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【いま、求められる人材】2012年人材育成のトレンド★現場からのレポート(米国企業・大学訪問記)

[2012年7月26日]

こんにちは!富士通ラーニングメディアの豊島です。教材やマニュアルなどのドキュメント企画・制作・翻訳業務を担当しています。

今月は、米国で開催されたASTD(American Society for Training & Development、米国人材開発機構)のカンファレンスから得た知見をお話ししてきました(毎週木曜日掲載)。
カンファレンス終了後には、大学や企業を訪問し、最先端の情報に触れてきました。
最終回となる今回は、訪問したアメリカの企業や大学で、今、どのようなことが行われているのかをご紹介します。

<さまざまなコンテンツをWeb上での受講へ(Oracle University)>

最初に訪問したのは、Oracleの研修サービス部門であるOracle Universityです。
クラウドコンピューティングの活用が進む中、Oracle Universityでも「教室トレーニング」から「トレーニングオンデマンド」への転換期に差し掛かっています。

Oracle Universityは、ほとんどのトレーニングコンテンツを、Web上で受講できるよう計画を進めています。
計画の初年度より、今までの教室トレーニングからトレーニングオンデマンドに大きくシフトしていく予定ということでした。

Oracle Universityのトレーニングオンデマンドの特長は、以下の通りです。
・最高のトレーニングを、ワールドワイドで、誰もが好きな時に90日間受講できる
・クラウドを活用した環境により、教室に行く手間/費用を削減できる
・コンテンツは教室で実施している講師を撮影し、臨場感を高めている
・世界最高水準の品質を確保できる

Oracle Universityで提供しているトレーニングオンデマンドは、ビデオの画像、音声ともに高品質で、非常に素晴らしいコンテンツでした。

ICT技術が今までの講師・教材・教室にこだわらない新たな人材育成の可能性を広げられることを改めて実感した訪問になりました。
当社も、ICTツールを活用し、学びたい人が学びたいことをいつでもどこでも学べる環境をお客様にご提供していきたいと思っています。

<PBLでリアルな学びを体験する(スタンフォード大学PBLラボ)>

PBL(Problem Based Learning)とは、当初、実際の現場における問題を題材とする「問題志向型の学習法」として紹介されていましたが、その後、進化しています。

スタンフォード大学のPBLラボでは、5つのP(Problem:問題、Project:計画、Product:商品、Process:過程、People:チーム)を網羅したPBLの手法を活用して、よりリアルに学びを体験するグローバルなプロジェクトが進行していました。

訪問先のPBLラボは建築学部に設置されているため、ある建設現場の実習を行っていました。本事例における特長をご紹介します。
・オープンな学びの空間:アメリカだけでなく、ヨーロッパをはじめとする世界各国から学生たちがロボット(※)で参加
・より現実的なテーマ:実際に存在する建設現場を想定し、プロジェクトを疑似体験
・リアルな現場からメンターを投入:学生たちのプレゼンテーションに、実務家たちがアドバイス

世界各国で実施されるグローバルなプロジェクトを想定し、遠隔地にいながら、ICTツールを活用してディスカッションなどに参加することで、PBL活動を実践しています。

当社でもPBL(Project Based Learning)の手法を用いた研修を開催しています。
今後に向けて、ICTを効果的に活用し、リアルな側面を補完することで、現場に近い状況を再現したり、遠隔地から参加したりした場合でも、「よりリアルに疑似体験できる研修」の開発のヒントが得られた訪問となりました。

20120726_6            ※この写真のようなロボットが遠隔地からの参加者1人に対し1台用意されています。
          
上部の画面には参加者の顔がリアルタイムで映ります。

<企業と学術研究を結びつける(スタンフォード大学Media X)>

Media X(メディア エックス)は、人の行動や考え、技術にかかわるデザインや研究をコーディネートするプログラムを実施しています。

スタンフォード大学の豊富で強力な人的ネットワークを活用し、大学と企業が共同研究し、市場などに新たなプロダクト(商品)やサービスを提供する産学連携を推進しています。
そういった点で、Media Xは企業と学術研究を結びつけるための触媒的な存在であるともいえます。

Media Xで実践している取り組み事例を紹介します。
・ラーニングトランスファー:ICTツール(360度の映像を撮影できるiPhone用カメラレンズ。Media Xで開発)を使い、学び/ノウハウを動画ですぐに共有
・人的ネットワーク構築/活用:あらゆる分野における人脈を生かし、複雑化する現場の課題について、チームで知や解を発見する「コラボレーティブ・ディスカバリ」にチャレンジ。
・科学分野でのシミュレーション:生物工学に関連した内容をインターネットでゲームのようにシミュレーションしながら学べる環境を支援

訪問を通して、スタンフォード大学の強力なネットワークが、企業のイノベーションを促進するための鍵の1つになることを実感しました。

<知を共有するためのオープンスペース(Citizen Space)>

Citizen Space(シチズン スペース)は、倉庫を改造して、起業したばかりの企業家たちのために事務所を提供しています。

机や椅子がまばらに置かれたオープンスペースに集まった企業家たちが、自分の仕事にだけ没頭するのではなく、そこにいるほかの企業家と刺激を与え合い、学んだりする場を意図的に作り出しているところに特長があります。
その結果、Citizen Spaceの人脈をフル活用して、ビジネスを展開する企業家が誕生しているそうです。

印象的だったのが、ともに働き、学ぶ、Co-WorkingやCo-Learningが、自然と行われていることです。
同じ環境を日本にそのまま導入すれば、同じ効果が現れるかといえば、文化の違いなどから難しい面もあると思います。

しかし、研修の中に、お互いに学び合える環境を盛り込み、個人が組織に頼らず自発的に学ぶ、インフォーマルラーニングを考える上で、大いにヒントになる訪問となりました。

以上のような、アメリカの企業や大学における視察で得たことから、効果的な研修につながる要素を探り、積極的に取り入れ、みなさんのお役に立てるような研修サービスにつなげていきたいと思っています。

20120726_citizenspace_2

<カンファレンスと視察を振り返って:これからの人材育成とは?>

4回にわたり、「2012年人材育成のトレンド」として、アメリカのASTDカンファレンスへの参加や企業・大学に訪問から得た知見についてお話してまいりましたが、いかがでしたか。

今回の訪問全体で感じたことは、2つあります。

1つ目は、研修サービスをご提供する立場として、「定期講習会をご提供するだけではいけない」という危機感です。

第2回でもお話ししましたが、今後はそれぞれの組織の目標にあわせた研修をご提供していくことが、さらに重要になると考えています。
そのために、お客様のビジネス目標を達成するために必要な人材育成について、人材育成パートナーとして一緒に考えさせていただける存在になりたいと考えます。

2つ目は、ネットワーキングの重要性です。今回のアメリカ訪問で、人と人が交流し、何かを一緒に作り上げていくことで、「1+1」が2以上の力となる現場を目の当たりにしました。

これはまさに、人的ネットワークの力です。ASTDカンファレンスの参加者は、「プロとして高い知識や技術を持つ人が、組織の枠にとらわれず、より高い成果物を作り出していく」ことができるネットワークを構築することの重要性を、強く認識していました。

日本においても、企業間を越えて共通の目標を持つ人同士が、情報共有し、お互いに支援を行い合うようなネットワークをもつケースも見受けられ、ネットワーキングの必要性は高いと考えます。

当社では、これまでも、同じ目標を持つさまざまな企業の方が集まり情報交換を行うプログラムをご提供し、受講者の方同士のネットワーキングのお手伝いをしてきました。
今後、さらに、この取り組みを強化し、お客様のお役に立つ情報をご提供しながら、当社がお客様同士のネットワークの「ハブ」のような存在になりたい思っています。

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当社では、人材育成に関するさまざまな無料セミナー/無料体験・相談会を開催しています。ぜひ、お気軽にご相談ください!
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■「2012年人材育成のトレンド」は今回で終了です。お読みいただきどうもありがとうございました。
バックナンバーもあわせてお読みください。
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