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2012年9月記事一覧

みなさん、こんにちは!富士通ラーニングメディアの佐藤です。ビジネス・ヒューマンスキル分野の講師を担当しています。

今月は、当社が考える「階層別研修のあり方・考え方」について、私がこれまで携わった階層別研修の事例なども踏まえながら、4回にわたりお届けしてきました(毎週木曜日掲載)。

最終回となる今回は「階層別研修の運営・運用事例」をご紹介します。

さて前回は、階層別研修のコンセプト作りとプログラムの設計方法についての考え方を、当社の事例をもとにお伝えしました。
しかしこの考え方をもとに策定した研修も、運営・運用次第で効果に差が出ます。
自社の現状に合わせて、当日の研修運営や研修前後の運用での工夫が必要になります。

<研修は、実施前から始まっている>

研修実施前には、企画側から、上司および受講者に対する動機づけが欠かせません
特に上司に対しては、研修のコンセプトやプログラムの内容を詳細に説明し、受講の必要性を認識してもらいます。

また受講者に対しては、研修概要を説明し、受講目的を認識してもらいます。
事前課題を付与してもよいでしょう。

受講者に対する「動機づけ」とは、研修受講に際してのモチベーションアップだけではありません。
研修がスムーズにスタートできるための意識醸成も含まれます。
つまり、新たな階層における役割や、上司(または組織として)の期待をしっかり認識したうえで受講に臨むように促すのです。
研修を効果的なものにするためには、受講者全員が同じスタートラインに立つことがポイントです。

あるお客様では、登用時に執筆した論文を読み返し、自らの貢献価値を整理するという事前課題を行っています。
これにより、論文の書きっぱなしを防ぐだけでなく、昇格時の初心に戻って研修をスタートさせることができます。

上司から役割や期待を伝えることは、本来は研修とは無関係に行われるべきです。
しかし、実際にはまったく行われていないか、行っていたとしても上司からの一方的な伝達で、十分とはいえないケースが多いようです。
企画側としても、今まで行ってこなかったことを急に『やってください』と言っても、運用が難しいようです。

そこで、階層別研修を1つのきっかけとして、コミュニケーションの場を作る仕掛けを用意しておくことも1つの方法です。
その方法は「上司から部下への手紙」です。
研修前に、上司が部下の役割と期待を手紙にしたためます。
ここではあえて手紙を書いたことを部下には伝えません。
プログラムの中で講師から受講者へ手渡し、手紙の内容から自分の役割と期待を認識させます。

そして研修後に、受講者が上司に受講報告を行い、双方の認識を刷り合わせます。
このような仕掛けにより必然的にコミュニケーションの場を持てるようにするわけです。

20120927_02
<運営の際に留意したい3つのポイント>

プログラムの内容にもよりますが、ディスカッションを中心とする場合には、特に次の3点に留意する必要があります。

1)ファシリテーターの存在
ディスカッションは受講者が主体となって進行しますが、受講者に任せっぱなしにすると、研修の目的を見失うことになりかねません。
たとえば、「リーダーとしての価値とは何か」というテーマでのディスカッションを行った場合、受講者間でそもそもの価値認識が異なり、議論が発散して終了することが起こりえます。
議論をきれいにまとめる必要はありませんが、ファシリテーターが研修目的を見据えて方向性を示したり、「議論が停滞している」、また「表面的な意見しか出ていない」場合にはさまざまな呼び水を与えたりして、議論の質を高めていきます。
社内で研修を実施する場合、ファシリテーターは受講者と同じ階層にいる先輩で、上位階層を目指している人がよいでしょう。

2)議論の「見える化」
ディスカッションで挙がった個人の意見は、本人だけでなく、周囲のメンバーにとっても重要な気づきとなりうるものです。
そこで、各自の発言はすべて 「見える化」しておくようにします。
一見、あまり重要ではないと思われる意見も、ディスカッションを深めていく中で、実は重要であったということもあります。
ホワイトボードやカードを活用し、終日、目が届くところに掲示しておきます
研修終了時の振り返りの際も活用でき、また企画側としては、受講者のレベルを確認するための参考になります。

3)本音で語り合う環境作り
ディスカッションの最中、事務局(人事部または人材育成部門)が受講者の様子をグループ単位で見回ることはよくあることです。
しかし、ファシリテーターではない限り、議論に口を挟むことは避けるべきです。
なぜなら、これまで受講者同士で積み上げてきた雰囲気を壊してしまう恐れがあるからです。
また、研修実施中の上司や経営層の途中入室も避けるべきです。ディスカッションは本音で行うことを前提とします。
上司や経営層が見守る状況では、受講者は本音が言えず、萎縮してしまう恐れもあるからです。

ディスカッション以外のプログラムで、研修終了直前に1人ずつ「行動宣言」をし、VTRに記録することを行っているお客様がいらっしゃいます。
受講者の取り組みをより真剣なものにするための工夫として、一定の効果があるようです。

<効果が続く研修にするために>

階層別研修においては、目的別の研修以上に実施後の運用が重要となります。
なぜなら、役割や期待に応えるためのアクションや自分自身の能力開発が、中長期的に、そして広範囲に及ぶためです。
研修実施後にまず行うべきことは、受講者とその上司とで提供価値と能力開発の方向性を共有することです。
前項目でまとめた3つのポイントのとおり、受講報告とあわせて、コミュニケーションの場を持つとよいでしょう。
これは、企画側が受講修了の要件として、義務化しておくべきです。

研修実施後の運用は、原則として現場の育成方針に合わせて現場で行います。
しかし、日々の業務に忙殺されて、育成が滞るケースも見られます。
そこで、企画側としては一定時期に「リマインドメールを送る」、「アンケートを実施する」などの地道な支援を行うことが必要です。
あるお客様では、社内の目標管理制度を運用するうえで、研修中に受講者が記載した「能力開発計画書」を、必須書類の1つとされています。
研修と制度をリンクさせることで、研修の形骸化を防いでいます。
また、前項目の最後にご紹介した、行動宣言をVTRに記録したお客様では、全社サーバ上で行動宣言を公開し、受講者が実践に移さざるを得ない環境を作っています。

階層別研修の運用・運営は、組織の風土や状況が異なるため、「こうすれば効果が高まる」という正解はありませんが、ちょっとした工夫で研修の価値が高まるものです。

さて今月は、「階層別研修のあり方・考え方」をテーマに、4回にわたりお届けしてきました。いかがでしたか。
みなさんの組織における階層別研修が、自社の階層としてふさわしい人材を育成する場となり、新たな価値を創出できるきっかけにしていただけますと幸いです。

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みなさん、こんにちは!富士通ラーニングメディアの佐藤です。ビジネス・ヒューマンスキル分野の講師を担当しています。
今月は、当社が考える「階層別研修のあり方・考え方」について、私がこれまで携わった階層別研修の事例なども踏まえながら、4回にわたりお届けしています(毎週木曜日掲載)。

3回目となる今回は「階層別研修の設計のポイント(コンセプトとプログラム)」についてお伝えします。

さて前回は「階層別研修に対する人材育成部門のかかわり方」について、企画・運営上の課題とそれに向けた取り組みについてお伝えしました。
階層別研修の形骸化を解消し、意義のある研修とするには、現場と企画側とが同じベクトルを向いて、双方が協力する体制を構築していくことが肝要です。
しかし、理屈は分かっていても、最終的には研修プログラムの内容がベースとなるため、研修の成否は内容に対する納得度に左右されます。

<能力開発の対象を大別すると・・・>

組織における能力開発(=人材育成)の対象は、一般的に「全社」「階層別」「職種別」「目的別」の4つに大別できます。
それぞれの対象に応じて、必要となる能力※を、効果的な施策を通じて開発していきます。
能力開発の手段が研修であれば、全社研修、階層別研修、職種別研修、目的別研修と呼ばれます(下図参照)。

※能力については、第2回の<企画側と現場の意識のギャップは、どう埋める?>をご参照ください。

【組織における能力開発の対象】

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<階層別研修の定義とコンセプトとは?>

階層別研修は、社内の階層ごとに実施される研修であり、一般的には「立場・役職・役割(またはそのレベル)が変わる節目で行う成長機会の場」と定義することができます。

階層別研修を企画する際には、まず、この定義と自組織の現状を踏まえ、コンセプトを打ち出す必要があります。
コンセプトは階層別研修を貫くものであり、プログラムを設計する際にも、また現場へ説明する際にも、拠り所となります。
さて、読者のみなさんが所属する組織での階層別研修のコンセプトは何でしょうか?

ここで当社が考える階層別研修のコンセプトをご紹介します。

現在、組織(企業)を取り巻く環境が劇的に変化している中で、新たな環境への対応と新たな価値創出が求められています。
組織が新たな価値を生み出すためには、社員1人1人が課題意識を持ち、主体的に価値を生み出すことが必要です。
この価値は立場・役職・役割(またはそのレベル)によって異なるものです。

また、階層ごとに求められる役割やスキルの多くは、世の中の動向とともに流動的に変化するものです。
したがって、立場・役職・役割(またはそのレベル)が変わる節目で学ぶべきことは、「役割を果たすための個別のスキルやその活用方法」ではなく、「役割を果たすための意義や必要となる能力を自ら学ぶ姿勢」であるといえます。
以上の点を踏まえ、当社では階層別研修のコンセプトを『自らの価値を向上していくための体質づくり』としています。

<研修プログラムの設計~いかにコンセプトを盛り込むか?>
さて、コンセプトが明確になれば、そのコンセプトに沿ってプログラムを設計します。
当社のコンセプトを事例に考えてみましょう。

まずはコンセプトの核となる「価値」の定義が必要です。
価値とは一般的にモノの値打ち、希少性、利便性を意味しますが、ビジネスにおける個人の価値とは、「相手によい影響を及ぼす自分自身の行動や思考」ととらえることができます。
お客様や受講者の方から、「組織に成果をもたらすスキルを有していること」がその人のビジネス上の価値ではないかとよく問われますが、いくらスキルを有していたとしても、発揮できなければ意味がありません。
つまり、保有しているスキルを活かして相手によい影響を与えて、はじめて、組織に成果をもたらすことができるわけです。

次に、コンセプトをもとに研修目的を設定します。
研修目的はコンセプトを研修期間内で実現できる具体的な学びに落とし込んだものです。
階層別研修の定義や人の能力・育成方針なども踏まえて検討します。当社では研修目的を次の3つに設定しました。
1)自らの内的ドライブ動機(自身をゆり動かす源泉)を発見する
2)期待・役割に対する提供価値を創造する
3)自らの価値を高め、組織に貢献していくための能力開発力を形成する

最後に研修目的を達成するためのプログラムを設計します。
一般的に、研修プログラムは講義、演習、またはその組み合わせから成り立っています。
上記の研修目的は、発見・創造・形成という「自らの答えを生み出す」特性を有していますので、講義による指導ではなく、演習を中心に組み立てます。
さらに集合教育のメリットを活かすために、個人演習ではなく、ディスカッションを中心とした演習を採用します。
ディスカッションを行うことによって、受講者同士の主体的な発言を促し、自らの価値を自らの言葉で紡ぎ出すことを狙います。
このようにして設計されたプログラムが以下の内容です。

【階層別研修の概要】
コンセプト:『自らの価値を向上していくための体質づくり』
研修目的:
1)自らの内的ドライブ動機を発見する
2)期待・役割に対する提供価値を創造する
3)自らの価値を高め、組織に貢献していくための能力開発力を形成する
研修内容:本音で語り真剣に考え抜くディスカッションをベースとして、自らの答えを自らの言葉で紡ぎ出していく

【研修内容】

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このように、階層別研修の定義と自組織の現状を踏まえて明確なコンセプトを打ち出し、具体的なプログラムを設計することが、現場・企画側双方にとって納得感と意義のある研修となる第一歩です。

最終回は「階層別研修の運営・運用事例」をご紹介します。

※次回は9月27日にお届け予定です。
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みなさん、こんにちは!富士通ラーニングメディアの佐藤です。主にビジネス・ヒューマンスキル分野の講師を担当しています。

今月は、当社が考える「階層別研修のあり方・考え方」について、私がこれまで携わった階層別研修の事例なども踏まえながら、4回にわたりお届けしています(毎週木曜日掲載)。

2回目となる今回は「階層別研修に対する人材育成部門のかかわり方」についてお伝えします。

さて前回は「階層別研修に対する上司のかかわり方」について、部下に期待や役割を認識させること、また上司自身が研修内容を熟知したうえで、研修後の育成方針を踏まえて送り出すことの必要性をお伝えしました。
ただしこれらは、階層別研修(または関連施策)の内容や仕組みを、現場が納得できる形で確立され、また伝わっていることが前提となっています。

ところが実際は、階層別研修を企画・運営する人材育成部門においては、以下のような課題を抱えており、現場とのギャップが生じているケースもあるようです。
・各階層にふさわしい人材像が定義されているものの、現場に浸透していない
・ここ数年、階層別研修の内容が変わっておらず、陳腐化しているとの認識はあるが、どこからリニューアルをしたらよいのか分からない
・研修実施時に受講者のモチベーションが上がらず、受講者が研修内容を本当に理解できているのかよく分からない

<階層別研修の目的は、スキル修得ではない?>

B社の山田部長と小林課長は来年度の階層別研修について話し合っています。
次の会話を読んで、みなさんはどのように思いますか?
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~階層別研修を企画・運営している人事部の、山田部長と小林課長との会話 その1 ~

山田部長:先日の部長会で、来年度の階層別研修を、今年の内容を踏襲する方向で実施するという説明をしたのだが、現場の部長から若年層の研修に対して批判や要望が相次いでね。
「この忙しい最中、3日間も研修には割けない」「どうせやるなら、論理思考を強化してほしい。最近の若手はロジカルに考えられない」「受け身の体質が蔓延しているので、払拭したほうがよい」といった具合なんだ。そこで、研修内容を見直すことになったのだよ。

小林課長:これまでの研修が、現場の実態に合っていないということでしょうか。確かに3日間は長いですね。
これは運営で何とかカバーすれば2日間に短縮することができそうです。論理思考は新たな研修のテーマにするとしても、受け身の体質を払拭する、というのは、なかなか難しい課題ですね。

山田部長:そうなんだよ。受け身の体質は研修というより、OJTを通して現場で徐々に改善させていく話だからね。

小林課長:そういえば先日、研修会社のロジカルシンキングセミナーに行ったときに、よい研修だと思いました。
期間も2日間ですし、演習が中心なので、受講者は主体的に取り組めます。研修の冒頭で、部長から若年層の役割を伝える時間を確保できれば、Win-Winになるのではないでしょうか。

山田部長:内容はともかく、一度、話を聞いてみるか。
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能力とは一般的に「スキル」「行動特性/思考特性」「動機」の総体です。
組織においては、各々の特徴を効果的にうながしていくことを狙いとした施策を立て、人材育成を行っていく必要があります(下図参照)。

                  【能力と育成方針の関係】

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育成対象者は、期待や役割が変わる節目において、まず自分の行動の源泉となる「動機」や「行動特性/思考特性」にフォーカスします。
そして、どのようにすれば新たな期待に応えられ、役割を果たせるかを考え、自分なりの解を見出していくことが必要です。
その中で、「自分自身に不足している知識やスキルを把握し、どのように能力開発をしていくのか」を認識させるところまでを階層別研修で実施します。

論理思考などの固有のスキルは各自の判断で必要に応じて身に付けていけばよいのです。
したがって、階層別研修において、ある固有のスキルをテーマとするのは得策ではありません

少し大げさかもしれませんが、「みなさんにはこのスキルが必要だから学習しなさい」という与えられた研修では、受講者のモチベーションは上がりません。
また、既にそのスキルを修得している受講者にとっては、残念ながらあまり意味のない研修になりかねません。

<階層別研修、成功のカギは?>

研修会社のロジカルシンキングセミナーについての話を聞いた山田部長。来年の階層別研修に取り入れるべきではないと判断したようです。
いったい、なぜでしょうか?
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~階層別研修を企画・運営している人事部の、山田部長と小林課長との会話 その2 ~

山田部長:確かに研修の内容はよさそうだが、これではロジカルシンキング研修そのものになってしまうね。
若年層研修では、やはり彼らに求められる役割をしっかり認識してもらったうえで、当社の若手としてどう振る舞うかを学んでほしいよね。

小林課長:そうですね。カリキュラムについては、もう一度、若年層の人材像定義書に立ち返って検討しましょう。
それはそうと、研修の運営についても考えなければなりませんね。前回の研修では、アンケートに「上司からとりあえず行けと言われたから来た」「人材像定義書の内容について上司と会話していない」「研修内容を業務でどう活かせばよいか分からない」という意見が多く挙がっていました。

山田部長:部長会でも、研修が活かされていないということが話題に出ていたよ。

小林課長:企画側と現場の意識のギャップは、どの研修でも課題ですね。特に階層別研修では、現場を巻き込む工夫が必要だと思います。
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「現場の協力が得られない」という企画側の話をよく耳にします。
ほとんどの場合、研修に対して、現場が期待するものと企画側が意図するもののギャップが大きい、あるいは現場に対して十分な説明をしていないことが原因です。
研修を効果的に進めるうえで、次の3点は欠かすことができません。

1)研修実施前に企画側から、上司に対して研修の意図と内容をしっかり説明すること
2)現場において、対象者への期待や役割について十分に議論をしたうえで、研修へ送り出してもらうように上司に依頼すること
3)研修内容と受講成果(アウトプット)をもとに、研修後の育成支援を行ってもらうように上司に依頼すること(現場実践のきっかけを受講者本人に委ねないこと)

説明・依頼の方法は問いません。
重要なことは、階層別研修は現場の協力が欠かせないということを現場と企画側の双方が認識し、対象者本人を組織として育成していく風土を醸成することです。

次回は「階層別研修の設計のポイント(コンセプトとプログラム)」についてお伝えします。

※次回は9月20日にお届け予定です。
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バーラウンジのようなカウンター、刺激を与えてくれる数々の書籍、やすらぎの観葉植物、思いを奮い立たせてくれるような音楽が流れる空間・・・。

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実はこれ、当社の「CO☆PIT(コピット)」という施設の写真なんです。

「研修」というと、正方形や長方形の部屋の前方に講師が立ち、参加者は講師を見ながら、またはグループを組みながら机上で学習をするというイメージが強いと思います。

しかし、CO☆PITでは、学びのための空間でありながら、部屋の中にさらに部屋があったり、エリアが区切られ移動しながらセッションを続けられたり、ペンでイラストを描ける窓があったり、自由にレイアウトできるテーブルがあったりと、既成概念とはかけ離れた空間になっています。

その既成概念にとらわれない学習の場が、いま、世の中から注目を浴びています。

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CO☆PITは、先週、「創造力養成」というテーマで、新聞の三面記事に大きく取り上げられました。目にしていただいた方も多いのではないでしょうか。
このようなことからも"独自の学びの場"に対する世の中の注目度の高さがうかがえます。

"独自の学びの場"では、私たちが参加者に一方的に物事を伝えるという従来型の手法は用いません。

私たちは、"場をデザインする"立場として、日常とはかけ離れた独自の空間だからこそ引き出される参加者の主体性と創造性を活かしたプログラムの設計・開発・実施・運営を行います。

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今、ビジネス環境の変化とともに、新たな環境への対応や、新たな価値創出が求められています。
このような中で、従来の「知識修得」だけではなく、"新しいスタイル"によって「創造力・実践力を養う」ことが重視されているのではないでしょうか。

当社は、これからもこのCO☆PITでの新しくデザインされたスタイルを通して、独自のサービスを提供してまいります。
ご注目ください!

みなさん、こんにちは!富士通ラーニングメディアの佐藤です。
主にビジネス・ヒューマンスキル分野の講師を担当しています。

今月は、当社が考える「階層別研修のあり方・考え方」について、私がこれまで携わった階層別研修の事例なども踏まえながら、4回にわたりお届けします(毎週木曜日掲載)。

階層別研修を企画・運営する方や、受講する方、部下を研修に送り出す方など、さまざまな立場の方にお読みいただき、少しでも参考にしていただければ幸いです。

さて、みなさんの職場では、階層別研修をどのような目的で行っていらっしゃいますか?

一般的に「階層別研修」は、自社の階層(課長・リーダー・○○等級・○○職など、企業によって名称は異なります)としてふさわしい人材を育成するための「基礎固め」と位置付けられる重要な研修です。

ところが実際には、
・研修の内容が、「経営層からの期待の伝達」、「対象となる階層の役割(およびコンピテンシー)の周知」、「人事上の処遇の説明」などにとどまっている
・研修受講が昇格要件であることのみがクローズアップされ、受講対象者も上司も研修の意義や重要性を理解していない
・特定の知識やスキルの研修に偏っている(課長はマネジメント、リーダーはリーダーシップ、若年層は論理思考など)
といったように、研修の場が基礎固めとして活かされていない、あるいは形骸化しているケースも多いようです。

1回目となる今回は「階層別研修に対する上司のかかわり方」についてお話しします。

<立場だけでは人は作れない>

A社の鈴木課長は、部下の遠山さんをリーダーに昇格させたいと思っています。
次の会話を読んで、みなさんはどのように思いますか?
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~リーダーに昇格する遠山さんと上司の鈴木課長との会話 その1 ~

鈴木課長:遠山さん、君には4月からリーダーとして頑張ってもらいたい。君も入社8年目になるし、チームメンバーとしての業務もすっかり板について、安心して任せられるようになった。そろそろ当課の中核として、リーダーの立場で仕事をしてほしいと思っているんだ。

遠山:私がリーダーですか?田中さん(同じ職場のリーダー)を見ていると、とてもあんなふうにテキパキできませんし、メンバーの育成や面談などもするのですよね。私はまだまだ経験が浅いですし・・・

鈴木課長:いや、遠山さんに限らず、最初はみんな不安があるものだよ。田中さんだって、私だってそうだったよ。でもね、立場が人を作るんだ。その立場になって、いろんな経験を重ねて成長していくんだよ。もちろん、勉強も必要だけどね。

遠山:なるほど、そうかもしれませんね・・・。分かりました。リーダーとして頑張ります。
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「立場が人を作る」とよく言われます。これは、未経験の立場(仕事の領域)で試行錯誤しながら、成功体験と失敗体験を積み重ねる中で、多くの気づきを得ながら成長し、その立場にふさわしい人になっていくという意味合いです。

しかし、「未経験の立場(仕事の領域)に踏み込むだけで、自ずと成長していく」ということではありません
その立場としての役割や、周囲からの期待をしっかり認識(=期待・役割の目的化)し、それに向かって、自分の強みを発揮または弱みを克服(=主体的な能力開発)しながら、さまざまな経験を重ねていくことが必要です。

昇格などで社内の階層が上がる場合には、現場の上司が自らの言葉で、新たな階層における役割と周囲からの期待を伝え、当事者にしっかり認識させることが先決です。

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<受講のトリガーは上司にある>

階層別研修の受講に向けて、遠山さんが研修内容について、鈴木課長に質問しています。
次の会話を読んで、みなさんはどのように思いますか?
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~リーダーに昇格する遠山さんと上司の鈴木課長との会話 その2 ~

鈴木課長:そうと決まれば早速だけど、昇格要件として、論文の執筆とリーダー研修の受講が必要となっているのは知っているね。人事にエントリーしておくから。特に論文は業務時間をうまく調整して早めに着手するようにね。

遠山:分かりました。ところで課長、リーダー研修はどんな内容なのでしょうか。

鈴木課長:リーダーとしての役割や心構え、あとは、仕事の進め方の基本を学習する内容だね。

遠山:メンバーとのコミュニケーションの取り方とか、育成方法なども教えてくれるのでしょうか。

鈴木課長:確か、それも研修のカリキュラムに入っていたと思うよ。詳しくは人事から研修案内が届くはずだけれど、田中さんにも聞いてみるといいよ。研修内容はここ最近変わっていないはずだから。

遠山:ありがとうございます。田中さんに聞いてみます。
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階層別研修がその階層における基礎固めをする場であるならば、学習する本人以上に、上司はその内容を熟知しておかなければなりません。
なぜなら、部下が研修受講をきっかけとして、期待や役割に対する主体的な能力開発を行っていくためには、現場業務の中で上司の中期的な支援が必要になるからです。

また、階層別研修は所属部門の業績向上や、受講者本人の弱みの克服といった局所的な問題解決ではなく、組織全体の価値向上といった全社的な課題達成のために行われています。
したがって研修後の育成も、業績成果だけではなく、その階層にふさわしい人材として成長しているか、つまり個の成長が組織にとって価値ある成長につながっているか、という視点に立って支援する必要があります。

なお、ここでは階層別研修に特筆していますが、事例にある登用論文などの、研修以外の施策についても同様のことがいえます。

いずれにしても、上司は、階層別研修の意義や研修後の育成方針について事前に部下と十分にコミュニケーションをとって、お互いに納得したうえで研修へ送り出すことが肝要です。
「とにかく行って来い」では、せっかくの受講機会を活かすことができないのです。

今回は、「階層別研修に対する上司のかかわり方」についてお話ししました。いかがでしたか?
次回は、「階層別研修に対する人材育成部門のかかわり方」についてお伝えします。

※次回は9月13日にお届け予定です。
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