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2017年3月記事一覧

みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアの橋本です。

本シリーズのコラムも今回で最終回です。
最終回は、松井に代わって橋本が「イマドキの業務システムはフロントエンドも重要です!」についてご紹介します。

ちなみに、タイトルにもある「フロントエンド」とは、どういう意味でしょうか。
フロントエンドとは「Webシステムを構成する要素の中で、ユーザーと直接データのやり取りを行うユーザーインターフェイス(UI)部分」を指します。


ではなぜイマドキの業務システムはフロントエンドが必要なのでしょうか。その前に、本シリーズの第1回目、第2回目のコラムでの宿題の答えから紐解いていきましょう。

~本コラムでご紹介する内容~
・クライアントサイドでユーザーインターフェイスを構築するには?
・魅力的なフロントエンドを作成するには?

第二ラーニングサービス部 橋本 亜希(はしもと あき)

講師画像コーポレート部門、研修プロマネ部門での業務経験を経て、現在はJava,PHP,C#,VB.NET等と、HTML,CSS,JavaScript等を組み合わせたWebアプリケーション開発コースを担当。
休日はオシャレなカフェや雑貨屋さんを新規開拓し、キラキラしたものやネコ系動物に癒されている。けれど、一番心ときめくものはドラゴン○ール。


実はコラムを執筆するのは2度目。ご興味のある方は、以下コラムも覗いてみてください。

【今求められる人材】知らないとソンする!?
 ~Webアプリ担当講師が語る"jQueryのメリット"とは~

本シリーズの第1回、第2回のコラムをとおして、イマドキの業務システムは、REST APIベースで開発することにより、「サーバサイドからは『画面(HTML)』ではなく『データ(JSONなど)』が返却される」という特徴、および「シンプルな設計で分散アプリケーションを実現できる」、「クライアントサイドとサーバサイドの分離をすることにより、メンテナンス性向上や各サイドの分業化や並行開発がしやすくする」などのメリットがあることをご説明しました。

<時代はAPIファースト!? イマドキの業務システム開発ことはじめ>
 第1回 なぜ流行っている?「REST API」 ~アプリもインフラ作業の自動化もAPIで!~
 第2回 REST APIベースの業務システム開発(Java編)
 第3回 イマドキの業務システムはフロントエンドも重要です!


では、サーバサイドから渡されたJSONデータを使用して、クライアントサイドでユーザーインターフェイスを構築するにはどうすれば良いでしょうか。

<クライアントサイドでユーザーインターフェイスを構築するには?>

ズバリ!クライアントサイドをMVCアーキテクチャーに従って実装します。

※MVCアーキテクチャーとは:
モデル(Model)、ビュー(View)、コントローラー(Controller)を分離するための設計モデル。モデルでは、アプリケーションにおけるデータ構造とデータが持つビジネスルールを定義する。ビューでは、業務データを表示し、利用者とのユーザーインターフェイスとなる。コントローラーでは、アプリケーションの処理を実行する。モデルが持つ業務処理を起動し、結果をビューとして返す。MVCの目的は、開発する部品の役割を明確にすることにより、保守性を高め、再利用を促進することである

従来の業務システムは、サーバサイドレンダリングとよばれ、サーバサイドでHTMLを生成し、生成されたHTMLをクライアントに返却していました。

サーバサイドレンダリング

しかしREST APIベースの業務システムでは、クライアントサイドレンダリングとよばれ、サーバサイドではHTMLを生成せず、サーバから返却されたJSONなどのデータをJavaScriptが受け取ります。
JavaScriptからHTMLを操作することにより、Webページを部分更新し、サーバから受け取ったJSONなどのデータをWebページに表示します。


クライアントサイドレンダリングを実現する際、1つのソースコードにイベント処理、サーバ通信、HTMLの操作を実装するとソースコードの見通しが悪くなります。そのため、クライアントサイド(JavaScript)をMVCアーキテクチャーに従って実装することにより、見通しの良いソースコードを作成します。

クライアントサイドレンダリング

クライアントサイドMVCを実現する代表的なフレームワークとして、AngularJS、Reactなどがあります。

AngularJS、React

どうでしょうか。REST APIベースで業務システムを開発する場合、クライアントサイドはどのように実装すべきか、イメージできましたでしょうか。

さて、ここで1つ注意すべきことがあります。
たしかにREST APIベースで業務システムを開発することによって、冒頭でご説明したとおり「シンプルな設計で分散アプリケーションを実現できる」、「クライアントサイドとサーバサイドの分離をすることにより、メンテナンス性向上や各サイドの分業化や並行開発がしやすくする」などのメリットを業務システムの提供者は得ることができます。

では、業務システムを使用するユーザーはどうでしょうか。
最終的に表示されたフロントエンドがユーザーにとって使いにくい見栄えだった場合、ユーザーは業務システムの使用を敬遠し、必要最低限しか業務システムを使用しません
業務システムは、業務効率化など、システム導入本来の目的を達成して初めて提供した意味を成します。
そのためには、今後の業務システムは「使いにくい」は論外、「使いやすい」は当たり前、「使いたい」とユーザーに思って貰えるフロントエンドで提供する必要があります。

フロントエンド

では、ユーザーに「使いたい」と思って貰えるようなフロントエンドはどうやって作成すれば良いでしょうか。

<魅力的なフロントエンドを作成するには?>

ターゲットとなるユーザーのスペック(職業、性別、年齢層など)ではなく、そこから一歩踏み込んだユーザーのパーソナリティ(行動パターン、好きなこと、嫌いなこと、休日の過ごし方など)に着目してフロントエンドを考える必要があります。
たとえば、機能重視のユーザーとデザイン重視のユーザーでは、システムに求めるフロントエンドは異なります。


そのために、まず、業務システムの発注者からターゲットとなるユーザーのスペックを入手して終わるのではなく、実際にユーザーのところに足を運び、現状の業務システムに対する思いなどをインタビューしましょう。
そこから、メインターゲットとなるユーザーのペルソナ(ユーザーのイメージを共通認識するデザインツール。ターゲットとすべきユーザーの具体的パーソナリティを設定する)を作成しましょう。

1ペルソナの作成ペルソナの作成

次に、設定したペルソナであれば、どのような場合、どういう流れで業務システムを使用するのか、カスタマージャーニーマップ(ユーザーの行動文脈を旅のプロセスに見立てて可視化し、把握する手法および、そのために作成した図)を作成します。

2.カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップの作成
次に、作成したカスタマージャーニーマップから、今回の業務システムで必要となる機能を構造化シナリオ(ユーザーの価値とビジネスの価値、ユーザーが行う作業、ユーザーが行う操作を記述した図)として洗い出し、ユーザーインターフェイスに落とし込みます。

3.構造化シナリオの作成構造化シナリオの作成

構造化シナリオを基に作成したユーザーインターフェイスがユーザーの望むものと一致するか、再度ユーザーのもとへ足を運び、レビューを行います。
レビューとユーザーインターフェイスの修正を繰り返すことにより、ユーザーにとって「使いたい」フロントエンドを作成できます。

いかがでしたでしょうか。
サーバサイドと比較し、今まで軽視されがちだったフロントエンドですが、業務システム導入の目的を達成するために、いかにフロントエンドが大切か、ご理解いただけましたでしょうか。

本シリーズのコラムは以上で終了です。
もしフロントエンドにご興味を持たれた場合は、HTMLやJavaScriptなどの基本文法はご存じな方を対象に
フロントエンドエンジニアのためのWebアプリケーション開発実践 (UJS53L)」というコースをご提供しております。
是非、コース概要をご確認ください。

<時代はAPIファースト!? イマドキの業務システム開発ことはじめ>
 第1回 なぜ流行っている?「REST API」 ~アプリもインフラ作業の自動化もAPIで!~
 第2回 REST APIベースの業務システム開発(Java編)
 第3回 イマドキの業務システムはフロントエンドも重要です!

 

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2017年2月23日、ヴイエムウェア株式会社が主催する、日本におけるVMware Education Partner AwardとVCI (VMware Certified Instructor/VMware 認定インストラクター) Awardが発表され、当社はEducation Partner Special Award 2016」を受賞しました。

当社が開催するVMware認定トレーニングコースを、多くの方がご受講されたことなどが評価され、今回の受賞となりました。

>> ヴイエムウェア社の紹介ページ (ヴイエムウェア社サイトへ)

受賞の風景

当社は2009年からVMware Education Partnerとして、VMware認定トレーニングコースを当社ラーニングセンター(東京、名古屋、大阪)やお客様先で開催し、2016年1月までに富士通グループを含め、1,500名以上の方にご受講いただき、高い評価をいただいています。
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今後もVMware認定トレーニングをはじめ、お客様のビジネスに貢献できる人材育成・研修サービスをご提供してまいります。

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みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアでMicrosoftテクノロジーの講師をしている今井です。

今回は、データベースを取り巻く現状と最新のSQL Serverについてご紹介します。

2017年3月現在、SQL Server は2016 SP1が最新バージョンとして提供されています。
SQL Serverは、おおむね2年に一度新しいバージョンが提供されてきていますが、SQL Server 2008 やSQL Server 2008 R2のサポートが、『2019年7月9日』で終了する予定となっています。

そのため、そろそろ新しいバージョンへの移行などを検討される方も増えているのではないでしょうか。ただし、新しいSQL Serverへの移行といっても、ただデータを乗せ換えるだけではもったいないのです。

第二ラーニングサービス部 今井 敏裕(いまい としひろ)講師画像

Microsoft認定トレーナーとして多くのトレーニングを担当。
Windows Server(Active Directory 、Hyper-V、クラスタなど)、Windowsクライアント、SQL Server(~2016)、Microsoft Azure、Lync Serverなどのトレーニングを開発、実施してきた。
わかりやすく、受講後すぐにアクションにつながるトレーニングを心がけ、講師評価及びコース評価などで社内表彰を4年連続獲得。
2児の父として家庭との両立を図りながらも、たまに青いサイリウムを手に、某ライブに参戦している。

<[分析]という作業とSQL Server>

昨今のデータベースは、これまで以上の役割を担うようになってきていますね。
例えば、[分析]。アナリティクスやビジネスインテリジェンスと言ったりすることもあります。
これは、データをためるだけでなく、それを分析し、様々な戦略に役立てることを目的としています。
移行にあたってはこういった役割が求められることもあるかもしれませんね。

ただし、大まかに以下の様な条件を考えておく必要があります。データベースでの分析作業に求められること

ネコなんだか大変そう・・・。



そう、「大変」なんです。[分析]と聞くだけでも大変そうなのに、そもそものデータベース側の準備も大変です。

今までの業務の処理もやりつつ、「分析も」となると、「別のサーバーを作ります」とか「負荷的に無理です」とか「夜間に分析させて翌朝レポート出します」といったことになりやすいわけです。

こう言った条件に対して、MicrosoftがSQL Serverを通じて出した答えは・・・

インメモリOLTPの採用、計算に強いインデックス採用、SSDアプライアンスの提供、Operational Analytics

といった部分を段階的に強化しました。
これらは、高価なハードウェアに頼らなくても、より効率的に速く分析処理ができるようソフトウェアレベルで強力に支援してくれます。
また、チューニング済みのハードウェア[SQL Server SSD Appliance]では、SSDを採用することでハードウェアとソフトウェアの両面から高速化を強力に支援。小規模から大規模まで多様なラインナップが用意されています。

ネコ実は某有名Webサイトも、裏ではSQL Server SSD Appliance支えているみたいよ!


これら4つはあくまで代表的な強化点ですが、各バージョンで段階的に採用されてきました。
SQL Server 2016では、それらが最適化され、実用に耐えるものに進化してきています。

また、何より大事なのが、

ネコ既存のデータに追加で構成できるものも多い!

ということです。
従来のデータベースやテーブルの構成に追加することで、単純に高速化できる処理も多かったりします。
例えば、単純な集計や計算処理もカラムストアインデックスを使うことで大幅に高速化できる場合もあります。

<「速い速い」はどれだけ速い?>

カラムストアインデックスやインメモリOLTP(最適化)などは、データへの各種処理の高速化・高効率化に貢献する機能の1つですが、一言で「速い」といってもどのくらい速いのでしょうか。その結果の一端をお見せしましょう。

・カラムストアインデックスの動作確認
 約1000万件のデータが入っているテーブルに対してGROUP BYで集計をかけた場合です。

カラムストアインデックスの動作確認

明確な数字はライセンス規約上掲載できませんが、クラスタ化インデックスだけの場合に比べ、性能が大幅に改善しているだけでなく、サイズもコンパクトになっていることがわかります。

・インメモリOLTPの動作確認
 100万件のデータ追加時の実行時間を簡易的に測定した場合です。
 (ネイティブコンパイルストアドプロシージャ未使用)

インメモリOLTPの動作確認

データ追加において大幅に高速化していることがわかります。

これらの動作確認は、同じハードウェア、OS、SQL Serverなどすべて同一条件にて実施しています。
もちろん、前提条件、適材適所などしっかり確認は必要ですが、新しい技術を使えば一定レベルの性能向上が見込めるわけです。

ネコ新しい選択肢として考えることもできるね!



実は、上記の動作結果は弊社で提供している実習の一部を抜粋したものです。
実習では実際の実行時間をワークシートに記録しそれを持ち帰ることができるため、SQL Server 2016導入時のサンプルとして活用いただけます。

 SQL Server 2016 新機能と差分 (UCD31L) ※1日コース

また、以下のSwayコンテンツでは本研修の紹介も行っています。

SQL Server 2016 新機能と差分 コース紹介 -Microsoft Sway-


皆様のご受講を心よりお待ちしております。

【トピック】 「MCP教科書 Windows 10」を執筆しました!書籍表紙

Microsoft認定トレーナーとしてお客様から高い評価をいただいている今井が、このたび「MCP教科書 Windows 10(試験番号:70-697)スピードマスター問題集(翔泳社出版)」を執筆し、3月2日に出版されました。
さらに、4月8日(土)に開催される「丸かじりセミナー(無料、主催:株式会社翔泳社、日本マイクロソフト株式会社)」で講師を担当します。

この度、Microsoft認定トレーナーである当社講師の 岡崎、今井が執筆しました「MCP教科書 Windows 10(試験番号:70-697)スピードマスター問題集(翔泳社出版)」が販売開始となりました。

2017年4月8日(土)には、同書籍を執筆した講師による「丸かじりセミナー(無料、主催:株式会社翔泳社、日本マイクロソフト株式会社)」を開催いたします。

>> 丸かじりセミナー詳細 (翔泳社サイトへ)

丸かじりセミナーMicrosoft認定資格プログラム(MCP)の受験を検討されている方は、この機会をぜひご活用ください。

 

書籍表紙【本書の特徴】

  • Windows 10試験(試験番号:70-697)に完全対応
  • 解くだけでみるみる合格力が付く、分野別問題+模擬試験1回分=249問を掲載
  • MCP教育に定評のある著者による書き下ろし
  • 良問ぞろいで、「これだけ」で合格できる
  • "問題→解説"の順に、テンポよく読み進められる
  • 図や表が多く、初心者でも安心
  • 問題の重要度がひと目でわかるアイコン付

【本書の構成】

1章:IDの管理
2章:デスクトップとデバイスの展開の計画
3章:Microsoft Intune デバイス管理ソリューションの計画と実装
4章:ネットワークの構成
5章:記憶域の構成
6章:データアクセスと保護の管理
7章:リモートアクセスの管理r
8章:アプリの管理
9章:更新と回復の管理


【執筆者の紹介】

第二ラーニングサービス部 岡崎 佑治(おかざき ゆうじ)講師画像

Windows NTの時代より、マイクロソフト製品のトレーニングを担当。
Windows Server(2012/2016)を中心とし、Windowsクライアント、SQL Server、Azure、Hyper-V、Active Directory、VDIなど各テクノロジーのトレーニングを開発、実施してきた。
過去にはCitrix認定トレーナーとしての活動や、インフラSEとしての業務経験もあり、その経験を生かしたトレーニングを心がけている。
自宅に帰れば、車2台と大型バイク、ロードバイクに囲まれる極度の乗り物好き。

第二ラーニングサービス部 今井 敏裕(いまい としひろ)講師画像

Microsoft認定トレーナーとして多くのトレーニングを担当。
Windows Server(Active Directory 、Hyper-V、クラスタなど)、Windowsクライアント、SQL Server(~2016)、Microsoft Azure、Lync Serverなどのトレーニングを開発、実施してきた。
わかりやすく、受講後すぐにアクションにつながるトレーニングを心がけ、講師評価及びコース評価などで社内表彰を4年連続獲得。
2児の父として家庭との両立を図りながらも、たまに青いサイリウムを手に、某ライブに参戦している。

3月9日のコラムでは、SQL Serverにも詳しい今井による、「~迫る!SQL Server 2008サポート終了!~ 講師が教える新バージョン移行へのヒント」をお届けしています。
こちらもぜひ、ご覧ください!

みなさん、こんにちは。富士通ラーニングメディアの松井です。

現在、Javaによる業務システムは大きな変革期にあります。
1つ目の潮流は、REST APIの利活用や提供のニーズが高まっていることです。モバイルアプリケーションのバックエンドやシステム間連携を容易にするため、REST APIを提供し、レスポンスをJSONなどのデータで返すアーキテクチャに注目が集まっています。
2つ目の潮流は、これまで使用されてきたオープンソースのフレームワーク(StrutsやSeaser2)がEOL(End of Life:サポート終了)となったことです。このため、Java EEの標準技術に移行する需要が高まっています

「REST API」をキーワードに、「イマドキの業務システム開発」を読み解いていく本シリーズの第2回では、「どうやってREST APIベースの業務システムを開発するの?」という疑問について、Java EE 7という最新の標準フレームワークを使用した開発方法をご紹介していきます。
REST APIベースの業務システムの詳細については、前回のコラムをご覧ください。

<時代はAPIファースト!? イマドキの業務システム開発ことはじめ>
 第1回 なぜ流行っている?「REST API」 ~アプリもインフラ作業の自動化もAPIで!~
 第2回 REST APIベースの業務システム開発(Java編)
 第3回 イマドキの業務システムはフロントエンドも重要です!

第二ラーニングサービス部 松井 正徳(まつい まさのり)講師画像

主にJavaやHTML/CSS/JavaScriptなどのWebアプリケーション開発コースを担当。
最近はRuby、Pythonなどのスクリプト言語やLinux、クラウドなどインフラ技術も勉強中。
アプリケーション開発のオールマイティSEとなるべき、精進の毎日。

プライベートでは、セーリングと日本酒を愛する自由人。
日本酒の今年の目標は、新潟越後の93酒蔵の利き酒を全制覇すること。

<JavaEEとはなにか?>

Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)とは、サーバサイド向けアプリケーションに必要な機能の仕様の集合(API群)です。

2000年代のJavaのアプリケーション開発においては、Java EEの前身であるJ2EEの開発生産性の低さもあり、オープンソースのフレームワークが台頭していました。ただし、オープンソースのフレームワークは、必ずしも長期的にサポートされるとはかぎらない点に注意が必要です。現に、代表的なオープンソースフレームワークであったStruts1.xとSeasar2は、EOL(End of Life)となっています。
オープンソースフレームワークの諸技術を取り込み、Java EEの最新バージョンでは標準技術のみで高い生産性で堅牢な業務システムを開発可能です。また、後方互換性も十分に考慮されており、長期的な安定性を見込むことができます。

Java EEは仕様の集合であり、アプリケーションの各機能を実現する仕様が定義されています。以下に、REST APIベースの業務システムを開発するにあたり、必要となる仕様を示します。

・JAX-RS(Java API for RESTful Web Services)
REST API を開発するための Java EE標準仕様。
・JPA(Java Persistence API)
データの永続化やO/Rマッピングの標準を規定した Java EE標準仕様。
・JTA(Java Transaction API)
トランザクション管理に関する Java EE標準仕様。
・CDI(Contexts and Dependency Injection)
DI(Dependency Injection : 依存性の注入)やAOP(Aspect Oriented Programming : アスペクト指向プログラミング)を実現するための Java EE標準仕様。
・Bean Validation
JavaBeansに対してバリデーション(入力された値に対する妥当性の検証)を行うためのJava EE標準仕様。

REST API呼び出し

上図は、Java EEでREST APIベースの業務システムを開発する場合に使用する各要素技術をマッピングしたものです。
クライアントからリクエストがあると、Bean Validation による入力値検証後、JAX-RSで実装したREST APIで定義されたリクエストに応じた処理を実行し、データベースへの問い合わせについてはJPA/JTAを通じて行われます。また、一般的に業務システムは役割ごとのレイヤーに分割して構成しますが、メンテナンス性を向上させるため、CDIによってレイヤー間を疎結合に保ちます。

<JAX-RSによるREST APIの実装例>

JavaによるREST API開発の中核となるのはJAX-RSです。

Java EE 7の最注目の仕様の一つで、JAX-RSのバージョンが2.0に上がり、RESTクライアント(REST APIを呼び出すクライアント側のプログラムを実装する仕組み)やフィルタ(毎回のリクエスト/レスポンス時に共通的に実行する処理を定義する仕組み)など様々な機能が追加されました。

REST APIベースの業務システムとして、あるショッピングサイトを例に考えてみましょう。
Webサイトからの注文だけでなく、将来はモバイルアプリケーションからの注文も、同じシステムで受け付けられるようにREST APIを定義したとします。では、以下のような注文情報の取得に関するREST APIがあった場合のJAX-RSでの実装例をみてみましょう。

REST API呼び出し

JAX-RSでは、REST APIで提供する処理を定義するクラス(リソースクラス)を、アノテーション(注)を付与することで作成します。
リソースクラスには、リクエスト(HTTPメソッドおよびURLパターン)に対応したリソースメソッドを定義します。

①リソースクラスにアクセスするリソースURL(/flmmarket/api/orders/1)を@Pathアノテーションで指定
②注文情報はJSONで返却するので、@Producesアノテーションでレスポンスのデータ形式をJSONに指定
③リクエストのHTTPメソッドはGETなので、対応するメソッドに@GETアノテーションを指定
④リクエストのURLパターン(/flmmarket/api/orders/1)に対応し、検索条件の注文番号を指定する orderid のパスパラメータを取得できるように、@Pathアノテーションを設定
⑤検索条件の注文番号を指定する orderid のパスパラメータを取得できるように、@PathParamアノテーションを設定
⑥クライアントへのレスポンスは、各種設定をしたResponseクラスのオブジェクトを戻り値として指定

→ok()メソッドを呼び出すことで、HTTPステータスコード:200(成功)を設定
→ok()メソッドの引数に検索結果を表すorderを指定。レスポンス時に、JavaオブジェクトはJSONへと変換

(注)クラスやメソッドなどに対してメタデータとして付加情報を設定する機能

普段からプログラムに慣れ親しんでいる方なら、JAX-RSのソースコードを初見でも直感的に理解していただきやすいのではないでしょうか。
HTTPメソッドのGETの例をご紹介しましたが、POSTやPUT、DELETEなども同様に定義可能です。

<Java EEを効率的に習得するには>

ここまでJAX-RSを簡単にご紹介してきましたが、実際の業務システムでは、データベース連携やレイヤー間を疎結合に保つ仕組みが必要です。また、Java EEによるREST APIベースの業務システムの全体像や各要素技術の連携方法を理解することも重要です。

Java EEを習得するには、サンプルアプリケーションを動かし、実際にプログラミングすることが一番です。
ただ、独学だと1つ1つの要素技術は理解できても、要素技術の連携や技術の適用場面について体系的に理解するのは難しいかもしれません。

・REST APIを作ったけど、入力値の検証やエラーのときはどうレスポンスを返せばいいの?
・REST APIのアクセスログをとりたいけど、どうしよう?
・データベースのテーブルと返却するJSONの構造って、同じでいいのかな?

そんなときは、体系的な知識を短期集中で学習できる講習会がオススメです。

JavaEEによるRESTfulアプリケーション開発(UFN57L):
     2017年3月27-29日開催!

この講習会では、Java EEの全体像や各要素技術を学習したあと、総合演習を行います。総合演習では、API仕様書をインプットとして、サーバサイドで各要素技術が連携したシステムを開発します。3日間をとおして、実践的にJava EEによるREST APIベースの業務システムの開発スキルを習得できます。API仕様書例

今回はサーバサイドのREST API構築方法を中心にみてきました。
では、サーバサイドから渡されたJSONデータを使用して、クライアントサイドでUIを構築するにはどうすればいいのでしょうか。また、魅力なUIはどのような流れでつくればいいのでしょうか。
第3回目は、「イマドキの業務システムはフロントエンドも重要です!」についてご紹介します。次回もお楽しみに!

今回のコラムでREST APIに興味を持った方は、是非「REST API」のコースマップもご覧ください。

 

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