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論文紹介記事一覧

みなさん、こんにちは!

富士通ラーニングメディア ブログ担当です。

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当社では社内の人材育成の取り組みの一つとして、2007年より毎年1~2名の社員を選出し、熊本大学大学院で学ばせています。今回のコラムでは、2011年度から2年間、熊本大学大学院でシナリオ型教材作成支援手法について研究をしていた嶋田に、研究テーマや論文の内容、研究を通して得た気づきなどについて語ってもらいました。

「まずは、嶋田さんの現在の仕事内容について教えてください。」      

嶋田:

eラーニングサービス事業部でeラーニングコンテンツの制作を担当しています。
お客様のニーズを伺いながら制作する受託コンテンツ制作から、当社オリジナルコンテンツの制作まで行っています。

 「嶋田さんの熊本大学大学院での執筆論文のテーマは、「ゴールベースシナリオ(GBS)理論の適応度チェックリストを活用したシナリオ型教材作成支援手法の提案」ですが、どのような内容か簡単に教えてください。」

 嶋田:

eラーニングなどの自己学習教材の学習効果を高めるためには、学習者主体で、かつ能動的な学習を促す教材設計が必要です。これを実現するために有効な教材としてシナリオ型教材というものがあります。

シナリオ型教材とは、ストーリーに沿って学習する形式の教材の1つですが、ストーリーを読むだけで学習する形式の教材とは異なり、学習者はストーリーの中で与えられた使命を果たすために、各シーンで状況判断を迫られます。そしてその判断結果によって後続のストーリーが変化するという特徴があります。学習者は、自分の状況判断によって展開される現実に起こりそうなストーリーを教材の中で疑似体験することで、ストーリーを読むだけの教材よりも高い学習効果を得ることができます。しかしながら、状況判断によって後続のストーリーが変わる形式のシナリオの作成は難しいため、シナリオ型教材の作成は容易ではありません。

GBS理論はシナリオ型教材のシナリオを作成するために有効な理論であり、作成したシナリオ型教材がこの理論に適合しているかどうかを確認するためのチェックリストが先行研究「ゴールベースシナリオ(GBS)理論の適応度チェックリストの開発」(根本・鈴木 2005 日本教育工学会論文誌 29(3), 309-318, 2005)で開発されていましたが、シナリオ型教材の作成そのものを容易にする手法は確立されていないのが現状でした。

そこで本研究では、先行研究で開発されたチェックリストを普段私たちが作成することが多い、いわゆる紙芝居的な教材(非シナリオ型教材)に適用することで、非シナリオ型教材からシナリオ型教材を作成できないかを検討しました。普段作成している教材からであれば、作成の負荷が軽減されるのではないかと考えたからです。本研究では、非シナリオ型教材の素材からシナリオを作成する際に必要になる情報や問題点を明らかにし、シナリオ型教材の作成を容易にする手法を提案しています。

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「なぜそのテーマを選んだのでしょうか。」

嶋田:

先ほどお話ししたように、学習効果が高いと言われるシナリオ型教材の制作は難しく、その制作には毎回、多大な時間を要するにもかかわらず、学習効果が担保された効率的な手法が十分に確立されていないという思いがありました。この課題を根本的に解決することは容易ではありませんが、論文のテーマとして取り組むことで、課題の一部でも解決できる手法が提案できればと考えました。

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「なぜ熊本大学大学院で専門的に学ぶことを志したのでしょうか」

嶋田:

常日頃から、学習効果の高いコンテンツを制作するためには、個々の画面をきれいに制作するだけでは不十分であり、コンテンツ全体の構成や内容の設計をしっかり行わなければならないという思いがありました。しかし、そのために必要なインストラクショナル・デザインの理論やその実践方法について深く学んだことがなかったため、これらの基本をしっかり学び、お客様を説得できるだけの十分な知識と理論的な裏付けを身に着けたいという思いが次第に強くなりました。

毎年、当社から熊本大学大学院で学ぶ人を見ていて、自分もいつか機会があれば入学してみたいと思っていましたが、なかなかふんぎりがつきませんでした。ですが、当時在学中だった部長が、私の上司になったきっかけで、いろいろお話を伺っていたら、いつの間にか入学していました。(笑)

 「働きながら研究し、論文を書いていくというのは本当に大変だと思います。これが一番苦労したという点があれば教えてください。」

嶋田:

一番苦労したのは、テーマを何にするかということです。

自分のやりたいと思っている漠然としたアイデアを具体的にどのように進めて、どこをゴールにするかを決めるまでに苦労しました。テーマは与えられるものではありませんので、自分が関心がある領域の中から選べばよいのですが、一方で修士論文には時間的な制約もありますので、選んだテーマをどこまで掘り下げて論文としてまとめるかを決める必要があります。テーマは1年次の最後に決めてはみたものの、その時点ではどこまでできるかまったく見当がつかなかったので、研究を進めていく中で、最終的なゴール(落としどころ)を探りました。

「テーマを決めるまでは生みの苦しみだったのですね。そんな苦労を乗り越えて研究をしてきて得たもの、これは良かったと思えたことなどを教えてください。」

 嶋田:

熊本大学大学院で履修したインストラクショナル・デザインをはじめとする科目で学んだ知識をフルに活用して、自分で選んだ研究テーマを掘り下げ、自分なりの考えを論文としてまとめることができたことです。

論文執筆で得られた経験は、お客様にインストラクショナル・デザインについて説明する際の大きな自信になると思います。

また、論文でまとめた内容は、今後の当社のeラーニング制作に活用できればと思っています。

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「仕事に研究にと非常に充実された期間を過ごされたようですね。最後にお伺いします。仕事をする際、どのような時にやりがいを感じますか?」

嶋田:

お客様に喜んでいただけたときです。

お客様から依頼されたeラーニングコンテンツが完成したときに、お客様から「期待したとおり(またはそれ以上の)コンテンツができた」とおっしゃっていただけることがありますが、そのときは本当によかったと思います。

研究の成果で、お客様に喜んでもらえる仕事をどんどん達成してほしいものですね。

みなさん、いかがだったでしょうか?

論文は下記サイトからダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、ぜひご覧ください。

https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/contact/form/paper04-dl.html

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みなさん、こんにちは!
ブログを担当している大貫です。

当社では社内の人材育成の取り組みの一つとして、2007年より毎年1~2名の社員を選出し、熊本大学大学院で学ばせています。
今回のコラムでは、2010年度から2年間、熊本大学大学院(修士課程)で学んだ佐藤に、研究テーマや論文の内容、研究を通して得た気づきなどについて語ってもらいました。

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佐藤さんの熊本大学大学院での執筆論文のテーマは、「同期型遠隔教育の設計ガイドラインの開発と評価~WebEx(1)を利用した取り組みを例にして~」ですが、どのような内容か簡単に教えてください。

佐藤:イメージ図
企業や社会人向けに実施されている1対多形式の同期型の遠隔教育を取り上げ、
・遠隔教育特有の問題点の解決
・講師の実施準備の負荷軽減
・教育実施に際してのインストラクション品質の一定以上の保持
を目的に、遠隔研修を実施する講師のための、遠隔研修における「べき/べからず」的な情報を集めたガイドラインの開発・評価です。
論文はダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、当記事の末尾をご覧ください。


なぜそのテーマを選んだのでしょうか。

佐藤:
現在当社で提供している「サテライト講習会」の前身として、当時はスタジオにいる講師の講義を、インターネットを介してライブでオフィスの自席やご自宅で受講していただく「遠隔研修」をご提供していました。

遠隔研修のサービス開始から半年~1年が経つ頃にサービスについて評価を行ったところ、遠隔地でも受講できる利便性や、授業に集中できる、質問がしやすいといった受講環境に対して、評価いただく声が多く聞かれました。
一方で、講師の実施準備の負荷が高い、実施におけるインストラクション品質が一定ではないのでは、という声もあげられました。
そこで、これらの解決を目的にしたガイドラインがあれば、さらに効率的、効果的な同期型の遠隔研修を実施するのに有効であると考えました。

そこで、ガイドラインに相当する情報を収集しましたが、非同期型に比べ、同期型の遠隔研修の情報が非常に少ないということに気がつきました。
そこで、世の中にないならば、自分たちで同期型の遠隔教育のガイドラインを作成することができれば、お客様への価値となり、他社との差別化に繋がると考え、このテーマを選びました。
しかし、私には教授法や教育設計などについて専門的に学んだ経験が無かったため、eラーニング(遠隔教育)の高度専門職業人の養成をコンセプトにしていた熊本大学大学院で学び、その上でしっかりとしたものを作りたいと考え、大学院入学を決意しました。


当社が提供しているサービス向上のために、より高度な専門知識を身につけるべく、大学院への通学を決めたのですね。
論文執筆などをとおし、遠隔研修のサービス向上のポイントが見えてきたと思いますが、それ以外に得た気づきなどもあれば教えてください。

佐藤:
大きく3点あります。
1点目は教育工学や認知心理学など、教育に関連する新旧の理論について体系的に学ぶ事ができた点です。
学んだことを、研究活動を通して実践することができ、その経験は自分にとって大きな財産になったと感じています。
実際に業務でも様々なシーンで活用できています。
例えば新しいコースカリキュラムや教材を開発する際や既存のコースの評価・改善を行う際に、なぜその様なコース(内容や構成、教授方法)にするのかを勘や経験だけでなく、理論によって説明できるようになりました。
また、実際に設計や開発作業を行う上でも、理論やそれに紐付くメソッドを活用することでスムーズに進めることができるようになったと感じています。

2点目は企業での経験、大学院での学び、そして自分の考えなどを、論文という形で明確にすることができた点です。
私がどういう経験をして、どういう考えを持って、どのような行動を取っているのかというのはなかなか周りから見えづらい部分だと思いますが、論文という明確なアウトプットを提示することで、そういった部分が見えやすくなったのではないかと思います。
その結果として、論文テーマに関連する社内業務や社外活動において、声を掛けて頂ける機会も増えたと感じています。

3点目は論文作成を通じて視点や人の輪を広げることができた点です。
論文作成を通じ、調査段階でヒアリングさせて頂いた方々、ご指導頂いた教授方、研究の中間発表や論文審査会発表にお越し頂いた方々からご意見を頂く貴重な機会を得ることができました。
また、そこで知り合った方との親交を通じて新たな発見や人との繋がりを得ることができました。本当に貴重な機会を頂いたと思います。


会社で通常業務を行いながら大学院で学ぶのは大変だったと思いますが、一番苦労した点はどのようなことでしょうか?

佐藤:イメージ図
主体性を持って、自分の意志を持ってやり抜かなくてはいけない点が一番苦労したところです。
大学院通学は業務ではないので誰も背中を押してはくれませんし、時間の確保やマイルストーンの設定、タスクの消化は自分の意志で進めていかなくてはいけません。
どうしても直近のタスクや仕事を優先してしまい、研究に手が回らずに進捗に遅れが...ということも何度か(というか最後まで)ありました。

確かに、仕事との両立は大変だったと思います。強い意思と体力がないと、やり遂げることは難しいですよね。
今後挑戦してみたい研究テーマなどはありますか?

佐藤:
やりたいこと、興味があることは沢山あります。(笑)
その中でも、「教育効果を高めるためのICT活用」や「教育評価や学習者評価などの評価情報共有・活用のための仕組みづくり」などに興味があります。
前者は、スマートデバイス活用、ゲーミフィケーション、後者はLMS(2)、SNS、eポートフォリオ(3)などがキーワードとして挙げられます。


まさに、現在話題になっているキーワードですね。このような分野に興味を持っている佐藤さんですが、現在の仕事の内容を教えてください。

佐藤:
熊本大学大学院に通っていた当時は、企画・マーケティング業務を担当していましたが、現在は講師の部隊に所属し、IT講師(主にネットワーク、Webコンテンツのコース)としてコース開発と講習会実施業務を担当しています。
日々、お客様にとって必要な教育とは何か、どうすればより良いサービスを提供できるかを考えながら業務に取り組んでいます。
当社の一番人気コース「ネットワークの基礎(コースコード:UJE39L)」の講師も担当していますので、ご受講をご検討頂ければ幸いです。

ネットワークやWebコンテンツという、非常に人気が高いカテゴリのコースを担当しているのですね。
仕事をする際、どんなときにやりがいを感じていますか?
佐藤:
つきなみですが、お客様の期待に応えるサービスが提供できた時や、新しいことにチャレンジして目標を達成できた時にやりがいを感じます。
また、普段から自分の周りの人に何か良い影響を与えることができれば良いなと思いながら仕事に取り組んでいます。


それでは最後に、みなさんにお伝えしたいことがあれば教えてください。
佐藤:
「学ぶこと」は人にとって生涯のテーマだと思っています。そんな生涯付き合っていくものですから出来る限り楽しくて面白いものにしたいですよね。
そのようなことから、(半分は趣味ですが)企業教育に限定せず、"教育"で活用できそうな(≒なんとなく面白そうな)Webサービス、アプリケーション、ITガジェットを常に探し求めています。
「ちょっと気になるものがあるのだけど調査して!利用方法を考えて!」というものがありましたら是非教えていただきたいです!
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みなさん、いかがだったでしょうか?
論文は下記サイトからダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、ぜひご覧ください。
https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/contact/form/paper03-dl.html

熊本大学大学院の在学中には「熊大通信」と題し、企業内の人材育成担当者様をターゲットとして、学んだ専門的な知識を当社ブログでご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
http://www.knowledgewing.com/kw/blog/column/cat38/cat43/

(1) WebEx:Cisco社のWeb会議システム
(2) LMS:Learning Management System、学習管理システム
(3) eポートフォリオ:学習者の学習経験およびその結果を身につけた能力などの証拠となる、学習者が作成した一連のデジタル形態の学習成果物
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ご愛読をいただきありがとうございました。

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みなさん、こんにちは!
富士通ラーニングメディアでアカウント営業を担当している千葉です。
このコラムには、3回目の登場となります。

私は以前、会社に通いながら、熊本大学大学院(修士課程)で学び、修士論文では「講師力」を取り上げました。
昨年、それをブラッシュアップしたものを、「講師力の定義・構造化の有用性の検証~研修事業会社の講師力向上への取組みを例として~」として、教育システム情報学会の全国大会で発表したところ、大会奨励賞を頂戴しました。

これは、一言で言うと、講師に求められる力(講師力)を定義し、より役立つよう、現場での評価、検証を行った研究です。
今回は、この研究テーマについてご紹介します。
自社内で講師や教育企画を担当される方々にもご参考になれば幸いです。

<なぜ「講師力」に注目したのか>

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「講師力の定義」を研究テーマに設定したきっかけは、あるお客様から「講師の品質に関するクレーム」を連続していただいてしまったことでした。

クレームの原因は、講師のスキル・経験と、お客様のニーズとの不一致にあったため、当然のことですが、その後は、事前にお客様のニーズをより正確に把握するようにしました。
それと同時に、当社が定義している、講師に求められる力(講師力)にぬけやモレがないか、また、そもそもそれはお客様のニーズを満たすことのできるものなのか...などといったことを、根底から考えることにしました。

当社で講師として登壇するには、長年のノウハウの蓄積から構成された講師手引きを熟読の上、何度もリハーサルを行い、幹部社員のチェックをパスしなければならないシステムになっています。
その際には、当社で作成している「リハーサルチェックシート」を指標として利用しています。

それでもクレームが発生しているということは、まだ改善の余地があるのではないか?と思い、あらためて講師に求められる力を定義し、講師品質を起因とするトラブルを削減・軽減したいと考えました。
研修事業会社が「講師力」について研究発表をした例は、私が調べた範囲では過去に無く、その新規性と有用性が評価され、各方面から多くの反響を頂きました。

<現場に即した研究プロセス>

では、どのように講師力を定義し、より役立つよう評価、検証したのか、研究プロセスを簡単にご説明します。

プロセスは大きく3フェーズに分かれており、それぞれ以下のような取り組みをしました。

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I 分析・調査フェーズ

まず、現状どのように講師力が定義されているのかを、既に当社で利用している講師手引きやリハーサルチェックシートから整理しました。
次に、ここ2年間の当社研修アンケート約22万件の中から講師に関係する低評価な事例を抽出し問題点を明らかにしました。
また、
・先行事例としては、国際標準であるibstpiインストラクターコンピテンシー(1)(2)を、
・先行研究としては、同じ研修事業会社の事例を元に研究・開発された、研修当日のチェックに用いる研究観察記録シート(3)
を比較対象として調査しました。

II 設計・開発フェーズ

Iで調査・分析した各種講師指標と当社の講師指標を照合して、相似・相違を明らかにしました。
次に、現在発生している問題の解決に役立つと考えられる講師力要素の追加を行って、「講師力定義リスト」を開発しました。

III 試用・評価フェーズ

開発した「講師力定義リスト」を、インストラクショナル・デザイン(教育が最適な効果をあげるための設計手法)の専門家、現場管理職、現場講師それぞれの観点から評価を頂き、改善を行いました。
また、「講師力定義リスト」の活用方法についても、現場の声を収集して検討しました。


<研究成果「講師力定義リスト」が完成!>

このように、先行事例・先行研究との比較や、現場での評価なども踏まえ、最終的に3階層・16カテゴリ・55要素で構成される「講師力定義リスト」が完成しました。
例えば「演習手順説明を明瞭にできる」など、現実的にはほとんどの場合、講師が意識して対応できているものの、項目としては漏れていた部分などを追加し、妥当性、網羅性を確保しました。
下表は、専門家などの評価をもとに改善した「講師力定義リスト」から、一部を抜粋したものになります。

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今回は、講師に最低限求められる講師力を定義しました。
今後は、ハイパフォーマーの育成をどうするかという課題や、新しい形式の研修(ファシリテーション型研修、PBL型研修、サテライト講習会、eラーニングとのハイブリッド教育など)についても、それぞれどのようなスキル・経験が講師に求められるのか、調査・研究したいと考えています。

また、研究の中では、このリストの活用方法も検討し、以下のような活用案を考えています。
・現在利用しているリハーサルチェックシートを改善する際の材料として活用する
・講師力定義リストの各項目に紐づくeラーニングを開発し、講師力向上をはかる
・お客様の社内講師育成や外部認定講師育成の際に利用する


今回ご紹介した「講師力定義リスト」が含まれた研究論文は一般にも公開しており、既に自社での人材育成や社内講師育成に利用したい、とのお声も複数社から頂戴しております。
研究論文は下記サイトからダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、ぜひご覧ください。
 https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/contact/form/paper01-dl.html


<研究プロセスを通して見えてきたもの>

今回の研究は「講師力定義リスト」という成果につながりましたが、それに加え、研究のプロセスを通じて、見えてきたものや得たものが非常に多くありました。
 ・当社の講師力定義がどのようになっているのか現状を整理できた
 ・アンケート結果の解析から、どのような事柄が低評価につながっているのか明らかにできた
 ・「講師力」に関する社内での議論が活性化した
 ・開発した「講師力定義リスト」の活用アイデアを、社内で検討することができた

これらの成果は、今後当社が講習会サービスを、高品質でかつ継続的に提供し続ける上で、非常に重要な知見になり得ると考えています。

 

<全国大会で大会奨励賞受賞!>

イメージ図以上のような研究成果が評価され、教育・IT関連の研究・調査・情報交換を目的とした、国内最大級の団体である、教育システム情報学会の、第37回全国大会(2012年8月開催)にて、大会奨励賞を頂戴しました。

大会奨励賞とは、教育システム情報学と関連分野における学問の発展を奨励するため、その貢献が顕著である新進の研究者に贈呈される賞で、全国大会で発表された全公演の中から3%を目途に授与されます。
今回は私を含め、3名が受賞しました。
このような賞に私が選ばれたのは、自身の研究成果やプレゼンテーションが認められたという意味で大変光栄です。
これは、私だけの努力ではなく、熱心に指導頂いた熊本大学大学院教授システム学専攻の先生方や、研究の評価・改善に協力頂いた方々、営業業務のかたわら研究に取り組むことを支援してくれた職場の仲間(自社のことで恐縮ですが・・・)の支援と協力があってのことと強く感じており、この場を借りてあらためて御礼申し上げたいと思います。
 

<過去のコラムもご覧ください!>

今回は「講師力の定義・構造化の有用性の検証」の研究成果についてご紹介しましたが、大学院の通学中には「熊大通信」と題し、大学院で学んだ専門的な知識を当社コラムとしてご紹介しました。
また、卒業後は「チャレンジの連鎖から世界が広がる(社会人修士体験記)」というテーマで、主に私と同じ立場で頑張る20代~30代の会社員を対象に、通学や研究を通した気づきや、学びをどのように業務と結び付けたかを掲載しました。
よろしければ、ぜひそちらもご覧ください。

  ◇熊大通信
   第1回:「熊大通信」を開始します!
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/08/201008170900.html
   第2回:熊大のシステム ~eラーニング大学院ならではの学習の仕組み~
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/08/201008240900.html
   第3回:教育をする意味~期待を整理して改善へとつなげよう~
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/08/201008311515.html
   第4回:御社のeラーニング、効果的に使えてますか?
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/09/201009071530.html
   第5回:インストラクショナル・デザインの実践に向けて
                    ~プロセスモデルに基づいた開発体験を通して~
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/09/201009150900.html
   第6回:どうしたらみんながeラーニングを活用してくれると思いますか?
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/09/201009211601.html
   第7回:学習目標の立て方~5分類を活用しよう~
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/09/201009281628.html
   第8回:どうしたらみんなが自発的に学習してくれると思いますか?
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/10/201010050900.html 
   第9回:誤った目標設定から脱却する!
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/10/201010120900.html
   第10回:eラーニング最新動向 ~eラーニングの明日はどっちだ!
      http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/10/201010190900.html
   第11回(最終回):熊大通信、いかがでしたでしょうか?
      http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2010/10/201010260900.html

  ◇チャレンジの連鎖から世界が広がる(社会人修士体験記)
    第1回「軸を見つけたい! ~ 修士課程へのチャレンジ」
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/08/201208020640.html
   第2回「「講師力」って何? ~ ビジネスのヒントの探し方」
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/08/201208090645.html
   第3回「1人のチャレンジが、組織を変える!?」
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/08/201208230645.html
   第4回「効果的・効率的に考えるコツとは?」
     http://www.knowledgewing.com/kw/blog/2012/08/201208300640.html

 

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参考文献

(1) 森田晃子: "自主的な学習を促すID に基づく学習ポータルの設計-MR 教育者が学習する「場」を考える-」",熊本大学人文社会学部教授システム学専攻修士論文(2010)
(2) 松本尚浩: "インストラクターコンピテンシーの医療者教育への応用",医療職の能力開発JJHPD4月号p41-62(2011)
(3) 菊田美里: "企業内教育における対面型研修の形成的評価の質を高める研修観察支援ツールに関する研究",熊本大学人文社会学部教授システム学専攻修士論文(2011)


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ご愛読をどうもありがとうございました。

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