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2014年6月記事一覧

こんにちは、富士通ラーニングメディアの今村です。私は普段、「Webアプリケーション開発」や「クラウドコンピューティング」、「タブレットアプリケーション開発」など、トレンド分野のカリキュラム策定や教材開発を担当しています。今回は、クラウド技術者の中で注目を集めている「クラウドデザインパターン」についてご紹介します!

 

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今村可奈(イマムラカナ)
学生時代はパソコン操作よりもブルドーザーやショベルカーで森を切り開いていたことの方が多かったという異色の経歴。入社してからMicrosoftの開発系技術(ほぼ)ひとすじで、講師やカリキュラム企画、教材開発や実際のアプリケーション開発などに携わっている。1児(とても可愛くてナマイキ盛りの女児)の母のつもりだが、もしかしたら2児(メガネの似合うイケメン(主観)アラフォー男児と女児)の母なのかもしれない、と考えはじめている。趣味はカメラとお酒。

 

<クラウドってそもそも何、というおさらいから>

クラウド(またはクラウドコンピューティング)については、既にご存知の方やご使用の方も多いと思います。クラウド(Cloud)は雲を意味する英単語ですが、IT用語としては手元のパソコンやサーバー、スマートフォンなどのローカル環境ではなく、ネットワーク(特にインターネット)越しに別の場所にあるコンピュータ資源をサービスとして提供する形式のことを指します。
たとえば、自社運用中のWebサイトへのアクセスが急増した場合、手元(オンプレミス)だったら、状況によってはハードウェアの購入から行ったり、マシンセットアップを行ったりしてWebサーバーを増強し、アクセス急増に対応する必要が生じます。Webサーバーを増強するまではビジネスや情報発信の機会を損失してしまうかもしれません。しかし、クラウドであればわずか数分でインターネットの向こうにあるサーバーを大量に用意できます。また、基本的にはクラウドサービスは従量課金制ですので、不要になったサーバーリソースを解放することでコストを抑えることもできます。また、クラウドで提供される部分(ハードウェアやデータセンター内のネットワーク、場合によってはOSなど)は、利用者側で管理する必要がありませんので、管理費用面でもコストメリットがあります。

<まぁ、とにかくクラウドにすればいいんじゃないの?>

とても便利そうなクラウドですが、なんでも解決してくれる「銀の弾丸」とは言えません。クラウドはハードウェアの調達が不要なので、初期投資は抑えやすいのですが、サービスを長期的かつ安定的に使用するのであれば、オンプレミスの方がトータルでのコストメリットが生じることも少なくありません。また、基本的にクラウドは「安価なサーバーを大量に並べる」方法で運用されています。そのため、スケールアップ(既存サーバーをスペックアップし、増強すること)に限界がありますし、サーバーを大量に借りれば借りるほど、信頼性を高めやすくなりますが、その分コストがかかりますし。つまり、さまざまな評価軸(コストや可用性、信頼性などなど)に対してトレードオフの関係になりやすいのです。

<クラウドデザインパターンってご存知ですか?>

このように、トレードオフの関係が生じやすいクラウドでは、設計が非常に重要です。 設計の良し悪しが、皆さんの提供するサービスの品質やビジネスに直結します。しかし、オンプレミスと異なり、まだまだクラウドのノウハウは不足している状況です。そこで生まれたのが「クラウドデザインパターン」です。クラウドデザインパターンでは、クラウド利用時の1つ1つの問題に関する解決方法と、その際に得られるメリットや発生するデメリットなどを明らかにしています。パターンの1つ1つは比較的シンプルなものが多いため、提供するサービスやアプリケーションの仕様や制約事項に基づいて、複数のパターンを組み合わせて適用することになるでしょう。

Microsoft社では「Microsoft Azure」というクラウドサービスを提供しており、Microsoft社の実践的な開発ガイダンス群である「patterns & practices」の1つとして24のクラウドデザインパターンを公開しています。他にも、Amazon Web Services(AWS)のクラウドを利用する際のガイドとしてもクラウドデザインパターンの情報が公開されています(Microsoft社による情報公開ではありません)。

<クラウドデザインパターンって注目されているの?>

先日5月29日~30日に、日本マイクロソフト社主催の「de:code」というイベントが開催されました。このイベントでは、2日間にわたって、約80のさまざまなジャンルや製品の技術セッションが行われました。この中で、先述の「patterns & practices」として公開されたクラウドデザインパターンについての2つのセッションが、最も大きな部屋で開催されました。注目度も高く、セッションはほぼ満席の状態でした。このセッションでは、Microsoft社の「patterns & practices」の一員で、クラウドデザインパターンの執筆にも携わった成本氏がセッションを行い、20のパターンを説明しました(全24に対し、4つ足りないのはセッション時間の関係だそうです)。


<クラウドデザインパターンの日本語版書籍を監訳しました!>

このMicrosoft社のクラウドデザインパターンは英語版が無償で公開されており、誰でもPDF形式でのダウンロードが可能です。しかし、「日本語で読みたい!」という声が上がっていたため、日本マイクロソフト社とMicrosoft Azureのユーザーコミュニティの有志メンバーで監訳をし、市販書として提供することになりました。
私もユーザーコミュニティの一員として、クラウドデザインパターンの監訳作業に携わりました。
「クラウドデザインパターン Azureを例としたクラウドアプリケーション設計の手引き」の書名にあるように、例ではMicrosoft Azureを使用していますが、他のクラウドサービスをご利用中または検討している方にも、読んで活用していただける内容です。

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ちなみに、本書はde:code会場で先行発売されましたが、2日間のイベント期間中で1番多く売れた本だったそうです。

<クラウドデザインパターン、興味はありませんか?>

クラウドも、評価や試用といったフェーズから実際の業務利用や大型利用が進み、設計知識に関するニーズが増えてきています。こんなときのパターンが知りたい!こんな問題解決をしたい!など、皆様のお声(ご要望・ご意見)をぜひお聞かせください。

⇒ (アンケートは終了しました)

 

クラウドがはじめてという方には、以下のコースもオススメです。
初めてのクラウド技術 (UBS02D)

クラウド技術の基礎(UBS34L)

先進事例から探るクラウド利活用 ~新しいビジネスを考える~(UBS52L)

 

最後に当ブログの名物コーナー(?)であるオススメ書籍のご紹介です。今回はもちろんブログ内でご紹介した書籍を挙げておきます。
『クラウドデザインパターン Azureを例としたクラウドアプリケーション設計の手引き』
著者:Alex Homer, John Sharp, Larry Brader, Masashi Narumoto, Trent Swanson
監訳:日本マイクロソフト, Japan Azure User Group
出版社:日経BP社
(ISBN:978-4-82229-833-3)

みなさん、こんにちは。
富士通ラーニングメディアでeラーニングの企画・運営を担当している小田です。

今年もASTD(American Society for Training & Development;米国人材開発機構)の主催するカンファレンス(ASTD International Conference & Exposition;人材開発国際会議)が、2014年5月4日(日)~7日(水)に米国ワシントンD.C.のワシントンコンベンションセンターで開催されました。今回ASTDカンファレンスに参加しましたので、先週にひきつづき最新情報などをお伝えしてまいります。

 

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第一ラーニングサービス部:小田 有希子

eラーニングの企画・運営担当。元は大手電機メーカー情報システム部の社内SE。ギークというほどではないが、新しいwebサービスが気になる性格で、保持しているSNS上のアカウントはFacebook、LinkedInをはじめ十数個。英語の技量はともかく、海外が大好き。もちろんeラーニングも大好き!

さて、今回は、セッションで気になったキーワードの中から、今回最も注目度が高かったと思われる「ニューロサイエンス」と「キュレーション」について、ご紹介します。


<ニューロサイエンスって、人材開発とどのへんが関係あるの?>

「ニューロサイエンス」は、「神経科学」と訳されます。リケジョとは程遠い私からすると、科学のチカラが人材育成にどのように関係するのか、さっぱり想像できませんでした。しかしながら、セッションの様子をあとから聞いたり調べたりすると、なるほどと思う部分も多数ありました。

 

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 セッションの様子

学びの分野でのニューロサイエンスは、学習やパフォーマンスに影響を与える脳の特性やパターンを理解し、記憶と感情の関係性を紐解くことを人材育成に活用するものです。たとえば、記憶には短期記憶と長期記憶の2種類があり、長期記憶に残ることで行動に現れるそうです。長期記憶に定着させるには、ある一定期間を置いて復習したり、クイズなどの違った形で再度学習することが有効であるとわかっています。またこのとき、学習者のポジティブな感情が加わると、長期記憶の強化につながるとのこと。今後この分野の研究がさらに進んでいくと、従業員のパフォーマンスを効率よく向上させるためには、メンタリングやコーチングについても重要視されるかもしれませんね。

<キュレーションサービスって、どんなものなの?>

「キュレーション」という言葉は、最近になっていろいろなところで見かけるようになりました。本来キュレーターとは、美術関連の「学芸員」に近いもので、美術館や博物館でどの美術品をどういう切り口で展示するかをプロデュースする人たちのことを指します。では、情報社会におけるキュレーションとは何でしょう。
あるセッションで、「web検索をして、自分にとって有益であろうとなかろうとヒットした結果が"コレクション"だとすると、"キュレーション"ってなんでしょう」という問いがありました。そこでの答えは、「コレクションは、その分野の有識者がある切り口で集めたり、一言を添えたりすることで付加価値がつきます。その付加価値のついた情報を提供するのがキュレーションです。」というものでした。キュレーションの考え方や技術を利用すれば、膨大な情報から学びたい人が学びたい内容を的確に把握し、効率よく選択できるようになるかもしれません。
キュレーションサービスを提供している会社は既にあるとはいえ、ビジネスとしてはまだ確立されていない状態のようなので、今後の業界動向から目が離せません。当社としても取り組んでいきたい分野の一つです。

この「ASTD 2014 ICE」で注目を集めたセッション/基調講演、人材開発・組織開発のトレンドや方向性などをご紹介する無料セミナーも開催いたします。ぜひ、こちらもご参考にどうぞ!

【無料セミナー】ASTD 2014 ICE から見えた「世界の人材育成のトレンド」  (7月29日、8月4日開催)

 

さて、最終回では、EXPO会場で見たこと、感じたことを中心にご紹介いたします。

 

みなさん、こんにちは。
富士通ラーニングメディアでeラーニングの企画・運営を担当している小田です。

今年もASTD(American Society for Training & Development;米国人材開発機構)の主催するカンファレンス(ASTD International Conference & Exposition;人材開発国際会議)が、2014年5月4日(日)~7日(水)に米国ワシントンD.C.のワシントンコンベンションセンターで開催されました。今回ASTDカンファレンスへの参加の機会がありましたので、当ブログにて全3回にわたり最新情報などをお伝えしてまいります。

 

講師画像

第一ラーニングサービス部:小田 有希子

eラーニングの企画・運営担当。元は大手電機メーカー情報システム部の社内SE。ギークというほどではないが、新しいwebサービスが気になる性格で、保持しているSNS上のアカウントはFacebook、LinkedInをはじめ十数個。英語の技量はともかく、海外が大好き。もちろんeラーニングも大好き!

<世界最高レベルのカンファレンス、ASTD 2014 ICE>

ASTDカンファレンスは、研修・人材開発に関する最新トレンドやベストプラクティスを、熱い志を持った参加者と共に体験し、学ぶことができる場です。ここで発表された内容は今後主流になりうるということで、世界中の人材育成担当者や高等教育機関・行政機関のリーダーが注目する国際会議です。人材開発業界の思想的リーダーやイノベーターが発表するセッションが約300、EXPOには400社もの企業が最新の技術やツールを引っ提げて出展します。
実は、私は今回で2度目の参加でした。前回はリーマンショック以前の2008年で、たったの6年前ですがiPadなどのタブレット端末もありませんでした。そのときは、ただただその規模と本格的な英語のセッションに圧倒されて帰ってきたというのが正直なところです。今回はアメリカの主流は何か、世界の人材育成に携わる人は何を考えているのかを見聞きして、しっかり日本に持ち帰ろうという気持ちで渡米しました。

<アメリカからすれば、「外国人」な私>

ところで、カンファレンスの参加者のうち、私のような外国人はどれぐらい来ていたと思いますか?
今年の全体参加者数は10,500名、そのうち米国以外からの参加は92か国の2,250名だったそうです。会場には、米国外から来た人たちのために、自国・他国を問わずにネットワーキング(交流会)ができるGlobal Villageという場所があります。そこでは、日本語でも英語でもない言語が飛び交い、肌の色がみんな異なり、世界中から人が集まっていることを実感できます。 下の写真は、ASTDカンファレンス恒例の名刺を貼り付けるボードです。面白いのは日本のあたりです。地図の右端を見てみてください。(ヨーロッパが中心の地図です!)日本だけ、他の人の名刺に重ならないようにぴしーっと並んでいるのがわかりますか?こういうところにお国柄が出るのかもしれません。ちなみに、日本からは136名の参加があったそうです。

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ASTDカンファレンス恒例、名刺を張るための世界地図

<ASTD 2014 ICE の注目の分野、それは・・・?!>

セッションは一日に3コマあり、それが4日間続きます。1コマに平均20セッションが同時開催している状態ですから、1人で参加できるのは最大12コマとなります。時間的にも重複しない12を選ぶのはなかなか悩ましかったのですが、セッション名や概要を読み個人的に気になった単語がいくつかありました。「リーダーシップ」、「キュレーション」、「ニューロサイエンス」、「ビッグデータ」といったところです。
余談ですが、「~をするための4つの方法」、「~のための5つのやり方」といった数字をタイトルに使っているセッションは魅力的でした。そこだけ押さえれば、そのセッションの肝は押さえられるという安心感からくるものです。日本のビジネス書でもよく見かけますよね。アメリカでも同じなんだなぁと思いました。

さて、次週は、いくつか挙げたキーワードから、今回最も注目度が高かったと思われる「ニューロサイエンス」と「キュレーション」について、ご紹介します。

 

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