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【いま求められる人材】海外マニアの小田が行く、ASTD体験記(3)~EXPOで見た米国で主流のアダルトラーニングとは?~

[2014年7月 3日]

みなさん、こんにちは。
富士通ラーニングメディアでeラーニングの企画・運営を担当している小田です。

今年もASTD(American Society for Training & Development;米国人材開発機構)の主催するカンファレンス(ASTD International Conference & Exposition;人材開発国際会議)が、2014年5月4日(日)~7日(水)に米国ワシントンD.C.のワシントンコンベンションセンターで開催されました。今回ASTDカンファレンスに参加しましたので、その最新情報などをお伝えします。

さて、最終回では、EXPO会場で見たこと、感じたことを中心にご紹介いたします。

 

講師画像

第一ラーニングサービス部:小田 有希子

eラーニングの企画・運営担当。元は大手電機メーカー情報システム部の社内SE。ギークというほどではないが、新しいwebサービスが気になる性格で、保持しているSNS上のアカウントはFacebook、LinkedInをはじめ十数個。英語の技量はともかく、海外が大好き。もちろんeラーニングも大好き!

 

<EXPO 会場にも大勢の人>

まずはEXPOの会場図をお見せします。

 イメージ図

 

いかにたくさんの会社が出展しているかがお分かりいただけるでしょうか。図の上と右にあるグレーの丸は、8人程度が座れる丸テーブルです。この丸テーブルは、ASTDが用意したランチを食べる場所にもなりますし、参加者同士の情報交換の場にもなります。実際はこのような感じです。

 イメージ図

 

EXPO会場には、コンテンツベンダーはもちろんのこと、LMSベンダー、SNS・テスト・アンケート・評価などのサービスを単体で展開している企業、コンサルティング会社、大学などがひしめいていて、セッションの合間をぬって最新技術やサービスを見に来る人たちがたくさんいます。
ASTD側もなるべく人が集まるように配慮していると思われ、展示会場で抽選会を開いたり、ランチ会場を併設したりしていました。

<とにかく「短編動画」、小さいシステム>

私がEXPOで見たかったのは、米国で主流のeラーニングコンテンツはどのようなものか?そのビジネスモデルはどうなっているのか、ということでした。
コンテンツについては、作りこみのしっかりしたものはほぼ子供用の学習コンテンツと言ってよいでしょう。一方、いわゆるアダルトラーニングと呼ばれる大人が学習するコンテンツは、短編動画のコンテンツがほとんどでした。大人用であってもFlash® などの音声と動画で作りこんだコンテンツも多少はあるだろうと思っていたのですが、目立つ展示はありませんでした。EXPO会場では、日本でも割と知名度のある「lynda.com」でデモを見せてもらいました。5分程度の動画コンテンツが何百とあるとのこと。そのコンテンツの数は魅力的ですが、選ぶのに迷っちゃうだろうなぁというのが正直な感想です。どうやって膨大なコンテンツと、受講者が必要とするものをマッチングさせるか、今後の付加サービスや仕掛けが重要なポイントになると思われます。「キュレーション」が解の一つかもしれません。当社でも先日e講義動画をリリースしまして、少しずつですがお客様も増えてきています。短時間の動画コンテンツに追い風が吹いていると感じました。
コンテンツとは別に、テストやアンケートのみを切り出したサービスを展開している企業もいくつもありました。テストの会社を例に挙げると、いわゆる良問を作るためのノウハウやコンサルティングを生業とし、他のシステムと連携することがベースになっているという形です。技術革新が早い業界で、コンテンツの管理・申込・配信・テスト・アンケート・評価などを全て網羅するのは、時間的にも体力的にも難しくなってきています。よりフットワークを軽く、お客様が欲しいものをすばやく提供するには、どこか得意分野に特化する必要がでてきた結果だと思われます。

<ASTD の大きなチェンジ>

ところで、「今回のASTDは大きな発表を控えている」と随所でアナウンスをしていました。何が変わったのかとおもいましたら、70年以上続いた団体の名称変更でした。どうりで、ASTD CEOのトミー・ビンガム氏が講演中に「Change!」と連呼していたわけですね。

 

イメージ図

ASTD:American Society for Training & Development
ATD:Association for Talent Development

まず、Americanが取れたことが、最大の変化です。これはまさにグローバル化を名前から宣言したということでしょう。また、TrainingではなくTalentになりました。単なる研修(training)のみならず、能力・人材(talent)引き出し、「人間」としての成長・パフォーマンスに貢献していくという姿勢の表れだと思われます。
今回のカンファレンスが始まったときは、ブルーとグリーンを基調とした案内板や飾り付けでしたが、これが発表された翌日(最終日)には、赤・オレンジ基調の新しいロゴに全て変えるという演出にも驚かされました。

イメージ図

新ロゴの会場(ASTDインターナショナルネットワークジャパンより)

<ASTD 2014 ICE に参加して>

今回のASTDカンファレンスで、私なりに注目したキーワード「ニューロサイエンス」、「キュレーション」、「チェンジ」を中心にご紹介してまいりましたが、実は新鮮だったことがあともう一つありました。それは「グローバル」です。
グローバル人材の育成は、よく取り上げられるトピックスの一つです。これは日本が島国ゆえに、日本だけが取り残された問題かつ、国際社会の一員として突きつけられた問題だと思っていました。しかしながら、ASTDカンファレンスでもそれを扱ったセッションがあって、研究を重ね、意見を交換している場面を見ました。また、ASTDでさえも、「アメリカ」に固執せずグローバル化を狙って、団体名を変更しています。グローバル化は日本だけの問題ではなく、また日本もグローバル人材とは何かと語ることに引け目を感じる必要がないのだと認識を改めました。カンファレンスに参加した意義を強く感じたことの一つです。

 

<番外編:英語>

ASTDカンファレンスはもちろんのことながら、全て英語です。またセッション中は、「じゃぁこの件について、近くの参加者とちょっと話し合ってみてください。」と言われることの多いこと。セッション中に少なくとも1回は、隣に居合わせた人たちと話すことになります。では私自身がネイティブ並みに英語に困らない人間かというと、逆です!たとえば、参加したいセッションの部屋を覗いたときに、丸テーブルで複数名が座れるようにセッティングされていると、「これは参加者同士の意見交換が多いぞ、まずい。」と大変焦るレベルです。
けれども居合わせた人たちがみな親切なのです。前回の参加時に「英語はほとんどしゃべれない」とだけ言ったところ、周りの人たちに「みんなの母国語が英語ってわけじゃないもの。間違っても大丈夫よ!」と言ってもらって、「英語だけが言語じゃないんだ、下手でもいいんだ!」と目から鱗でした。今回はちょっとがんばって、話を聞くだけではなく、自分からも話していきました。異なる文化の人と話すのは、新たな気付きがあって面白いものです。
また、英語ができなければASTDに行く意味はないか?と問われると、そんなことはありません。同時通訳の有償サービスがあります。全てのセッションというわけではありませんが、基調講演やいくつかのセッションでは、日・韓・中の同時通訳が入ります。英語に少々心もとない方は、同時通訳を利用するのもいいかもしれません。もし、ASTDカンファレンスに参加するチャンスがあるならば、英語にはひるまずに多くのことを体験していらっしゃることをお勧めします!

<番外編:アイスクリーム>

カンファレンスは、何もセッションばかりが詰まっているわけではありません。なんと「アイスクリームブレイク」というものがあります。カンファレンスに登録したときにもらうIDに、アイスクリーム券が1枚入っているんです!これもEXPO会場に足を運んでもらう施策の一つだとは思いますが、みんなまんまとアイスクリームをもらいにこぞって長蛇の列に並びます。アメリカ人はアイスクリームが大好きですからね。セッションでの素晴らしい体験を互いに語り合いつつ、みんなでアイスクリームをほおばるのでした。
そうそう、アイスクリームブレイクの直前のセッションで知り合った女性から、「アイスに行く前に、そこのカフェでデニッシュを食べに行くんだけど、Yukiも一緒にどう?」とお誘いいただきました。たぶんランチもその前に食べていると思うんですけどね。ホントによく食べる人が多かったです!

イメージ図

 図:みんなが楽しみにしているIce Cream Break

 関連リンク

【いま求められる人材】海外マニアの小田が行く、ASTD体験記(1)~いざ、世界最高レベルのカンファレンス、ASTD 2014 ICEへ!~

【いま求められる人材】海外マニアの小田が行く、ASTD体験記(2)~これからのキーワードはこれだ!「神経科学」と「キュレーション」!~

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