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2012年3月記事一覧

こんにちは!富士通ラーニングメディアの城(じょう)です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントは?」というテーマで話をしています。

4回目の今日は、大きく職場環境が変わる中でも、確実にプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャを育成するには、どうすればよいのか、がテーマです。

<プロジェクトマネージャの育成のポイントは2つ>

人材育成には時間も手間も必要です。

しかし、プロジェクトの進行が早く、人材育成に時間も手間もかけられない、という現実の中で、確実にプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャを育成するには、どうしたらよいのでしょうか。

私は、2つのポイントを挙げたいと思います。

1つ目は「KKDを短期間で身に付けること」。

そして、2つ目は「ビジネス環境の変化に対応できるようになること」。

今回は、1つ目のポイントについてお話しします。

<KKDを短期間で身に付ける>

KKDとは、前回お話ししたように、「K:勘、K:経験、D:度胸」のことです。KKDを身に付けるには、本当は、実際の現場を、豊富に経験するのが一番よいのですが、すべてを経験するには、時間がかかります。
プロジェクトの進行が早く、現状の業務に追われ、人材育成に時間も手間もかけられない、という現実もあります。

このような状況下で、いかに、KKDを身に付けていけばよいのか?

私はその答えのひとつが、業務の中で経験を積むOJTだけでなく、職場の外に学ぶ場を作ること、すなわち、Off-JTとして研修を効果的に活用することだと考えています。

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<研修を活用するメリットは疑似体験>

研修のメリットは、何と言っても、実際の現場で起こりうることを、豊富に疑似体験できることです。

皆さんが、PMBOK® GuideA Guide to the Project Management Body of Knowledge)などの知識をベースとした内容を習得された後の研修として、受講をお考えの際は、ぜひ、「疑似体験を豊富に取り入れた研修」を選ぶことをおすすめします。

一例として、当社のプロジェクトマネジメント系コースの中でも、疑似体験をメインとするコースで実施する演習の特長をご紹介します。

演習は、

1.富士通などに在籍しているプロジェクトマネージャに取材をして、実際に起きたシチュエーションをベースとした演習課題を設定
2.「自分がプロジェクトのマネージャだったら、その課題にどう対応するか」を、受講者1人1人が考える個人ワーク
3.他の受講者とのグループ・ディスカッション

という手順で行われます。

演習課題は、たとえば、「旅行会社のシステムを再構築する」というシチュエーションのもと、基本設計におけるリスクの洗い出しや、リスクに対する事前防止策の検討など、実務に即したものを設定しています。

また、1人で考えるだけでなく、他社から参加している受講者の方たちとグループ・ディスカッションをすることで、自分の考えがより深まり、自分・自社だけでは気づかない、他者・他社の視点にも気づくことが可能です。

このように多様な演習を積み重ねることで、何年もかかるプロジェクトや、失敗しそうなシチュエーションからのリカバリーなど、さまざまな疑似体験をすることができるようにしています。

■次回は、確実にプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャを育成するための2つ目のポイント「ビジネス環境の変化に対応できるようになること」についてお話しします。
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富士通ラーニングメディアでは、プロジェクトマネジメントのスキルを体系的に学べます。
短期間で新たな経験知を得ること、そして経験知を深めることができると好評です。
ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。
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PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management institute,inc.)の登録商標です。

こんにちは!富士通ラーニングメディアの城(じょう)です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントは?」というテーマでお話をしています。

3回目となる今日は、プロジェクトマネジメント関連コースなどの講師を10年担当している私が、PMBOK® GuideA Guide to the Project Management Body of Knowledge)を現場で使いこなすためのコツについてお話しします。

PMBOK® Guideを使いこなすために必要なもの>

前回お話ししたように、PMBOK® Guideはプロジェクトマネジメントのグローバルスタンダードで、素晴らしいフレームワークです。

しかし、PMBOK® Guideだけ知っていれば、いつでも、誰でも成功できるのか、というと、そうではありません。

PMBOK® Guideはあくまでもフレームワークですから、自分の業界や、目の前のプロジェクトに合わせてアレンジし、使いこなすことが必要になってきます。

では、PMBOK® Guideを使いこなすには、何が必要なのでしょうか?

その一つの解としてKKDが挙げられます。

<KKDは、現場の知恵>

KKDとは、「勘(K)と、経験(K)と、度胸(D)」のことです。

『○○の仕様は、未確定要素が多いため、リスク対策として、費用を考慮しておこう』
とか
『○○の作業は時間がかかる傾向があるので、バッファを長めに確保しておこう』
などといった、

言わば、昔から培われてきた「現場の知恵」のようなものです。

PMBOK® Guideというフレームワークに、現場の知恵であるKKDが融合することで、それぞれのプロジェクトに最適なマネジメント方法が見つかってくる、というわけです。

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<KKDが現場で身に付かなくなっている>

「勘」「経験」「度胸」「現場の知恵」という言葉が示すとおり、KKDは属人的な側面が大きい経験知です。

以前は、業務経験を積む中で、先輩プロジェクトマネージャの背中を見ながら、後輩に受け継がれてきました。

1つのプロジェクトが、年単位で進み、時間をかけることができていたため、KKDがスムーズに後輩へ受け継がれていく環境が整っていたのです。

ところが、現状はこんな感じです。次の、経営者A氏と私の会話をお読みください。

  『業務と人材育成のどちらを優先していますか?』
A氏 『今年は厳しいからね。人材育成よりも、目先の業務が大事でしょう』
  『では、来年はどうですか?再来年は?』
A氏 『それは・・・うーん。人材育成が大事なのは分かるけれど、やっぱり、この先もずっと、業務優先になるだろうなあ』

「業務が優先」と話してくださったA氏のお気持ちもとてもよく分かります。

実際に、人材育成には時間も手間も必要だからです。

プロジェクトの進行が早い今、以前にくらべ、人材育成に時間も手間もかけられない、というのが、多くの職場の現実です。

■大きく職場環境が変わる中でも、確実にプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャを育成するには、どうすればよいのでしょうか?次回はそのポイントをお話しします。
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PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management institute,inc.)の登録商標です。

こんにちは!富士通ラーニングメディアの福山です。

毎週木曜日は、「これからのプロジェクトマネジメントとは?」というテーマでお話をしています。

第2回目となる本日は、「プロジェクトを成功に導くために」というテーマで、PMBOK® GuideA Guide to the Project Management Body of Knowledge)について、みなさまと一緒に考えてみたいと思います。

富士通で20年以上、プロジェクトマネージャを担当してきた私の経験や、はじめてプロジェクトにPMBOK® Guideを導入した時に感じたことなどをお話ししましょう。

PMBOK® Guide:米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)が作成した「プロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめた」もので、グローバルスタンダードとして活用されています。

PMBOK® Guide導入で、プロセスを共通言語化>

富士通時代、私は、あるプロジェクトで、100人ほどのシステムエンジニアを取りまとめ、何人ものプロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーを抱えていました。

組織文化の異なるメンバーもいましたので、プロジェクトの運営方法を統一する目的で、PMBOK® Guideを導入することにしました。

PMBOK® Guideの考え方をプロジェクト運営に適用したことで、何を、どういう流れでやったらよいかの基準が分かるようになり、大きな漏れや、観点のずれが少なくなりました。

その結果、さまざまな組織文化で育ったプロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーであっても、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)を追求するプロセスを、ある一定の基準を守った上で遂行できるので、失敗が少ない着実なプロジェクト推進ができるようになっていったのです。

さらに、プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーの属人的だった経験知が、PMBOK® Guideというフレームワークに基づいた共通認識のもとで語られる「形式知」となって、ノウハウが次の世代へ受け継がれやすくなるという効果も出てきました。

実はこれが重要なことです。

PMBOK® Guideには、標準たるものの素晴らしさがあります。

それにのっとった仕様は、「福山流」や、「富士通流」ではなく、誰もが共通で認識できる「ブランド」としての地位が確立されるので、お客様にも、社内のチームメンバーにも、自然に受け入れてもらえるわけです。

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PMBOK® Guideだけ知っていても、成功できない>

実は、優秀なプロジェクトマネージャは、PMBOK® Guideを知らずともプロジェクトを成功裏に運営できていて、後からPMBOK® Guideと照らし合わせてみたら、自分のやっていることは、PMBOK® Guideにのっとっていたことに気がつくことが多いのです。

しかし、最近は1つのプロジェクトの実施期間が短期化し、複数のプロジェクトを掛け持ちしているマネージャも少なくありません。

そのため、社内での人材育成に時間や手間がかけられなくなっています

プロジェクトマネージャになる前に、プロジェクトを成功に導くスキルを完全に身に付けることが難しくなっているのです。

このような場合でも、PMBOK® Guideを指針にマネジメントすると、大きな失敗をしないですむわけです。

では、PMBOK® Guideだけを知っていれば、いつでも、誰でも成功できるのか、というと、答えは「NO!」です。

PMBOK® Guideはあくまでも、あらゆる業界で通用するフレームワークです。

また、「何をすべきか」は書いてありますが、「どうやってそれをすべきか」は書いてありません。

ですから、自分の業界や目の前のプロジェクトに合わせてアレンジをして、現場で使える具体的なフレームワークに落とし込むことが必須です。

その、アレンジや落とし込みが難しいために、多くのプロジェクトマネージャたちから、「PMBOK® Guideという素晴らしいフレームワークがあるのは分かる。でも、どうやって使いこなしたらよいのか分からない」という声が聞こえてくるわけです。

■次回は、PMBOK® Guide使いこなせるフレームワークにするためのコツについてお話しします。
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富士通ラーニングメディアでは、プロジェクトマネジメントのスキルを体系的に学べます。
ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。
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PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management institute,inc.)の登録商標です。

こんにちは!富士通ラーニングメディアの福山です。

本日より、毎週木曜日は8回にわたり、「これからのプロジェクトマネジメントとは?」というテーマでお話をしていきます。

私は、20年以上にわたって、富士通でプロジェクマネジメントを担当してきました。

かかわったプロジェクトは100以上ありますが、もちろん成功したものもありますし、残念ながら失敗したものもあります。

そんな私の経験を交えて、お話をしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

では、第1回目の今日は「PMBOK® Guide(ピンボック)」(A Guide to the Project Management Body of Knowledge)についてお話しします。

PMBOK® Guideを使いこなせていますか?>

このブログをお読みの方の多くは、PMBOK® Guideを聞いたことがあると思いますが、まずは、少しご紹介しておきましょう。

PMBOK® Guideは、A Guide to the Project Management Body of Knowledgeの略で、アメリカのPMI(プロジェクトマネジメント協会:Project Management Institute)が作った、プロジェクトマネジメントの知識を体系化した、グローバルスタンダードです。

建設、製造、ソフトウエア開発などを含む幅広い業界において、プロジェクトが成功するための道筋を42のプロセスで標準化しています。

PMBOK® Guideが提唱される前は、スーパーマンみたいに優秀な人がマネジメントするとうまくいき、プロジェクトマネジメントの経験が乏しい人だとうまくいかないというように、プロジェクトの成果は人によって大きく異なっていました。

つまり、プロジェクトマネジメントは属人的な経験知にとどまっていたわけです。

ところが、PMBOK® Guideというフレームワークが登場したことで、プロジェクトマネジメントが、経験知から形式知となり、プロジェクトは、誰がやっても、同じ手順で推進できるようになったのです。

PMBOK® Guideはとても素晴らしいツールのようだ」ということは、誰しもが認めるところでしょう。

実際、PMIが認定しているプロジェクトマネジメントの国際資格であるPMP® 資格の取得者も年々増えており、関心が高まっていることが分かります。

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ところが、当社のプロジェクトマネジメント系講座を受講された方からよく聞くのが、『PMBOK® Guideという素晴らしいツールがあるのは分かる。でも、どうやって使いこなしたらいいのか分からない』という声です。

<最初は「食わず嫌い」でした>

実は、PMBOK® Guideに対する私の最初の印象は、アメリカ発祥であり、建設業界に端を発したものだと聞いていたので、「きっと我々日本のITプロジェクトにはフィットしないだろう」でした。

そして、「PMBOK® Guideを使わなくても、プロジェクトは成功に導ける」と思っていました。

ところが次第に、「PMBOK® Guideは、実に素晴らしく有益だ」と感じるようになったのです。

なぜ、そう感じるようになったのかを、次に説明しましょう。

当時私は富士通のシステムエンジニアでした。

すでに他ベンダーのシステムを導入されているお客様のところに、富士通のシステムを追加導入するという商談の席でのこと。

システム導入の進め方について説明をしていたところ、お客様から『その進め方(開発標準)は富士通だからですよね。従来我が社で使っていたA社の開発標準だと、どの箇所でどの作業にあたるのか説明をしてもらいたいのですが・・・』というご要望をいただきました。

その時に思い出したのが、PMBOK® Guideです。

PMBOK® Guideをにわかに勉強してみたところ、そこには、今まで自分がいくつものプロジェクトを運営し、実践してきた手順が書いてあり、手順1つ1つに対し、タスクとしての名称がつけられ、非常に分かりやすく、体系立ててまとめられていました。

さらには、プロジェクトマネジメントの観点を9つの知識エリアに分類・整理するアプローチを推奨してあったので、「PMBOK® Guideはものすごく整理されたテンプレートなのだ」ということを実感するに至ったわけです。

そして、次にお客様にお会いした時に、富士通でもなく、A社でもなく、『世界標準であるPMBOK® Guideに基づいて説明をさせていただきます』と言ったところ、お客様にすんなりと受け入れていただいたのです。

PMBOK® Guideには、思わぬ効果もありました>

プロジェクトのスタート時に、プロジェクトのプロセスが漏れなく体系化されているPMBOK® Guideの全体像を説明すると、お客様にも全体の流れが分かりやすくなりました。

20120308__4 その結果、お客様が自発的に次にやるべきことを考えることが多くなり、分からないことがあると『これってどういうことですか?何をすればよいでしょうか?』と聞いてくださるようになったのです。

それまでは、手順をその都度、1つ1つ説明していたのですが、PMBOK® Guide導入後は、お客様からの質問に対して『PMBOK® Guideをベースに、富士通ではこうやっています』とお答えすればよくなり、プロジェクトの進行が劇的にスムーズになりました。

PMBOK® Guideに基づくことで、新規システムの導入や、違うシステムへの乗り換え・追加を検討している企業にとって、利便性が上がります。

また、世界進出を考えている企業にとっては、PMBOK® Guideという世界のどの国でも通用するフレームワークにのっとった仕様にすることは、大きな意味があります。

このようなメリットを実感していくにつれ、私自身も心から、「PMBOK® Guideは素晴らしい。私の食わず嫌いだった」と思うに至ったわけです。

■次回は、PMBOK® Guideをプロジェクトに導入した時に感じた効果についてお話しします。
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富士通ラーニングメディアでは、プロジェクトマネジメントのスキルを体系的に学べます。
ご自分のスキルアップに、スタッフのスキルアップに、ぜひ、ご活用ください。
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PMBOK、PMPは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management institute,inc.)の登録商標です。

こんにちは!富士通ラーニングメディア・ソリューション本部の森です。

日本がグローバルビジネスを展開するうえで、欠かせない地域である東南アジア。

その中で、特に親日性が高いといわれるベトナム・シンガポール・フィリピンの3ヶ国の人材育成の現状を視察してまいりました。

前回、当社の岨下がご紹介したのは、シンガポールのICT教育の取り組み。

シンガポールに多くの優秀な人材が揃っていることは知っていましたが、それは国をあげての人材育成の賜物だったのですね。

第4回の連載となる今回は、発展のスピードが目覚ましいフィリピンの現状についてお伝えいたします。

<英語堪能で親切な国民性>

前回、当社がフィリピンを訪れたのは、およそ10年前。

当時はほとんど整備されていなかった国が、この10年間で驚くほど発展しており、そのスピードにとても驚きました。

ベトナムやシンガポールと同じく、国内は活気にあふれており、グローバルビジネスを展開する企業から大きな注目を集めています。

実際、ここ10年の間に多くの欧米IT企業が参入、データセンターなどを集約する動きが見られました。英語が堪能な上、親切な国民性を持つフィリピン人。

彼らは諸外国の技術を取り入れ、フィリピン仕様に転換する能力にも長けています。

<日本とのパイプ役を育成>

国民の貧富差が激しいフィリピンでは、資産家が複数のベンチャー企業を立ち上げるケースが多く見られます。

ベンチャー企業は、ビジネスの読みが非常に早く、何に力を入れるかの判断がとてもスピーディーなのが特徴です。

現地の某ベンチャー企業では、オフショア開発の際に必要なブリッジSEを育成。

日本と現地の仕事の進め方の違いを理解した上で、二国間のプロジェクトを円滑に進める役割を果たしています。

<大学と企業の連携で人材育成>

フィリピン大学IT Training Centerでは、市場で必要とされるIT人材を育成するために、企業とタイアップしたカリキュラムを取り入れています。

企業から講師を呼んだり、社員を大学へ生徒として派遣したりと、双方の連携がうまくとれている様子が見受けられました。

また、企業からの手厚い奨学金制度が整っているのも特筆すべきポイントです。

学生は、企業と密着した学びを通じて、最新の知識や技術を身に付けることができます。

一方、企業は早い段階で優秀な人材を確保し、即戦力として活かすことができるのです。大学と企業、双方にとって大きなメリットが感じられるシステムといえるでしょう。

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元々、フィリピン大学IT Training Centerでの「人材育成プロジェクト」は、2004年から2011年にかけて、日本のODA(政府開発援助)予算によって技術協力をおこなってきた取り組みです。

しかし現在では、大学と現地企業がうまく連携し独立採算制をとるまでに成長しており、ODAからの補助金は拠出されていません。

大学と企業連携の希少なモデルケースと言えるでしょう。

今後、フィリピンへのビジネス参入を検討する場合、フィリピン大学の例のように企業と大学が連携をとっていくのも1つの方法かもしれません。

企業から講師を輩出→大学で優秀な人材を育成→優秀な人材が企業へ就職というサイクルは、特に地元で就職をしたい若者にとって、とても魅力的にうつるのではないでしょうか。

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<次世代の人材を育成するために>

これから、さらなる経済成長が期待できるフィリピン。

日本がフィリピンへのグローバルビジネス化を考えたときに必要となってくるのは、二国間を橋渡しするグローバルな視野を持った、リーダー的役割を担う人材だと考えています。

繰り返しになりますが、仕事のやり方が異なる日本とフィリピンにおいて、プロジェクトを円滑に進めるためには、双方の文化の違いを汲み取る能力が必須。

しかし、現状では、日本からの指示や意図を現地スタッフに的確に伝達し、議論し、新たな価値(ビジネス・サービス)を作り上げることのできる人材は、じゅうぶんに育っていません。

現地のスタッフを、どう育成していいかわからない企業が多いのも現状です。

資金に余裕があれば、現地スタッフを日本に呼んで、まずは日本のやり方をしっかり学ばせる。

その上で帰国させるのも1つの方法かもしれませんね。

また、フィリピン人も日本語習得のハードルを高いと感じています。

言語の壁をどのようにして越えさせるのかも、今後の大きな課題となってくるでしょう。

さらに、私自身が最も必要だと感じたのが、日本のプロジェクトマネージャー、およびリーダーのグローバル化

プロジェクトマネージャーやリーダーが、よりグローバルな視野を持ち、グローバルな仕事の進め方を身に付けないと、他国のビジネススピードにはなかなか追いつけないのではないのでしょうか。

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4回にわたってお届けしてまいりました、「アジアにおける人材育成」いかがでしたでしょうか?

東南アジアの中でも、特に親日性が高いといわれる、ベトナム・シンガポール・フィリピン。

私なりに各国の知識を収集して視察に臨んだつもりでしたが、実際に足を運んでみると、当初の予想とはずいぶん異なることを実感しました。

東南アジアと言っても、文化や国民性はさまざま。

ひとくくりにして、グローバビジネスを展開するための判断材料にしてしまうのは、たいへん危険だと感じます。

これからグローバルビジネスを検討するにあたっては、やはり現地に赴き、生の状況をしっかりと把握すること、それを元に整理や分析をしていく必要性があることを強く感じました。

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