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2015年6月記事一覧

みなさん、こんにちは。
富士通ラーニングメディアのグローバル研修の企画・実施~運営を担当している石橋と、国内研修の企画・開発・実施を担当している塙です。

今年もATD ICEの季節がやってまいりました。ATD ICEとは、Association for Talent Development International Conference & Expositionの略称で人材開発に関する世界最大の会議&展示会として知られています。毎年5月にアメリカで行われ、2015年は5月17日(日)~5月20日(水)にフロリダ州オーランドのOrange County Convention Centerで開催されました。
当社では、毎年ATD ICEに参加することで研修や人材開発の最新トレンドをチェックしています。今年は幸運にも我々が任命され、参加の運びとなりました。
石橋&塙がATD ICEで見てきたこと、感じたことを3回にわたりお伝えしています。

2回目は、ATDの教育セッションの中で、注目セッションから感じた人材開発のトレンド「ラーニングテクノロジー」と「インストラクショナル・デザイン」の活用ポイント・活用事例をご紹介します。

 

講師画像

グローバルラーニングサービス部:石橋 宏路(いしばし ひろみち)

英語によるIT・ヒューマンスキル研修の実施など、国内や国外向けのグローバル案件の企画~実施、運営まで幅広く担当しています。
趣味は旅行でこれまでに国内外含めて色々なところに行きましたが、日本でのお気に入りは常駐経験もある沖縄です。

 

講師画像

西日本ソリューション部:塙 陸一郎(はなわ りゅういちろう)

主に国内研修の企画・開発・実施を担当しています。現在は、Windows関連コースを中心に、データベース関連コース、ITサービスマネジメント関連コース、ビッグデータ関連コースを中心に担当しています。
遠い昔に、修士課程にて、教育工学(主にeラーニングやインストラクショナル・デザイン)や教育心理学を専門とする教授のもとにいました。

  

<教育セッションから感じた人材開発のトレンド>

14カテゴリに分けられたセッションの中で、注目セッションとして「ラーニングテクノロジー」と「インストラクショナル・デザイン」を取り上げます。

■ラーニングテクノロジー

ラーニングテクノロジーのセッション数は43セッションと2014年度の36セッションに比べて増加傾向となり、モバイルラーニング、ソーシャルラーニング、バーチャルトレーニングといったキーワードが目立ちました。特徴としては各テクノロジーの活用ポイントや活用事例を紹介するセッションが多かったことです。この傾向は、以前は新しいキーワードとして紹介されていたテクノロジーの実用化が始まったことの現れであると考えます。

たとえば、モバイルラーニングは「短時間でお手軽に学べるコンテンツ」や「気軽なコーチング」としての利用が適しているといった報告がありました。
一方で、ソーシャルラーニングについては普及が進んでいないのが現状ですが、今後はSNSを日常的に利用しているジェネレーションZ(1990年代前後~2000年代終盤に生まれた世代)の台頭によって、今後の普及が期待されています。そのため、ソーシャルラーニングの活用についても引き続き注目する必要がありそうです。
ラーニングテクノロジーの進歩により、学習環境が大きく変わろうとしています。その中で何が学習者にとって最適なのかを考えていくことが重要になると考えます。

■インストラクショナル・デザイン

もう1つの注目セッションはインストラクショナル・デザインです。インストラクショナル・デザイン自体は以前からあるキーワードですが、 テクノロジーの進歩で様々な学習環境が提供できるようになったからこそ、改めて学習デザインの重要性が見直されているようです。
インストラクショナル・デザインのセッションでは、今年からよく聞くようになった言葉として、「ストーリーテリング」「グラフィックデザイン」「バーチャルシミュレーション」が挙げられます。どれもやや芸術的なアプローチで、まだベストプラクティスなどには至っていませんが、今後のインストラクショナル・デザインのキーワードとなりそうです。
また、現場での活用を促す手法となる「転移」を考慮した学習デザインが標準的となっていることも印象的でした。「研修後に学んだことをどう活用するか(How)」に着目し、学習内容を振り返る内省(リフレクション)やトレーニング実施後に学習内容の再提示(リマインド)のプロセスを組み込むことで、学習者の行動変容を促すことに繋げることが重要であるとの提言でした。学習環境が多様化する中で、改めて学習効果に焦点をあてることの重要性を感じました。

 

イメージ図

 教育セッションの様子

  

次回は、ATDの企業展示から見えた世界的に共通する人材開発サービスの傾向などをご紹介します。どうぞお楽しみに!

 

みなさん、こんにちは。
富士通ラーニングメディアのグローバル研修の企画・実施~運営を担当している石橋と、国内研修の企画・開発・実施を担当している塙です。

今年もATD ICEの季節がやってまいりました。ATD ICEとは、Association for Talent Development International Conference & Expositionの略称で人材開発に関する世界最大の会議&展示会として知られています。毎年5月にアメリカで行われ、2015年は5月17日(日)~5月20日(水)にフロリダ州オーランドのOrange County Convention Centerで開催されました。
当社では、毎年ATD ICEに参加することで研修や人材開発の最新トレンドをチェックしています。今年は幸運にも我々が任命され、参加の運びとなりました。
石橋&塙がATD ICEで見てきたこと、感じたことを3回にわたりお伝えしていきます。

1回目は、数字で見た世界最大級の人材開発イベントATDと、その基調講演から感じた世界の人材開発の現在と未来についてをご紹介します。

 

講師画像

グローバルラーニングサービス部:石橋 宏路(いしばし ひろみち)

英語によるIT・ヒューマンスキル研修の実施など、国内や国外向けのグローバル案件の企画~実施、運営まで幅広く担当しています。
趣味は旅行でこれまでに国内外含めて色々なところに行きましたが、日本でのお気に入りは常駐経験もある沖縄です。

 

講師画像

西日本ソリューション部:塙 陸一郎(はなわ りゅういちろう)

主に国内研修の企画・開発・実施を担当しています。現在は、Windows関連コースを中心に、データベース関連コース、ITサービスマネジメント関連コース、ビッグデータ関連コースを中心に担当しています。
遠い昔に、修士課程にて、教育工学(主にeラーニングやインストラクショナル・デザイン)や教育心理学を専門とする教授のもとにいました。

 

 

イメージ図ATD ICEの会場入り口の看板

<ATDとは?>

まずは、ATD ICEを主催する団体である、ATDについて紹介します。
ATDとは、組織における人材開発の分野において世界で最も大きな団体で、人々の知識、スキル、能力を向上させることで各自のポテンシャルを最大化することを支援しています。
以前はASTD (American Society for Training & Development)といった団体名でしたが、2014年5月にATD (Association for Talent Development)に名称が変わりました。これは、人材育成に関わる人々の専門性がTraining以上の広範囲なものになっていること、そして6大陸127カ国から成るグローバルネットワークに成長している現状をよりよく表現したいことが理由です。ATDへの名称変更により、タレントデベロップメントにおけるサービスおよびサポートの拡充が期待されています。

<数字で見るATD ICE 2015>

先ほど、ATD ICEは世界最大の会議&展示会と書きました。どの辺りが「最大」なのか、数字を追って見てみましょう。
・10,500以上
これは、参加者の数です。参加者は世界中(約80ヶ国)から来ていましたが、中でも日本は172名と韓国、カナダに次ぐ3番目の人数となりました。近年の日本の順位が4~5位であったことを考えると日本でのATDに対する認知度が高まっていることが窺えます。

 イメージ図

ATD ICE恒例の、参加者が名刺を貼るための世界地図

・約300
これは、教育セッションの数です。期間は4日間なので、300というセッション数が非常に多いことが見て取れるかと思います。ちなみに、1セッションは60~90分です。
さて、この教育セッションは、10のカンファレンストラックと4つの業界別トラックに分類*されます。
この中で注目セッションは新規に登場した「トレーニング・デリバリー」「インストラクショナル・デザイン」「ヘルスケア」の3つです。
「トレーニング・デリバリー」「インストラクショナル・デザイン」は、2014年度の「トレーニングデザイン&デリバリー」が2トラックに分割されたものになります。トラックが分割されたことにより各セッションで語られるテーマがより明確になった印象を受けました。
「ヘルスケア」は医療業界におけるタレントデベロップメントのニーズが高まっていることを受けて、新たに追加されました。新設により、医療関係者におけるCommunity of Practiceが活性化することで知識共有や情報伝達が促進され、医療業界の発達に寄与することが期待されています。

*トラックの詳細 ( )内はセッション数
カンファレンストラック:「キャリア開発(26)」「グローバル人材開発(24)」「ヒューマンキャピタル(27)」「リーダーシップ開発(32)」「ラーニングテクノロジー(43)」「学習の測定・分析(22)」「学習科学(15)」「(人材関連の)マネジメント(9)」「インストラクショナル・デザイン(29)」「トレーニング・デリバリー(27)」
産業トラック:「政府機関(6)」「高等教育(4)」「営業支援(13)」「ヘルスケア(6)」

・400以上
これは、企業・教育機関による展示会(EXPO)の数です。
人材に関わる多種多様な展示内容でしたが、目立ったのは、「タレントデベロップメント(タレントマネジメント、リーダー育成、組織開発など)」と「ラーニングテクノロジー(LMS、eラーニングなどのコンテンツ、SNSなど)」でした。ATDの名のとおりタレントデベロップメントに注目が寄せられていること、また、そこには従来どおりテクノロジーの活用が見込まれることが窺えました。

イメージ図

 EXPO会場の様子

・数字のオマケ
これだけ色々と数が膨大だと、なかなか特徴を抽出しづらいところもあります。そこで、約300の教育セッションから、セッションのタイトルをもとに頻出単語を抽出してみました。上位50の頻出単語を見える化してみました(文字が大きいものほど頻出)。Learningに次ぐ頻出単語はDevelopmentであり、Trainingよりもわずかに多く登場しています。この辺りからも、ATDに名称を変えた様子が窺えます。

イメージ図

 頻出単語(教育セッションのタイトルから上位50単語)

<基調講演から感じた人材開発の現在と未来>

基調講演は、ATDがその年のカンファレンスに込めたメッセージを知ることができる貴重な場です。基調講演には3名の方が登壇されました。3名の共通のキーワードとして挙げられるのは、「参画意識(Engagement)」と「創造性(Creativity)」の2つです。従業員の力を最大限に引き出すためには、組織に対する参画意識の向上が必要であり、参画意識の向上が大きなエネルギーとなって創造性に繋がると捉えました。

基調講演の詳細として、ここではATD代表Tony Bingham氏と英国ニューキャッスル大学の教育工学教授であるSugata Mitra氏の講演を取り上げます。

Tony Bingham氏はオープニング時のスピーチで「モバイルラーニング」の重要性について、事例を交えながら語りました。モバイルラーニングは以前から登場しているキーワードであり、目新しさはありません。しかし、「34%の会社がモバイルラーニングを活用している」と紹介もあり、モバイルラーニングの実用化が進んでいることがわかります。
また、モバイルラーニングの特徴となる「短時間」「簡潔」「パーソナライズできる」といった点を生かすことが、モバイルラーニングの活用のポイントだとも挙げていました。

Sugata Mitra氏はテクノロジー世代である今日の子供達向けの指導方法という課題について、これまでの実験と成果を紹介しました。Mitra氏の考案した学習アプローチに、Self-Organized Learning Environments (SOLEs:自己組織的学習環境)があります。これは、教師が生徒に直接教えなくても、生徒の興味を刺激する環境(励ましとインターネット)があれば、独学や他者との知識共有を通じて学びが可能であることを提言しています。Mitra氏はSOLEs等の取り組みを評価されて受賞したTED Prizeの賞金を活用し、「Schools in the Cloud」プロジェクトを開始してSOLEsを広めようとしています。
また、ビジネスへの提言として、「複数人が話し合って課題を解決していくことで、ビジネスは進められる。人材育成も同様に、複数人で知識共有して発見することが重要である。その際には、インターネットなどのテクノロジーを活用できる」と語っていました。Mitra氏の言葉は、テクノロジーが進化する現代において、我々が本当に学ぶべき「探究心の創出」の重要性を提言しているといえます。

イメージ図

 基調講演会場の様子

 

次回は、教育セッションの中で、注目セッションから感じた人材開発のトレンド「ラーニングテクノロジー」と「インストラクショナル・デザイン」の活用ポイント・活用事例をご紹介しますので、お楽しみに!

みなさん、こんにちは。私はスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末)で動くモバイルアプリケーション開発のAndroidアプリケーション開発の講師を担当しています。

最近はスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末)をお持ちの方が大変増えてきました。
プライベートでの利用だけでなく、個人所有のスマートデバイスを業務でも活用する「BYOD(Bring Your Own Device)」といった応用例もあります。

スマートデバイスを利用することで、いつでもどこでも好きな情報にアクセスできることは、とても便利ですが、その一方で、個人情報の流出など、セキュリティに関する問題も聞かれるようになってきました。

そこで今回は、Androidのセキュリティ事情についてお話をしたいと思います。

<セキュリティ対策にはコストが掛かりすぎる?>

アプリのセキュリティ上の欠陥のことを脆弱性といいます。
アプリのバグや、開発者が予想していなかった操作方法などが原因で発生し、コンピュータウイルスに感染したり、情報漏えいなどの被害の元となることがあります。

アプリをリリースするベンダ―は、脆弱性を排除しようとさまざまな取り組みをされていることと思いますが、脆弱性対策というと、要求される技術が多すぎる、工数が掛かりすぎるということで対応に苦労されている方も多くみられます。

脆弱性対策が困難な理由として、脆弱性を悪用する攻撃側と対策をとる防御側の非対称性が挙げられます。防御側のほうが、技術や費用の点で負担が大きいのです。

玄関やベランダの戸締りをしていても、小さな窓の鍵がひとつ開いていれば泥棒は入ってきます。すべての鍵をきちんと閉めても、家の前で鍵を落としてしまえば台無しです。

つまり、攻撃側は脆弱性が一か所あれば、それを悪用できるのに対し、防御側はアプリケーション全体で対策をとらねばならず、負担が大きくなるのです。

それでは、Androidで脆弱性のないアプリを作るにはどうすればいいのでしょう?アプリケーション全体にもれなく気を配る必要があるのでしょうか?

イメージ図

<Androidアプリの脆弱性情報>

セキュリティ対策方法のお話をする前に、Androidではどのような脆弱性問題が発生しているか、ご紹介したいと思います。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)とJPCERT/CC(JPCERTコーディネーションセンター)が共同運営するJVN(Japan Vulnerability Notes)が、日本で使用されているソフトウェアなどの脆弱性関連情報とその対策情報を提供しています。

JVNは四半期ごとにレポートしています。例えば、2014年第4四半期のレポートは以下のリンクから見ることができます。

脆弱性対策情報データベースJVN iPediaの登録状況 [2014年第4四半期(10月~12月)]:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

Androidアプリだけでも、1,200件超の脆弱性が報告されています。数の多さに、驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回、これだけ多くの脆弱性が報告されたのは、レポートにもある通り「複数の Android アプリに SSL 証明書を適切に検証しない脆弱性(JVNDB-2014-004043)」という、同一の脆弱性を持つアプリが多数見つかったためです。

いったい、どうしてこれだけ多数の、脆弱性を持つアプリがリリースされてしまったのでしょうか?

<脆弱性情報から考えられるセキュリティ対策>

1アプリだけの脆弱性であれば、アプリをリリースしたベンダー固有の問題であることも考えられます。しかし、これだけ多数のアプリに同様の脆弱性が発見されたということは、特定の会社の問題ではなく、どの会社でも同様の問題を起こす可能性がある、と考えたほうがよさそうです。

実は、「同じような脆弱性が多数のアプリで見つかる」という事例は今回が初めてではありません。

IPAテクニカルウォッチ 「Android アプリの脆弱性 」

先ほどのレポートより少し前のものになりますが、こちらのレポートには「届け出られた脆弱性は、アクセス制限の 不備に関するものが 7割以上 であった 。」と報告されています。このようにAndroidアプリで発見される脆弱性に、ある傾向がみられることがあります。

脆弱性に傾向がみられるのであれば、傾向を分析することで、比較的容易に対策をとることができます。

Androidは比較的新しいプラットフォームであり、セキュリティに関しても十分考慮がなされています。スマートデバイスに登録された個人情報やアプリ固有の情報を、アクセス許可のないアプリが容易に読み取ることを防ぐための仕組みが、あらかじめ備わっています。

これまで発見されている脆弱性のほとんどは、アプリ側で取らなければならない対策が十分とられていないことに原因があります。
脆弱性のない安全なアプリを作るためには、 Androidプラットフォームの保護が及ぶ範囲と、プラットフォームの保護が及ばないためにアプリ側で対策を取らなければならない範囲を理解することが重要になってきます。

<コース紹介>

具体的な対策など、Androidアプリでの安全なアプリ開発について、より詳しくは次のコースで取り扱っております。ご興味のある方は、ぜひコース概要をご確認ください。

☆ Androidセキュリティ・プログラミング (UFN22L)(※)

☆その他、モバイルアプリケーションにおいて必要となる知識や技術について、研修コースをご提供しています。こちらもご参考にしてください。

モバイル関連コースマップ

みなさまと講習会でお会いできるのを楽しみにしています!!

※本コースはナノコネクト社との提携コースです。

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