DITAとは

DITA(Darwin Information Typing Architecture)は、OASIS(注1)が策定したXMLベースの国際標準の規格です。 技術情報の制作・発行・配布を目的としたXMLベースのアーキテクチャーで、ドキュメントを再利用可能なコンポーネントとして表現するための標準仕様です。

海外の各社メーカーがDITAを採用しており、膨大な情報を効率よく制作・出力するために活用しています。また、国内メーカーでもDITA導入の企業が増加しています。

当社はDITAコンソーシアムジャパンに参加し、DITA普及活動やDITAに対応したサービスの提供を行っています。

(注1):OASIS(構造化情報標準促進協会)は、グローバルな情報社会のオープン標準を開発、統合および採用を推進する非営利国際コンソーシアムです。

DITAサービスにより、お客様のドキュメント制作・翻訳の、効率と品質の向上を同時に実現します。

DITAの特長

DITAは、マニュアル制作の「効率」と「品質」の向上を実現するための仕組みが備わっています。また、利用者にとっても「よみやすい」「わかりやすい」「さがしやすい」情報を提供できるように情報を作成できます。

トピックとマップ

文書の内容を「トピック」と呼ぶ、小さな単位で作成し、文書の構成を「マップ」にて定義します。

再利用

トピックとマップの仕組みを利用することで、トピックを複数のマップで再利用できます。また、マップ自体の再利用やトピック内の一部の情報だけの再利用など、情報を再利用する仕組みが充実しています。

自動組版

予め決められた「スタイル」(レイアウト・デザイン)にしたがって、PDFやHTMLなどのアウトプットを自動生成(自動組版)します。
スタイルを用意することで、出力形式を追加することができます。

情報型

トピックには記載する情報により、構造(情報型)が決まっています。情報型にしたがって記載することで、構造化された、統一感のあるドキュメントを制作できます。
また、「特殊化」により、自社のドキュメントに適した情報型を作成できます。

5分でDITAの概要とメリットを紹介する動画「DITAをご存知ですか」

この動画はDITAコンソーシアムジャパンが制作したものです。

DITA導入のメリット

DITAを導入することにより、次のようなメリットが生まれます。

制作者側

制作コスト削減

執筆量の削減

  • コンテンツの部品化により、1つのコンテンツを複数のマニュアルに共有し、再利用できます。

ワンソース・マルチ出力の実現

  • 自動組版により編集作業が不要になります。さらに、1つのソースからPDF、HTMLなど、様々な形式への出力が可能になります。

品質向上

  • 共通部分を修正するだけで、使用している箇所に反映されるため修正もれがなくなります。
  • 予め定義したレイアウトに従って自動で出力するため、レイアウトの統一が図れます。
  • 構造化により、記事の均一化が図れます。

柔軟な体制構築

  • 部品化したコンテンツごとに作業が可能となり、分担し並行して行うことができます。
  • 執筆作業と編集作業の分離により、制作や翻訳をアウトソーシングできます。

利用者側

よみやすい

  • 利用者の読み方は、Webサイトでの情報取得のように、必要な情報だけにアクセスする、いわゆる「拾い読み」に変ってきています。
    DITAはトピック指向をベースとしており、トピックはトピック自身で情報が完結しています。このため、「拾い読み」に適した情報を提供できます。
  • ワンソース・マルチ出力の実現により、利用者が利用する多様な閲覧デバイスに対し、適切なコンテンツを提供できます。

わかりやすい

  • 情報の内容により構造が決まっているため、利用者は同じ情報を同じ構造で読むことができるため、理解しやすくなります。

さがしやすい

  • 利用者がそのトピックには何が書かれているかわかるようなに作成されるため、必要となる情報にたどりつきやすくなります。

DITAが求められる背景

DX(Digital transformation)が叫ばれるようになった昨今、製品の多様化や提供サイクルのスピード化が進んでいます。多様化する製品を使用するためには、機能や操作方法といった情報を、より簡潔にわかりやすく提供する必要性が高まっています。これらの情報提供を担っているマニュアルの役割りも重要になってきており、これまでの考え方を見直す気運も高まってきています。
一方、マニュアルの制作現場では、このような状況の中、短期間でのマニュアル制作、団塊世代のリタイアなどにより、気が付かないうちにノウハウやプロセスが属人化し、既存業務の維持で精一杯という状況になってきています。
現状のままでは、数年後に「製品とお客様をつなぐマニュアル」を提供できないという状況になることが危惧されます。
これらの状況を回避するためは、制作手法、制作プロセス、制作環境の観点で抜本的に革新していくことが必要と考えます。
この革新の根底をなす構造化やトピック指向を実現する有望な制作手法として、DITAが注目されています。

こんなマニュアルがDITAの
効果を発揮

コマンドリファレンスマニュアル

CUIコマンドの詳細や機能を説明するマニュアルの制作に適用。
既存のマニュアルのデータ(Wordなど)からDITAへ移植。
コマンド単位でトピックを分割することで、ファイルのハンドリング性を高め、複数人同時の編集が可能になり制作効率が向上。

ヘルプ

ユーザー権限別にログインするソフトウェア製品のヘルプの制作に適用。
システムにログインするユーザーごとに、ヘルプの表示範囲を変更したいというニーズに対して、ログインユーザーごとにマップを作成し、共通記事はトピックを再利用することで、効率よく制作。

操作マニュアル

ネットワーク関連のソフトウェア製品の操作マニュアルの制作に適用。
スタイルシートやマップの組合せにより出力内容を変えることで、以下の計8種類のマニュアルをワンソースで実現。

  • 仕向け先別(A社用とB社用)
  • 提供媒体別(PDF形式とHTML形式)
  • ログインユーザー別(システム管理者用とグループ管理者用)
  • 記載範囲別(フルセット版と簡易版)

DITAスモールスタートのすすめ

DITAの導入にはスモールスタートでの取り組みをおすすめします。

当社では汎用のテキストエディタや表計算ソフトなど、通常の業務で使用している汎用製品やオープンソースソフトウェアを活用することでDITAを導入し、効果を出しています。このようにスモールスタートでDITAに取り組み、その後、必要に応じてDITA専用の商品購入を検討する、という進め方をおすすめします。