードとエクセルのそれぞれのメリット

マニュアル作成においてワードとエクセルを使う場合、さまざまなメリットがあります。共通のメリットと、個別のメリットをご紹介します。

ワード・エクセル共通のメリット

ワードとエクセルは、Microsoft Officeのソフトとしてパソコンに標準装備されている場合が多い、というメリットです。

そのため、マニュアル作成用に新たなソフトを用意しなくてすみます。また、パソコンを扱う人の多くがワードやエクセルの使用経験があり、マニュアルの作成や閲覧の際に、一からやり方を習得する必要はないでしょう。

自由度の高いソフトですから、どんな業務のマニュアルでも、たいていどちらかのソフトで作れます。また、多くのテンプレートがありますから、テンプレートがマニュアル内容にマッチするようなら、手間なくマニュアルを作成できます。

ワードのメリット

マニュアル作成におけるワードとエクセルのそれぞれのメリット

ワードは、長い文章の資料を作成するためのソフトですから、文字が多いマニュアルの作成に向いています。ワードをマニュアル作成に使用する場合には、以下のメリットがあります。

  • 見出しや文章のスタイルを柔軟に変更でき、統一できる
  • デザイン性の高いテンプレートがある
  • 誤字脱字のチェック機能がある
  • ページ番号を自動採番してくれる
  • 印刷しやすい

マニュアルに盛り込む内容を洗い出す際に、メモ代わりにワードにキーワードを書き出し、その内容次第で、そのままワードで作成するかエクセルに切り替えるかを考えてもいいでしょう。ワードにも表や画像を挿入する機能がありますが、幅の広い表や大きい画像になるようなら、見やすさの点でエクセルの方がよいでしょう。

エクセルのメリット

マニュアル作成におけるワードとエクセルのそれぞれのメリット

エクセルは表計算やデータ集計、グラフ作成に適したソフトであり、それらの計算プロセス自体をノウハウとしてマニュアル化する場合に向いています。エクセルをマニュアル作成に使用する場合には、以下のメリットがあります。

  • 図やグラフの種類が豊富である
  • 表計算、データ集計のプロセスと結果を表示できる
  • タブで内容を分けることができる

画面がセルに分かれていることを活かして、箇条書きのチェックリストを作成するのにも向いています。表も文字も多いマニュアルをエクセルで作りたい場合は、セルを広げセル内で文字を折り返して表示させれば、長文でも見やすくなります。

マニュアル作成におけるワードとエクセルのそれぞれのデメリット

マニュアル作成においてワードとエクセルを使う場合、デメリットもあります。ワード・エクセル共通のデメリットと、個別のデメリットをご紹介します。

ワード・エクセル共通のデメリット

ワードとエクセルの共通のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • ライセンスがないと、スマートフォンからの閲覧や編集が難しい
  • ファイルの数やボリュームが多いと検索に時間がかかる
  • ファイルの保存場所を統一しないと、ファイルが散逸する
  • ファイル名をルール化しないと、新旧マニュアルのバージョン管理が難しい
  • 編集権限を制限するためには、ファイルごとに内容を保護する必要がある

対策としては、パソコンだけでなくスマートフォンも業務で使用する場合は、ライセンスを用意するか、マニュアルについてはパソコンで扱うようにしましょう。

また、小規模のマニュアルを少人数で作成・閲覧するにはさほど管理に手間がかからないですが、大規模なマニュアルを大人数で扱うには、マニュアルの内容検索や保存場所、バージョン管理、権限管理といった点で配慮が必要です。マニュアルは社外秘情報ですから、厳格なルールを設定するか、マニュアル作成ツールなど別のソフトの利用を検討するとよいでしょう。

ワードのデメリット

マニュアル作成におけるワードとエクセルのそれぞれのデメリット

ワードをマニュアル作成に使用する場合は、以下のデメリットがあります。

  • インデント(行頭の空白設定)や改行などの、ワード独特の機能を理解する必要がある
  • 表計算のプロセスの表示は不可
  • 幅の広い表や大きいグラフは読みづらくなる

ワードで文書を作成する以上は、インデントや改行、レイアウト設定などの機能を理解し、マニュアル間でばらつかないよう心配りする必要があります。また、横長レイアウトで作成したとしても、大きな表やグラフの表示には限界があり、小さな表示になってしまいます。

対策としては、マニュアル作成を題材にしてワード機能の理解を確認する、職場のメンバーのワードスキルに合う機能のみ使う、などの工夫をしてみましょう。
表計算のプロセス表示や、大きな表・グラフが必要なマニュアルを作る場合はエクセルを使用しましょう。

エクセルのデメリット

マニュアル作成におけるワードとエクセルのそれぞれのデメリット

エクセルをマニュアル作成に使用する場合は、以下のデメリットがあります。

  • 印刷する場合は、印刷範囲の妥当性を確認しなくてはならない
  • ワードに比べてデザイン性に欠ける
  • タブ分けができるため、タブ閲覧漏れが起こる

印刷の際には、セル内の文字が折り返し表示になっていないと文字が印刷範囲からはみ出るため、プレビューなどで確認する必要があります。また、タブ分けはメリットではありますが、読む人がすべてのタブを見ていない、印刷が漏れた、などのデメリットも起こります。

対策としては、印刷して使うマニュアルには使わないことや、タブ分けを多用しないことが挙げられます。

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まとめ

今回は、マニュアルをワードやエクセルで作成する際の手順や注意点、メリットやデメリットについてご説明しました。

ワード・エクセル共通のメリットは、パソコンに標準装備されているため、ワードやエクセルを使い慣れている人が多い点や、自由度が高くさまざまなタイプのマニュアルが作れる点です。デメリットは、自由度が高いゆえの管理の難しさであり、マニュアルの内容検索や保存場所、新旧のバージョン管理が難しい点が挙げられます。

デメリットを解消するためには、ワード・エクセル以外の選択肢としてマニュアル作成ツールがあります。Microsoft Officeとは別のソフトとなるため、コストがかかる点がデメリットですが、以下のメリットがあります。

  • 操作感はワードに近く、なじみやすい
  • ワードやエクセルで作成した他のマニュアルを取り込むことが可能
  • マニュアル内の情報検索が早い
  • マニュアル保存場所が統一され、セキュリティのある場所に管理できる
  • バージョン管理が簡単になる
  • 編集、閲覧などの権限管理が簡単で堅確になる
  • 更新作業のために、日頃から修正すべき箇所にコメント入力をしておける
  • 印刷時にレイアウトが自動調整される

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