連載コラム「スマートフォン始めました」
その1:ワンソース・マルチデバイス

これまでのコラムをご覧くださり、ありがとうございます。
今回は、これまでとは話の切り口を変えて、最近はじめた新しい試み「モバイル・ラーニング」についてご紹介しましょう。1回目のテーマは、「ワンソース・マルチデバイス」です。

スマートフォンはじめました!

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「スマートフォン始めました」とは、どういう意味ですか?簡単に説明してください。


武田君

少し唐突でしたね。これは、「当社もスマートフォン対応のeラーニング開発を始めました」という意味です。従来のeラーニングは、「パソコンを使った学習」というイメージが一般的でした。でも、それだとパソコンのない職場の方はトレーニングに参加することができませんね。
そこで考えたのが、スマートフォンを使ったトレーニングです。

モバイル・ラーニング

これは、東京ビックサイトで開催した「第4回 教育ITソリューションEXPO」(2012.5.16~5.18)に出展したパネルです。当社のスマートフォンへの取り組みをコンパクトにまとめてみました。

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なぜスマートフォンなんでしょう?


武田君

2011年度に国内で出荷された携帯電話端末は、およそ4,336万台でした。2015年度の予測では、7割以上がスマートフォンやタブレットが占める見込みです。

スマートデバイス出荷台数

この数字を日本の人口にあてはめて考えると、日本人の2人に1人はスマートフォンを持っていることになります。この身近なツールを人材育成や人材開発に活かさない手はありません。 新しいデバイスを使うことに抵抗のない若手層からトライアルを始めれば、会社の中に新しいラーニングスタイルを定着させていくことができるのではないでしょうか。

スマートフォンは、すでに生活の手足です。 メール、ニュース、時刻表検索、Facebookのチェックなど、生活のあらゆる場面で無意識に使われています。

パソコンのように起動に時間はかかりません。「仕事しよう」「勉強しよう」と身構えることなく、「ちょっとやりたい」と思ったとき、すぐ手に取り、使い始めることができます。

この気軽さがスマートフォン最大の強み。自分中心で、さっと使えて、さっと止められるのが魅力です。これを「学び」に使わない手はありません。

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なるほど。それでスマホ対応を始めたわけですね。今回の試みは、どこが一押しのポイントなんですか。


武田君

1つコンテンツを作れば、どのデバイスでも動く。そして、誰のところにも届く。
それを目指しました。具体的には、こんなコンセプトです。

  1. 手持ちの学習コンテンツを活かす
  2. モノ作りのコストを最小限に抑える
  3. 管理、メンテナンスをシンプルにする

コンテンツのマルチデバイス対応を実現しようとすると、ふつうは、パソコン用、Android用、iOS用と、デバイスごとにコンテンツを開発しなければなりません。非常に手間暇がかかります。もちろん、コストもかさみます。 これをなんとかしないと、マルチデバイス対応は難しい。そこで考えたのが下の図のしくみです。

ワンソース・マルチデバイス

1つのコンテンツをデバイスの数だけ開発するのではなく、1つ作れば、どのデバイスでも動作するのが理想です。私たちは考えました

当社には「knowledgeC@fe」というラーニングマネージメントシステムがあります。この「knowledgeC@fe」向けに「特別なエンジン」を開発し、その「エンジン」で、学習者が使用するデバイスを識別すればいい。 相手がパソコンならパソコン向けに、iPhoneであればiOS向けにコンテンツを表示し、AndroidであればAndroid端末のバージョンにあわせてコンテンツを表示させよう。そうすれば、コンテンツは1つで済む。

試作品のエンジンはできました。「knowledgeC@fe」と、この新しい「エンジン」。この2つを使えば、今お手持ちのコンテンツにほとんど手間をかけずに、様々なデバイスで参照できるようになるのです。

前述の「教育ITソリューションEXPO」では、このエンジンを用いてデモンストレーションを行い、来場者の皆様から関心を寄せていただきました。その声を受け、現在もエンジンを改良です。秋にはサービス化を目指しています。

予告

次回は、「スマートフォン始めました-その2 充実の学習機能」 についてご紹介いたします。
★今後の予定  (隔週火曜日に掲載)
  その2 充実の学習機能 [7月3日掲載予定]
  その3 互いに教え合い、共に成長するLearning2.0の時代へ [7月17日掲載予定]

ご意見お寄せください

いかがでしたか、今回のコラム。「新しいエンジン」の開発は、私たちはとても面白い試みだと思っているのですが、このコラムをお読みの皆さんは、どう受け止められましたでしょうか。
このチャレンジに関心を持ってくださった方は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。お待ちしています!

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