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マニュアルのWeb化を成功させる3つのポイント!背景からメリット・デメリットまで解説

2021/8/31

「コロナ禍で業務量が急増し、効率重視で対応していかないといけない」
「お客様からの声にもっとスピーディに対応できれば、ビジネスチャンスが見えてくるのだが…」
「現場での気づきや経験を、漏らさず共有する仕組みがあればいいのに」

このように感じている皆さん、マニュアルのWeb化にヒントがあります。
既にあるマニュアルを活かして、情報シェア体制を全事業所、全店規模でがらりと一新できる方法があります。どのような方法なのか、どんなメリットやデメリットがあるのか、ぜひご覧ください。

マニュアルをWeb化すべき4つの理由

皆さんは、仕事でどんなマニュアルをお使いでしょうか。

  • 紙のマニュアル
  • Wordなどの、デジタルデータ化された電子ファイルのマニュアル
  • Webブラウザ経由で閲覧するWeb化されたマニュアル

「マニュアルをWeb化する」とは、インターネットを使用してWebブラウザ(Google Chrome、Microsoft Edgeなど)で開くシステムを使ってマニュアルを閲覧できるようにすることです。

こう聞くと「マニュアルをそこまで進化させる必要はないのでは」と思ってしまいがちですが、端末での情報検索が当たり前になった今こそ、マニュアルをWeb化すべき理由が4つあります。どのような理由なのか、紙や電子ファイルのマニュアルとはどう違うのかなど、詳しくご説明します。

検索性の向上

1つ目の理由は、検索性が向上する、というものです。

Webマニュアルでは、マニュアルの種類や量がどんなに多くても、短時間で検索できます。紙のマニュアルではまず瞬時な検索はできず、必要な情報を手でめくって探すことになります。電子ファイルのマニュアルでは検索はできますが、マニュアルの規模や保存先の環境によって、検索にかかる時間が大きく左右されます。

スマホなどのモバイル端末が普及し、多くの人が短時間で情報検索できる社会になった今、「仕事で検索が使えない」という状況は、社員のやる気をそいでいる可能性があります。

更新頻度の向上

2つ目の理由は、更新頻度が高められる、というものです。

Web化すると、複数人で内容更新や承認などの手続きに取りかかれるため、いつでも必要な時に内容を更新したり、最新の状態にアップデートしたりできるようになります。

紙や電子ファイルのマニュアルでは、同時にマニュアルの原本をさわれる人数が限られ、手続きに時間がかかるため、日常的に更新するのは難しく、数か月に1度、半年に1度などタイミングが遅れがちになります。

紙や電子ファイルのマニュアルを使っていて、マニュアルを即座の情報共有に活用できないのは、ここがネックなのです。マニュアルは作成期間よりも活用期間のほうが長いのですから、活用期間で楽に更新ができるような体制にしておかないといけません。

コスト削減

3つ目の理由は、コスト削減になる、というものです。

紙のマニュアルでは、Web化マニュアルと比べると、以下のコストがかかります。

  • 印刷や差し替え、部数確認などの人手のコスト
  • 印刷や紙のコスト
  • 綴じ込むファイルや保管スペースなどのコスト
  • 各事業所へ配送するコスト
  • 不要となったマニュアルを廃棄するコスト

電子ファイルのマニュアルでは、印刷しなければ上記のコストはかかりませんが、マニュアル保存先によってはサーバー使用にコストがかかる場合があります。

紙マニュアルは、事業所に1つだけ存在するものだけではなく、社員一人ひとりが印刷して手持ちで使うものもあります。更新が行われればまた個人用に印刷し直す…。これらのコストがずっと積み重なっていくのです。

セキュリティ対策

4つ目の理由は、セキュリティ対策になる、というものです。

Webマニュアルは、パソコンなどの端末のローカルドライブに保存できない仕組みになっています。仮にパソコンを紛失しても、マニュアルの内容が漏洩することはありません。紙のマニュアルは、社員が気軽にコピーできることで、常に紛失や破損、情報漏洩のリスクにさらされています。

社員にとっては空気のような当たり前の社内情報であっても、ライバル企業や情報を得たい第三者にとっては、喉から手が出るほど欲しい情報です。業務の全容をまとめたマニュアルは、守るべき会社の財産なのです。

マニュアルをWeb化すると得られる5つのメリット

マニュアルを使用する社員にとって、マニュアルをWeb化することで得られるメリットは、主に5つあります。
それぞれ、具体的にどのようなメリットなのか、ご紹介していきます。

どこでも最新Versionの閲覧が可能

マニュアルをWeb化すると、社内でも、外出先や在宅勤務など社外の環境でも、最新バージョンのマニュアルを閲覧できるようになります。

マニュアルの保存先は1か所となり、保存先を示すものはURLです。URLを開けばそれが常に最新バージョンのマニュアルということになります。

「今週は在宅勤務だから、紙マニュアル(やUSBに保存した電子ファイル)を持ち帰らないといけない」などとマニュアルのことまで気に掛ける必要はなく、動作がシンプルになります。閲覧する端末があればいつでもどこでもマニュアルを見られる安心感が持てます。

紙・電子ファイルに比べて見やすい

紙版や電子ファイル版に比べて、Web版のマニュアルは見やすくなります。

Web版のマニュアルは、Webサイトのような画面イメージになります。したがって拡大縮小も容易ですし、もちろんカラー表示にもなります。スマホやタブレットでは、スクロールすればページをめくれますし、キーワードを指定した検索も可能です。

社員それぞれの見やすい字の大きさや画面の明るさで閲覧できれば、短時間で必要な情報をつかめます。日常生活で慣れている、Googleなどで情報を検索するのと同じような感覚で、マニュアルを使いこなすことができます。

動画で理解できる

Web版のマニュアルは、動画の埋め込みが可能になります。

文字や写真のマニュアルの中に、動画を埋め込むことができると、文字や写真では説明しづらい、動画の方が分かりやすいもの(音や色、状態など)を表現できます。

一人ひとりの社員の感覚に委ねられていた部分が、さらに質を揃えることができます。これによって、製品の品質や完成度も安定しますし、作業の標準化も実現でき、誰でもクオリティの高い仕事ができるようになります。

業務効率化

マニュアルをWeb化すると、業務効率化につながります。

さまざまな面から、業務が効率化されます。まず、マニュアルの印刷や配布、廃棄にかかる人手や時間を削減するので、その分本業に注力できるようになります。

次に、マニュアル内容の更新が容易なので、日常的に更新できるようになり、情報共有のスピードが早くなります。マニュアルの管理に関する手間も、日常的に行われることで慣れ、「年に何回か、記憶を掘り起こしながら取り組む一大イベント」ではなく効率的に行えるようになります。

さらには、人事異動時の引き継ぎも、多くの基本的な部分の説明をマニュアルに委ねることができ、スムーズに引き継ぎができるようになります。

持ち運びが容易

会議室などのスペースでマニュアルを閲覧したいときや、オフィスのレイアウトを変更するとき、Web版マニュアルだと、持ち運びが容易です。

紙版マニュアルはファイルに綴じ込まれ、時に分厚いファイルになったりします。何冊か持ち運ぶ場合、とても重くなります。Web版は、閲覧する端末の重さだけであり、閲覧したいマニュアルの数や種類が増えたとしても、重さは変わりません

閲覧する端末が、タブレットやスマホ、軽量のパソコンなどであれば、紙のファイル1冊よりも軽くて済みます。紙のマニュアルの保管場所に左右されずに、オフィスのレイアウトをフリーアドレスにする、といったことも実現しやすくなります。

マニュアルWeb化の3つのデメリット

これまで見てきたようにメリットの多いマニュアルのWeb化ですが、デメリットともいえる側面があります。
どのような側面かをご覧いただき、あなたの職場でデメリットとなるかどうか、対策をとることができるか、考えてみてください。

閲覧するための端末が必要

電子ファイル版やWeb版では、閲覧するための端末が必要となります。

紙版では、マニュアルを閲覧するための端末は不要ですが、電子ファイル版やWeb版では、閲覧するためにはパソコンやモバイル端末などが必要です。端末と併せてWi-Fi環境や電源も必要となります。

日ごろから、端末を使用しない業務においては、わざわざマニュアルのためだけに端末を設置するのは現実的ではないかもしれません。
また、停電した場合には、マニュアルを閲覧できない可能性があります。

現在、業務で何らかの端末を使用している場合や、今後タブレットやスマホなどモバイル端末を業務に導入する予定がある場合は、その端末を活用できます。停電時などの非常時運営のためには、紙版のマニュアルを用意しておくとよいでしょう。

インターネット接続が必要

Web版マニュアルを使用するには、インターネット接続が必要です。

紙版や電子ファイル版は、オフラインで参照できますが、Web版ではブラウザを介してマニュアルを閲覧するため、インターネット接続が必要となります。

オフラインの環境で閲覧したい場合は、Web化したマニュアルをPDFファイルで保存して閲覧する、紙版で印刷するなどの方法を併用する必要があります。

紙版を好むユーザーもいる

社員の中には、紙版マニュアルを好むユーザーもいます。

「紙の方が書き込めるので内容を深く理解できる」
「端末では目が疲れる」
「スマホやタブレットなどの端末では、画面が小さくて見づらい」

このように、端末でマニュアルを見ることに抵抗感がある社員も少なからずいます。いくらWeb版マニュアルにメリットが大きいといっても、実際に使用する社員が見てくれなければ意味のないものになってしまうので、次のような工夫を考える必要があります。

  • 必要に応じてWeb版を印刷できるようにしておく
  • 端末の画面でも見やすいマニュアルを作成する

マニュアルWeb化を成功させる3つのポイント

マニュアルのWeb化を成功させるために、押さえておきたい3つのポイントがあります。
この3つを押さえると、スムーズに、効率的にWeb化を行うことができます。ぜひご覧ください。

優しいUIにする

マニュアルのWeb化を成功させる1つ目のポイントは、人に優しいUI(ユーザーインターフェース)にすることです。

ユーザーインターフェースとは、ユーザー(利用者)とのインターフェース(接点)という意味で、ここではマニュアル使用者とマニュアルの間の接点を指します。

マニュアルは、業務で不明なこと、知識がないことについて調べる際に閲覧するもの。いわば、不安なときに見るものですから、カーナビゲーションのようにガイドが分かりやすいマニュアルだと、スムーズに目的地にたどり着くことができます。

具体的には、このようなポイントをクリアするとよいでしょう。

  • URLをクリックして、見たい場所まで問題なくたどり着ける
  • 画面に余裕があり、見やすい
  • 検索方法がすぐ分かる
  • クリックやスクロールの回数が多すぎない

ページ毎の配置を統一する

マニュアルのWeb化を成功させる2つ目のポイントは、ページ毎の項目の配置を統一することです。

ページの中の項目が同じ場所に配置されていると、見る人が内容をつかみやすくなります。具体的には、以下のようなポイントを意識してみましょう。

  • 見出しの位置など、レイアウトをできるだけ統一する
  • 写真の画像サイズを統一する
  • 余白のボリュームを同じ程度にする

ツールを活用する

マニュアルのWeb化を成功させる3つ目のポイントは、マニュアル作成ツールを活用することです。

Web版マニュアルを作成するには、いくつかの方法があります。

  • 無料のツール(フリーソフト)を活用する
  • oss(オープン・ソース・ソフトウェア)を活用する
  • 有料のツールを活用する

フリーソフトやossは、無料で使用できるため、今日にでも作り始められる気軽さがあります。ただ、ツール提供者によるサポートがない中で、以下のようなハードルを超えていけるかを、十分検討する必要があります。

  • 自社のマニュアルの種類や量にとって最適なツールだと判断できるか?
  • モバイル端末でも見やすいように作り込めるか?
  • 作成後はバグの修正などを自社で完遂できるか?

有料のツールは、有料である分、自社のマニュアルの種類や量に最適なツールかどうか、モバイル端末でも見やすい表示にできるかなど、「こうしたい」という理想を相談でき、難しい部分は任せながらマニュアル作りに取り組むことができます。

費用は、利用者の規模やマニュアルの作成範囲などにより、段階的にプランが用意されるケースが多いです。紙マニュアルを廃止することで削減できるコストと比較してみるとよいでしょう。

富士通ラーニングメディアの「KnowledgeSh@re」は、有料ツールの中でも、富士通クラウドの高いセキュリティと豊富なマニュアル作成ノウハウが特長です。それらを惜しみなく利用しながら、マニュアルのWeb化を達成することができます。

60日間無料で『KnowledgeSh@re体験版』を試すことができます。実際の業務シーンでお試しするのがオススメです。

まとめ

この記事では、業務マニュアルをWeb化すべき理由や、メリットやデメリット、Web化を成功させる手順のポイントなどについてご説明しました。要点を短くまとめてみます。

マニュアルをWeb化すべき理由は、以下の4つです。
「検索が早い」
「更新しやすい」
「印刷コスト削減」
「紛失や漏洩リスク撲滅」

マニュアルをWeb化すると得られるメリットは、以下の5つです。
「常に最新バージョン」
「見やすい」
「動画OK」
「業務効率化」
「持ち運べる」

マニュアルWeb化のデメリットは、以下の3つです。
「端末・電源が必要」
「インターネット接続が必要」
「紙版がいい人もいる」

マニュアルWeb化を成功させる手順のポイントは、以下の3つです。
「優しいUI」
「レイアウト統一」
「有料ツールを使う」

Web版マニュアルは、導入後の運用が楽であり、いつでもどこでも最新の内容を閲覧できる、売上に貢献していける「攻め」のツールです。

マニュアルWeb化には大きな可能性が眠っています。会社の資産は、人や設備などの有形なものだけではなく、技術やノウハウといった無形のものも資産にあたる、ということはどなたもご存知のはずです。

Web化されたマニュアルは、大切な技術やノウハウをきちんと管理してスピーディに共有する、業務の効率化につながるツールになります。ぜひ一度、お手持ちのマニュアルをWeb化することを検討してみてください。

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