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【いま、求められる人材】当社社員の学びのチャレンジ~社会人修士課程での挑戦【嶋田編】~

[2013年10月10日]

みなさん、こんにちは!

富士通ラーニングメディア ブログ担当です。

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当社では社内の人材育成の取り組みの一つとして、2007年より毎年1~2名の社員を選出し、熊本大学大学院で学ばせています。今回のコラムでは、2011年度から2年間、熊本大学大学院でシナリオ型教材作成支援手法について研究をしていた嶋田に、研究テーマや論文の内容、研究を通して得た気づきなどについて語ってもらいました。

「まずは、嶋田さんの現在の仕事内容について教えてください。」      

嶋田:

eラーニングサービス事業部でeラーニングコンテンツの制作を担当しています。
お客様のニーズを伺いながら制作する受託コンテンツ制作から、当社オリジナルコンテンツの制作まで行っています。

 「嶋田さんの熊本大学大学院での執筆論文のテーマは、「ゴールベースシナリオ(GBS)理論の適応度チェックリストを活用したシナリオ型教材作成支援手法の提案」ですが、どのような内容か簡単に教えてください。」

 嶋田:

eラーニングなどの自己学習教材の学習効果を高めるためには、学習者主体で、かつ能動的な学習を促す教材設計が必要です。これを実現するために有効な教材としてシナリオ型教材というものがあります。

シナリオ型教材とは、ストーリーに沿って学習する形式の教材の1つですが、ストーリーを読むだけで学習する形式の教材とは異なり、学習者はストーリーの中で与えられた使命を果たすために、各シーンで状況判断を迫られます。そしてその判断結果によって後続のストーリーが変化するという特徴があります。学習者は、自分の状況判断によって展開される現実に起こりそうなストーリーを教材の中で疑似体験することで、ストーリーを読むだけの教材よりも高い学習効果を得ることができます。しかしながら、状況判断によって後続のストーリーが変わる形式のシナリオの作成は難しいため、シナリオ型教材の作成は容易ではありません。

GBS理論はシナリオ型教材のシナリオを作成するために有効な理論であり、作成したシナリオ型教材がこの理論に適合しているかどうかを確認するためのチェックリストが先行研究「ゴールベースシナリオ(GBS)理論の適応度チェックリストの開発」(根本・鈴木 2005 日本教育工学会論文誌 29(3), 309-318, 2005)で開発されていましたが、シナリオ型教材の作成そのものを容易にする手法は確立されていないのが現状でした。

そこで本研究では、先行研究で開発されたチェックリストを普段私たちが作成することが多い、いわゆる紙芝居的な教材(非シナリオ型教材)に適用することで、非シナリオ型教材からシナリオ型教材を作成できないかを検討しました。普段作成している教材からであれば、作成の負荷が軽減されるのではないかと考えたからです。本研究では、非シナリオ型教材の素材からシナリオを作成する際に必要になる情報や問題点を明らかにし、シナリオ型教材の作成を容易にする手法を提案しています。

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「なぜそのテーマを選んだのでしょうか。」

嶋田:

先ほどお話ししたように、学習効果が高いと言われるシナリオ型教材の制作は難しく、その制作には毎回、多大な時間を要するにもかかわらず、学習効果が担保された効率的な手法が十分に確立されていないという思いがありました。この課題を根本的に解決することは容易ではありませんが、論文のテーマとして取り組むことで、課題の一部でも解決できる手法が提案できればと考えました。

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「なぜ熊本大学大学院で専門的に学ぶことを志したのでしょうか」

嶋田:

常日頃から、学習効果の高いコンテンツを制作するためには、個々の画面をきれいに制作するだけでは不十分であり、コンテンツ全体の構成や内容の設計をしっかり行わなければならないという思いがありました。しかし、そのために必要なインストラクショナル・デザインの理論やその実践方法について深く学んだことがなかったため、これらの基本をしっかり学び、お客様を説得できるだけの十分な知識と理論的な裏付けを身に着けたいという思いが次第に強くなりました。

毎年、当社から熊本大学大学院で学ぶ人を見ていて、自分もいつか機会があれば入学してみたいと思っていましたが、なかなかふんぎりがつきませんでした。ですが、当時在学中だった部長が、私の上司になったきっかけで、いろいろお話を伺っていたら、いつの間にか入学していました。(笑)

 「働きながら研究し、論文を書いていくというのは本当に大変だと思います。これが一番苦労したという点があれば教えてください。」

嶋田:

一番苦労したのは、テーマを何にするかということです。

自分のやりたいと思っている漠然としたアイデアを具体的にどのように進めて、どこをゴールにするかを決めるまでに苦労しました。テーマは与えられるものではありませんので、自分が関心がある領域の中から選べばよいのですが、一方で修士論文には時間的な制約もありますので、選んだテーマをどこまで掘り下げて論文としてまとめるかを決める必要があります。テーマは1年次の最後に決めてはみたものの、その時点ではどこまでできるかまったく見当がつかなかったので、研究を進めていく中で、最終的なゴール(落としどころ)を探りました。

「テーマを決めるまでは生みの苦しみだったのですね。そんな苦労を乗り越えて研究をしてきて得たもの、これは良かったと思えたことなどを教えてください。」

 嶋田:

熊本大学大学院で履修したインストラクショナル・デザインをはじめとする科目で学んだ知識をフルに活用して、自分で選んだ研究テーマを掘り下げ、自分なりの考えを論文としてまとめることができたことです。

論文執筆で得られた経験は、お客様にインストラクショナル・デザインについて説明する際の大きな自信になると思います。

また、論文でまとめた内容は、今後の当社のeラーニング制作に活用できればと思っています。

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「仕事に研究にと非常に充実された期間を過ごされたようですね。最後にお伺いします。仕事をする際、どのような時にやりがいを感じますか?」

嶋田:

お客様に喜んでいただけたときです。

お客様から依頼されたeラーニングコンテンツが完成したときに、お客様から「期待したとおり(またはそれ以上の)コンテンツができた」とおっしゃっていただけることがありますが、そのときは本当によかったと思います。

研究の成果で、お客様に喜んでもらえる仕事をどんどん達成してほしいものですね。

みなさん、いかがだったでしょうか?

論文は下記サイトからダウンロードいただけますので、ご興味がある方は、ぜひご覧ください。

https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/contact/form/paper04-dl.html

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