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引き継ぎができないことにもう悩まない!不安を取り除くステップとポイントを徹底解説!

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2022/11/25

職場のメンバーが異動することになれば、通常であれば後任者が指名され、業務を引き継ぐことになります。ところが、引き継ぎ期間不足や後任者が決まらないなどの事情で、引き継ぎができないケースがあります。

この記事では、引き継ぎがうまくできない場合の主な原因と引き継ぎのステップ、「このままでは引き継ぎができないかもしれない」と感じたらすぐ取り組むとよいポイントについて、詳しくご紹介します。

異動や退職の日までに「きちんと引き継ぎが終わるだろうか…」と不安を感じている方や、引き継ぎはどう行われるかを知りたい方にも、参考にしていただければ幸いです。

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引き継ぎができない主な原因

引き継ぎは、職場のメンバーの人事異動や退職、産休などの休職などに応じて行うものです。その人の最後の勤務日が決まったら、誰に業務を引き継ぐかが決まり、どのように引き継ぎを行うか関係者で相談します。一般的には、引き継ぎはこのような流れで行いますが、引き継ぎが思うようにできない場合、次の3つの原因が考えられます。

  • 時間が足りない
  • 引き継げる相手がいない
  • 手順がわからない

どのようなことなのか、見ていきましょう。

時間が足りない

引き継ぐ時間が足りない、という原因です。

異動が発令された後、早い企業だと一週間後には異動先へ着任することになります。例えばあなたが異動する立場であれば、一週間のうちに後任者への引き継ぎと前任者からの引き継ぎを行わなくてはなりません。ところが、後任者が出張で不在にしていたり、たまたまトラブル対応に追われていたりして、引き継ぎたい期間に後任者と一緒に話す時間が持てない、という状況に陥ることがあります。

また、後任者が複数いて、それぞれの人と引き継ぎの時間を確保できず、異動する日が迫ってしまう、というケースもあります。

または、前任者側に時間がないケースもあります。急に転職が決まって退職日まで時間がない場合や、体調不良で休職のまま退職する場合は、後任者に引き継ぐ日にちがほとんどないことがあります。

定型の業務を複数人で分担している職場であれば、引き継ぎには時間がかからないかもしれませんが、営業の職場で前任者しか知らない取引先情報があるなどの場合は、引き継ぎには時間がかかります。

理想的な引き継ぎ期間は、業務を行いながらだと一、二週間程度ですが、そこまで時間がないと引き継ぎが不十分になってしまいます。

引き継げる相手がいない

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引き継げる相手がいない、という原因です。

これは、後任者が指名されていない場合や、指名された後任者がいても能力不足・経験不足で不安がある場合、引き継ぎたいと考えている相手は忙しくて引き継ぎできる対象ではない場合などがあります。

例えば、あなたが産休による休職を予定しているとしましょう。人手不足でみな忙しく、誰か一人を後任者と決めてもらえない場合や、後任者がほぼ新人であなたより明らかに経験不足な場合があります。また、「この仕事はAさんが持っている案件と関連があるから、できればAさんに引き継ぎたい」とあなたが考えていても、Aさんが別のプロジェクトで中心的な存在であるため仕事量が多くなってしまうのでAさんには引き継げない、といった場合です。

理想としては、1対1で引き継ぐか、もしくは業務内容によって決まった後任者に引き継ぐのが望ましいですが、そうはいかない状況です。

手順がわからない

引き継ぎの手順がわからない、という原因です。

例えば、こういうことがあって困った経験はありませんか?異動が決まった人が「そんなに引き継ぐものはないんだよね」「わからなくなったらBさんに聞いて」といった曖昧な話しぶりで、結局ほとんど引き継ぎがなされないまま前任者はいなくなってしまった、という場合です。

これは、マニュアルや手順書がなく、業務を体系的に説明する手段がない状況で、引き継ぎでどのようなことを話せばよいのかわからない、など「引き継ぎの手順がわかっていない」という原因です。引き継ぎをしたり、されたりしたことがない人には、引き継ぎとは何かが意外とわかっていないことがあります。周囲の人も、その人の引き継ぎ経験がどれほどかはわからないので、引き継ぎのやり方についてフォローしてあげようとはあまり考えないものです。

後任者としては、業務の全容や現在進行中の案件だけでも知りたいところですが、それすら引き継がれないと「自分が、何がわかっていないのかがわからない」状態になってしまいます。

引き継ぎができない不安を取り除くステップ

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次に、引き継ぎができない不安を取り除くために、引き継ぎの手順をステップごとにご紹介します。時間が足りない、引き継げる相手がいないなどの状況に陥らないように留意した引き継ぎの手順を頭に入れておくと、安心して引き継ぎに臨めるようになります。

別の部署に異動する前任者からの視点でご説明しますので、引き継ぎを控えている方や上司の方はぜひ読んでみてください。また、今のところ引き継ぎはない方も、いつかは異動や定年退職など、何かしらの理由で引き継ぐ立場になりますから、引き継ぎの手順を頭に入れておきましょう。

【ステップ1】業務の洗い出し

第一段階では、業務の洗い出しをします。

引き継ぐ業務を、細かい点も漏れなくリストアップします。漏れなく洗い出すためには、本の目次のように、まず大きなくくりで書き出し、次にそれぞれのくくりの中で細かいことを書き出していくとよいでしょう。

そして、項目を書き出したら、それぞれの業務の頻度やタイミング、所要時間など、業務のボリュームがわかる情報も入れます。最終的には「取引先に少し頭出しした案件」「使用する端末の場所」といった、知っておくとよい情報まで書き出せると後任者に役立つので、理想的です。

ポイントとしては、業務の中で、引き継がなくてもよい仕事があれば引き継がないことです。引き継がなくてもよいと思われる仕事には、例えば次のようなものがあります。

  • もともと他の担当者と重複してやっていたこと
  • 自分は丁寧にやっていたが、そこまでしなくてもよいこと
  • 職場で共通のことであり、他の人に聞けばすぐわかること

引き継がなくてよいかどうか迷うものは念のため引き継いでおきましょう。ただ、かっこ書きにして書いておくなど、重要度に濃淡をつけておくと、後任者が判断しやすくなります。

【ステップ2】スケジュール策定

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第二段階では、引き継ぎのスケジュールを策定し、関係者で共有します。

ステップ1で洗い出した業務内容をもとに、およそ何日間必要か考えた上で、上司に相談します。職場の状況によっては、自分と入れ替わりに異動してくる人が後任者ではない場合もありますので、この段階で後任者を誰にするか上司と話し合いましょう。

その上で、後任者と連絡をとり、引き継ぎにどのくらい時間を割くことができそうか、いつからいつまでどのような方法で引き継ぎを行うか、具体的なスケジュールをすり合わせます。顧客や取引先、関係者のところへ同行して挨拶することも重要な引き継ぎですので、その時間も取っておくとよいでしょう。

後任者が遠方にいる場合は、上司が間に入って後任者の上司と連絡を取り合ってくれることもありますから、わかりやすくスケジュールの希望を伝えましょう。

ここで、しっかりと上司に状況を把握してもらいながら引き継ぎをスタートさせることで、時間がない、後任者が決まっていない、といった原因をできるだけ発生させないようにすることができます。

【ステップ3】資料作成

第三段階では、引き継ぎの際に使用し後任者に渡す資料を作成します。

具体的には、引き継ぎ書や引き継ぎマニュアルと呼ばれる資料を作成します。引き継ぎ書は、引き継ぐべきポイントを簡潔にまとめたものです。詳細な業務マニュアルがあり、そこに記載されない現在進行形の案件や未処理事項をまとめる場合に作成するとよい資料です。引き継ぎマニュアルとは、あまり詳細な業務マニュアルがない場合に、業務内容と、引き継ぎ書に記載するような内容をまとめるものです。

後任者が別の部署から異動してくるような場合だと、その業務内容は初めて触れる内容かもしれません。また、初対面の相手だと緊張感もあり、聞いたはずであっても後から不明点が出てくるかもしれません。ですから、新人や未経験者にもわかるような表現でまとめると、後任者にとって役立つ資料となります。

引き継ぎマニュアルに記載すべき項目や、作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。こちらもご参照ください。
関連記事:『業務の引継ぎマニュアルとは?引継ぎ書との違いや必要項目、作り方を解説

【ステップ4】引き継ぎ実施

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第四段階で、前任者と後任者がいよいよ引き継ぎを実施します。

ステップ3で作成した資料に沿って、業務内容の説明をします。もし端末や機械、専用機器を使用する場合は、口頭での説明だけでなく、実際に一緒に作業を行い、やって見せて、後任者にも操作をしてもらいます。資料の文字や言葉だけではピンとこないことも、画面や機械を見ればすぐわかることもありますし、また実際の画面を見ることで疑問点が出てくることもあります。引き継ぎは、いわば短期間のOJT指導でもありますから、さまざまな方法で伝える努力をすると効果的です。

説明をする際は、全部を一度に話そうとせず、ひと段落したらいったん区切りましょう。後任者は、一度に聞くと混乱したり、浮かんだ疑問点を聞けないまま忘れてしまったりします。ひと区切りしたら質問がないか聞いてあげましょう。

また、あまりにも細かい点まで全て一通り話してしまうと、どれが重要で優先度が高いかわかりにくくなります。重要な点は繰り返して口に出し、細かい点は「ここからは後で資料を読んでおいてください」とすると、伝わりやすくなります。

もし、相手が新入社員のような未経験者で、あなたの説明についてこられないようなら、資料に丸印やアンダーラインをつけさせ、絶対に知っておいてほしいことに絞って説明するとよいでしょう。

【ステップ5】フォローの実施

第五段階は、フォローの実施です。

引き継ぎにおけるフォローとは、業務の説明や挨拶回りなどが終了したあと、疑問点の解消や業務のスムーズな滑り出しをサポートすることです。理想としては、引き継ぎ期間のうち、早めに説明を終わらせ、後任者に理解と実践の時間を作ってあげましょう。後任者は、前任者がいるうちに疑問点をクリアにしておくことができます。

そして、できれば連絡の取りあえる体制にしておきましょう。前任者が説明しきれていなかったことや、頻度の低い業務についての質問が出てくることがありますから、遠慮せずに連絡を取れるようにしておくとさらにお互いに安心です。

「引き継ぎができないかも」と感じたら取り組むべきポイント

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理想的な引き継ぎの手順をご説明しましたが、引き継ぎは「相手があること」ですから、想定通りにいかないこともあります。時間があるはずだったのに、前任者も後任者も余裕がなくなってしまうこともあり得ます。

あなたが前任者の場合、「このままでは、引き継ぎが全くできないかもしれない」と感じたら、何をさておいても取り組むべきポイントが2つあります。どのようなポイントなのか、ご紹介します。

マニュアル作成

1つ目のポイントは、マニュアルを作成することです。

引き継ぎ手順のステップ3でご説明した、資料の作成に取りかかります。業務マニュアルがあれば、業務マニュアルと引き継ぎ書を用意し、業務マニュアルがないようであれば、詳細な引き継ぎマニュアルを用意します。

口頭で説明ができない可能性がありますので、自分のノウハウや知っている情報を全て資料に落とすくらいの気持ちで、詳しく記載していきましょう。業務上必要となる端末や機械、機器があれば、できるならスクリーンショットや写真、配置図などを集め、後任者に資料とともに渡せるようにまとめておきます。顧客や取引先、関係部署のリストや名刺類、過去の事例、イレギュラー案件の注意点、未処理事項や懸念事項なども揃えるとよいでしょう。

また、リストアップした顧客や取引先には一人で挨拶回りをしておき、「後任者が同行できなかったけれどもよろしくお願いします」と礼を尽くしておきます。

もし、業務マニュアルが職場になければ、あなたが今回作成する資料を業務マニュアルにしていくことができます。良いマニュアルは、引き継ぎを楽にしてくれますから、ぜひ業務マニュアルにしていけるよう働きかけましょう。

上司へ連携する

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2つ目のポイントは、作成した資料をもとに、上司へ引き継ぎたい内容を連携することです。

本来上司は、引き継ぐべき後任者を決め、引き継ぎを行えたか監督する立場にあります。しかし、上司にも余裕がない状況であれば、前任者のあなたから率先して声がけして、作成した資料を見せながら、引き継ぎ内容を報告しましょう。

あなたが引き継ぐ内容は、単なる業務手順だけではなく、数年間かけて培ってきた貴重なアイデアやノウハウ、機密情報がたくさん含まれた、会社にとって重要な資産です。人は「自分が知っていることはたいしたことではない」「別の人も知っていることだ」と低く見積もってしまいがちですが、あなたしか知らないコツや工夫があります。会社の資産ととらえ、最後の仕事としてしっかりと上司へ連携しましょう。

まとめ

この記事では、引き継ぎが思うようにできない主な原因3つと、理想的な引き継ぎの手順をステップごとにご説明しました。また、どうしても引き継ぎができない状況になってしまったら何をすべきか、2つのポイントをご紹介しました。

引き継ぎの手順をきっちり指導してもらえる機会はなかなかありません。時間がない中でなんとなく済ませてしまう人が多いでしょう。ぜひ、記事を参考にしていただき、理想的な引き継ぎを実現できるよう頑張ってください。

なお、業務マニュアルについては、マニュアル作成ツールを使ってマニュアルを作ると、引き継ぎに役立つ次のようなメリットがあります。

  • 日頃から、業務の過程で気づいたアイデアや工夫をコメント入力できるので、職場のメンバーにすぐアイデアを共有できる
  • リモートワーク先でも、出張先でも、最新の業務マニュアルを閲覧できるので、後任者とオンラインで引き継ぎを行うことができる

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